個人の課題を検出する
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
仕事を通して各個人は個別に課題を抱えていることがあります。個人の課題は自分で把握し、対応できる場合もありますが、自分では無自覚なものや、自覚しても対応方法が分からないこともあります。そこで、マネージャーやメンターなど第三者の支援が有効になりますが、支援をするには課題を検出する必要があります。
この記事では、個人の課題と第三者がそれを検出することについて解説します。
個人の課題
この記事において、個人の課題とは仕事において個人が抱えている課題です。例えば以下のようなものがあります。
- 担当業務が難しすぎて自分では解決できない
- 仕事のプレッシャーがきつい
- 会社やチームの方針に違和感がある
- 評価に不満がある
- 業務上の人間関係で困っている
- キャリアで煮詰まっている
個人の課題を第三者が把握する方法
個人の課題を、本人が正確に自覚し、気兼ねなく第三者に共有できていれば問題がないのですが、そうとは限りません。そして、それらの課題は内容によっては意欲の低下・ストレスの蓄積・退職などに至ることがあります。
そのため、マネージャーやメンターなど第三者が本人の課題の解決を助けることは、本人にとっての助けになりますし、結果的に事業成果への助けにもなります。第三者が個人の課題の解決を助けるためには、個人の課題を把握する必要があります。
第三者から見た個人の課題
個人の課題が第三者に伝わる方法は大きく分けて3つです。
- コミュニケーション
- 観察
- 支援者の連携
1. コミュニケーション
個人の課題はコミュニケーションを通して第三者に伝わります。
コミュニケーションの方法は色々ありますが、典型的なものとしては定期的な1on1です。1on1は2人だけのやりとりであるため言いにくいことを伝えるための最適の場になります。
1on1の他には日々のコミュニケーションがあります。業務上の会話や、ちょっとした雑談などを通して課題の一端を把握できることがあります。
このようなコミュニケーションを通じて個人の課題を把握するために重要なポイントが4つあります。
1つ目は信頼関係です。信頼関係がなければ、個人の込み入った課題を話してもらえません。そのため、普段から信頼関係の積み重ねが必要です。
2つ目は質問する力です。個人が課題を抱えているのかどうか、その内容は具体的にはどのようなものなのか、という情報を引き出すためには適切な質問が必要です。不安の兆候を発言から察知し、課題を引き出すこと。大雑把で曖昧な課題に関する情報から個別・具体的な詳細を引き出すこと。複数の課題が絡み合っていたら、一つずつ整理すること。こういった質問を通した掘り下げと整理が必要になります。
3つ目は傾聴する力です。個人が課題について話していくれている途中で話を遮ったり、話に割り込んで自分が推測した結論で決めつけてしまったりすると、まともに悩みを取り合ってくれない人と認識されてしまいます。そのため、相手の話をしっかりと最後まで聞き届ける必要があります。
4つ目は余力です。自分が支援する必要のあるメンバーとのコミュニケーションや観察を十分に行うには時間が必要です。そのため、ある程度余力を持っている必要があります。マネジメントをするうえでの管理の規模について、 Span of Control で語られるピザ2枚ルールが必要になる一つの理由はここにあります。マネジメントをする人数は多くなりすぎないように調整し、メンバーの数が増えてきたら、新たなリーダーを任命し、負荷を分散する必要があるでしょう。
2. 観察
個人の課題は観察を通して第三者が確認することもできます。
例えば、以下のような行動は個人の課題の兆候を示しています。
- 部門やチームの方針とは全く異なることをしている
- 周囲との協力が減る
- 急に元気がなくなる
- 急に攻撃的になる
- 急に遅刻、欠勤が増える
3. 支援者の連携
個人の課題は、支援をする本人がコミュニケーションや観察で把握することもありますが、第三者からの情報提供で把握することもあります。
例えば、チーム内に複数のプロジェクトがあり、各メンバーはプロジェクト関係者と主に仕事をしている状況を想定します。メンバーの支援を役割を持つのはマネージャーですが、マネージャーは個別のプロジェクトに参加せず、全体的なビジネスマネジメントとチームや個人のマネジメントを担当しているとします。この場合、マネージャーはメンバーの日々の働きぶりを観察することは難しく、
特定のメンバーのマネージャーが支援者だったとして、体制上、マネージャーとメンバーは日常業務では一緒に働いていないため、業務を通した詳細なコミュニケーションもなく、業務に取り組む様子見確認できないため、得られる情報量が減りがちです。この場合、プロジェクトマネージャーやリーダーなどから、メンバーの様子を連携してもらうことで、より多くの情報を把握することができます。