【レポート】GitHub Constellation Conference:シビックテック – 伽藍とバザールとオープンガバメント #githubconstellation

はじめに

本記事はGitHub Constellation Conferenceのセッション、「シビックテック - 伽藍とバザールとオープンガバメント」のレポートです。

レポート

スピーカーは一般社団法人コード・フォー・ジャパンの関 治之さん。

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スライドはこちら。

背景

元々は社会問題の解決にはあまり興味がなかった。
 技術をやれればそれで良い。
 ある事件をきっかけにテクノロジーの社会貢献を考え始めた。
そのきっかけは東日本大震災。
 その頃広告配信の会社にいたが、広告配信している場合じゃない、と思った。
 テクノロジーで何か出来ないかを考えた。
 そのもやもやを解決してくれたのがテクノロジー。
 友人とsinsai.infoを開発。
  Twitterの情報を地域と時系列でまとめた。
  sinsai.infoをきっかけに色んな人とつながることができた。

行政/自治体のシステム開発

自分の知るソフトウェア開発とはかけ離れていた。
伽藍とバザール。エリック・レイモンドが書いたLinuxの開発スタイルのエッセイ。
 伽藍。大聖堂みたいなもの。
 バザール。人が集まって勝手に商売をやってるもの。
 伽藍は中央集権型、長いリリース期間、なかなか完成しないが最後には荘厳なものが出来る。
 バザールは小さいところから始まって、徐々に人が集まって、常に変化し続ける。
 伽藍はプロプラエタリ、バザールはオープンソース。
この考え方を公共のシステム開発に当てはめると...まさに伽藍。
 各自治体ごとに仕様決め、入札、リリース、単年度予算なので変更もされない。
伽藍モデルの課題。
 変化に弱い。
 一つの組織にしかノウハウがたまらない。
 ベンダーのほうが詳しくなり、ロックされる。
バザール型に出来ないか?
 市民とともにサービスを作り、オープンソースにして、フィードバックをPRでもらうような世界。

CODE for JAPAN

どこから手をつけるか?
ジェニファー・パルカさんのTED Talk
 日本語訳もあるので是非見てみてください。
 21世紀型の政府を作る。人々によって、人々のための政府。
 シビックテックという考え方。
  by the people, for the people。
CODE for AMERICAの皆さんと「日本でもやりたい」と話した。
 やればいいじゃん、と言われた。
「ともに考え、ともにつくる」のがCODE for JAPAN。
ともに考えるためにデータを活用し、オープンに、人々をネットワーク化する。
活動。
 オープンなコミュニティを作る。
  市民同士が繋がる。
 創造的なアイデアを考え、実際に作ってみる。ハッカソンなど。
 NPOや企業など、リソースを持っているところと連携する。
日本では40地域でCode forなコミュニティがある。
 ロゴが全部違う。主体的に各地域で活動しており、JAPANの下部組織ではない。
 各地でワークショップを実施。
 マッピングパーティ、行政との合同勉強会、ハッカソン/アイデア村、アプリ開発など。
 作ったものやアイデアをオープンソースで共有。
 さっぽろ保育園マップ。
  Code for Sapporoに参加する子育て中の母親のアイデアから生まれた。
  保育園の情報はバラバラで分かりづらい。情報で検索可能に。
  開発のきっかけは自分で使いたかったから。
よいソフトはすべて、開発者の個人的な悩み解決から始める。
 これは行政にも適用できる。
 エンジニアは手を動かすことが出来る。
 みんなが行動すれば日本は変わるはず。

行政も望んでいる

イノベーションのためのオープンガバメント。
オバマ大統領により一気に広がった。
 行政は透明性を確保すべき、情報公開ではなくより積極的に。
 行政プロセスに国民が参加しやすくなる。
 民間に公共データをどんどん活用してもらうべき。
 プラットフォームとしての政府を作っていく。
そのためにオープンデータを推進。
日本でも、地域におけるICT活用が求められている。
 地域でICTが活用されることで経済効果が発生する。
官民データ活用推進基本法(2016年施行)
 データ流通の促進、個人の関与の仕組みの構築。
 データの参照や起業などをしやすく。
 自立的で個性豊かな地方が創成される。

実際の活動

Code for Kanazawaのアウトプット。ゴミ収集カレンダー「5374.jp
 金沢はゴミの分別が多くて大変。分かりやすくするために生まれたのがこのアプリ。
 5374のソースコードはGitHubで公開され、500近くForkされている。
地域のコミュニティで作ったオープンソースが広く使われることで無駄な税金利用を防ぐことにも繋がる。

公共交通とオープンデータ

公共交通は日本の大きな課題。
 コミュニティバスなどはGoogle検索では出てこない。
 小さい企業は外国人向けのアプリを作るような予算はない。
GTFS。Googleが公開した交通データのデファクトスタンダード。
 GTFSを使うことでGoogleの検索結果にコミュニティバスを出すことが出来る。
 能美市で実際に導入。
 全国でGTFSを採用した公共交通機関の情報利用が広まってきた。
 国土交通省が拡張GTFSを発表。

大事なのは人

システムは正しければよいわけではない。人のコミュニケーションというところが重要。
組織力で勝負するだけでなく、いろんな人が交わる環境があったほうがいいと思っている。
一緒にコラボレーションするためには様々な壁がある。
越境人材育成、一緒に働く機会を作ることで、壁を壊す。
 行政向けにIT人材派遣。
 浪江市では震災避難者向けにタブレットを配布、タブレット用ITシステムを開発をサポート。
  お年寄りでも簡単にタブレットが使えるように。
  行政の中からコラボレーションを推進。
 利用者の声。仮設住宅の近所の人と交流することができた。友人の顔を見ることが出来た。
 開発はアジャイルで。利用者の声を聞くことで良いものが作れた。
日本は雇用流動性が小さい。
 コーポレートフェローシップ。
  企業の研修として自治体で働いてもらう。週1,2日程度。
  自治体の中で職員として働くことで学んでもらう。
  2016年は5社から8市に対し11名を派遣。
  GitHub 藤田さんも神戸市にフェローで週1勤務。

まとめ

多くのエンジニアに地域の課題や行政に目を向けて欲しい。
GitHub and Government。ガバメント向けのGitHubの施策。
 オープンソース、オープンデータ、オープンガバメントを推進。
 アメリカでは62の都市でGitHubのOrganizationが作成されている。
 日本では6しかない。
  国土地理院では納品をPRで行っており、非常に進んでいる。
伽藍モデルを脱却し、利用者とともに考えともに作る、バザールな世界を作りたい。

さいごに

テクノロジーを地域自治体の問題に役立てるという素晴らしい取り組みだと思います。僕自身札幌という地方都市に住んでいるため、地方にある課題についてはとても身にしみました。