助けてほしいときのお作法

助けてほしいときのお作法

Clock Icon2025.03.14

とーかみです。

新しい環境に身をおいたり、やることが変わるとわからないことが増えて周りに助けを求めたいときがあります。

この記事では、自分が助ける側だったときにどんな情報を提示してもらえると助けやすいかを書いてみます。
言い換えると「周囲に助けてほしいときの伝え方のポイント」ということです。

伝えてほしいこと

助けを求めるときに伝えてほしいことを説明します。

背景と目的から伝える

同じ質問であっても、目的によって回答や支援の仕方が変わるので背景と目的から伝えてください。
支援を受けてあなたが何がやりたいか、どういう状態にしたいのかということです。

「わからないレベル」を伝える

全然わからないのか、あとちょっとなのかも区別した上で回答したいので、今の「わからないレベル」を教えてください。

初めて関わるものだと「何がわからないのかわからない」ということもあると思いますが、それでも大丈夫なのでそう伝えてもらえるとうれしいです。

具体的なわからないレベルの例は後述しますので、そちらも参考にしてください。

何が見えているか伝える

「エラーが出ている」、「何かおかしい」だけではなく具体的に「何をやりたくてどんな操作をしたら何が表示されたのか」というような具体的な情報を伝えてください。

生の情報を伝える

何が見えているかを伝えるときには、生の情報、つまり見えたままの情報を渡してほしいです。

例えば、エラーが出ているのであればエラーメッセージを教えてください。支援する側も、知らないものやすぐ思い出せないものはとりあえずエラーメッセージで検索して調べるところから始めることが多いです。

エラーが表示されている箇所の画像キャプチャもほしいです。
でも、画像だけよりもテキストで送ってもらえた方がうれしいです。(画像からテキストを抽出することは以前より簡単になりましたが)
(認証情報や機密情報は扱いに注意しましょう)

「この記事や手順書をもとにやってみた」のであればその情報もほしいです。
(URL + 該当箇所の引用など)

現場をたどれる情報を伝える

伝えてもらった情報だけで判断できる場合もありますが、追加で調査や検証をしたい場合もあります。

調査や検証には、事象が起きている現場の確認が必要なので、現場をたどれる情報を伝えてください。
例えば AWS アカウント、リージョン、サービス、ログの場所です。

事実と推測/考察を分ける

伝える内容の中で事実とあなたの推測/考察が区別できるようにしてください。

区別ができない状態だと、もう一度最初からやってみて確認しないとわからない場合があるためです。

解決のヒントになったり情報を思い出すきっかけになることもあるので、推測や考察、予想の情報をつけてもらえるのはうれしいです。

相手にとってほしいアクションを明示する

ここまでの内容は、質問をしたい場合を想定して記載していましたが、質問以外にも事前相談、事前連絡、事後報告をしたい場合があると思います。

文章だけだとそれが質問なのか連絡なのか区別がつきにくい場合があり、期待がすれちがっていると求める支援が得られないことがあります。

冒頭にタイトルのように「○○について質問です。」と書いてもらえるとわかりやすくなります。

クラスメソッドでは Slack を使っており、「質問」、「相談」、「連絡」、「報告」の絵文字があるため、「:shitsumon: ○○について質問です。」のように、ぱっと見で区別できるようにしています。

わからないレベルの例

「どれぐらいわからないか」を「わからないレベル」として表現してみました。

同じものについてはわからないレベルが下がり、より具体的な質問ができるようになると成長を実感できると思います!(新しいものについては仕方がない)
(下に行くほどわからないレベルが下がります)

  1. エラーメッセージが見つけられない
    • 見える部分から「エラーになっていること」はわかるが、具体的なエラー内容がどこから読み取れるのかわからない
  2. エラーメッセージの意味がわからない (調べても)
    • 「○○エラー」であることはわかるが、「○○」の単語/用語の意味がわからない
    • 「 A が B で C な状態に対するエラー」だということはわかるけど、 A と B と C がわからない
  3. エラーメッセージの意味はなんとなくわかったが、何を調べればいいかわからない
    • 勘で調べてもいいけど、勘を外したらすごく時間がかかりそうな気がするとき
  4. エラーメッセージに対して、何を調べればいいかなんとなくわかったが、どう調べたらいいかわからない
    • いい感じの検索ワードが思いつかない
    • 一次ソースがどれかわからない
  5. エラーメッセージをもとに調べたが、調べた結果の意味がわからない
    • どこを確認すればいいか、どうなっていればよいのかわからない
  6. 今の状態はなんとなくわかったが、どこを変更すればいいかわからない
    • 設定を変える必要がありそうなことはわかったが、どこにその設定があるのかや、どの設定値が影響を与えるのかがわからない
  7. エラーの状態はなんとなくわかり、変更する場所の目星はつけたがどう変更すればいいかわからない
    • ここを変えたらよさそうという予想は立てられたが、選択肢の意味がわからない
  8. エラーの状態に対して自分なりに調査して対応したが改善しなかった
    • 調査して該当しそうな内容をもとに試してみたが改善しない
    • 前提条件が違う場合は解決しないこともあり、記載されている内容が誤っていたり現在は通用しない場合もある
  9. 調査や対応を行い、エラーはなくなったが対応内容が妥当であったのか自信がない
    • 把握できていない影響がないかや、よりよい対応があるかを確認したい場合

テクニック集

伝える際のテクニックを記載します。

文章構成

質問文の作り方に関連するアイデアです。

別の場所に書き出してから質問としてまとめ直す

質問する際に、最初からチャットでメッセージを書き出すと、文章がまとまらずに読みづらいものになる可能性があります。

そのような場合は、別のテキストエディタや自分の DM に書き出してみてから書いた文章をまとめ直すと整理された情報で質問することができます。

質問フォーマットを作る

「背景・目的」、「事象」、「聞きたいこと」のように項目を作っておき、項目を埋める形で質問する文章を作っていくと思考が整理され、伝わりやすい文章になります。

聞きたいことが複数ある場合は番号を振る

(1) (2) 、 (a) (b) のように番号や記号を振っておくとその後のやり取りが区別しやすくなります。
参考資料にも番号を振っておくと (1) にはこう書かれていて のような表現ができるようになります。

参考情報の示し方

相手に参考情報を示すシーンに関連するアイデアです。
どこを見てほしいかわかりやすくします。

画像のどこを見てほしいかマーカーとかで示す

画像キャプチャそのままではなく、該当部分をマーカーや枠を使って示すと全体像と該当箇所がどこかという情報が 1 枚で伝わります。

テキスト検索によるハイライトを活用する

ブラウザのテキスト検索では、該当部分がハイライトされます。
画像で示す場合にマーカーを引かなくても注目しやすくなります。

設定値のスペルミスを気づける場合もあるので、普段の作業の中に取り入れるのもよいと思います。

スマホでも答えられるように情報を揃える

スマホに Slack が入っていて、スマホアプリから質問を確認するシーンもあるので、見やすく十分な情報が添えられている質問であればスマホから確認できる情報だけで回答ができたりします。

まとめ

周囲に助けてほしいときの伝え方のポイントについて記述しました。

うまく伝えられないと、「助けてほしいことはわかるけど、どう助ければいいのかわからない」という状態になります。

やりたいことと現状、どのような助けがほしいのかを伝え、余分なところに時間がかからないようにしていきましょう。

そして、助ける側にまわれるようになるとチームとしてハッピーです。

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