iOSアプリ開発の気になる変更まとめ(2026/07/22)

iOSアプリ開発の気になる変更まとめ(2026/07/22)

iOSアプリ開発に影響を与える複数の大型アップデートが同時期にリリースされたため、iOS 27 Beta 4やXcode 27の変更点、Firebase Remote Configの価格改定など、気になったトピックをまとめました。
2026.07.22

iOSアプリ開発をしていると、Appleのベータリリースだけでなく、利用しているSDKやツールの仕様変更も保守観点で気にしておく必要がある。今回はここ数日で影響範囲の大きそうな変更が重なったため、気になったトピックをまとめておくことにした。

Apple

iOS & iPadOS 27 Beta 4 リリースノートが公開

https://developer.apple.com/documentation/ios-ipados-release-notes/ios-ipados-27-release-notes

Beta 3時点の既知の問題(Known Issues)がほぼ全て解決済み(Resolved Issues)に切り替わった。Beta 4はかなり安定してきていると感じる。新規に追加された既知の問題は以下の通り。

  • TestFlightにおいて、返金リクエストやオファーコード引き換え、サブスク管理シートが表示されない
  • Siriのナビゲーション音声読み上げで単語の語尾が欠けて聞こえる(回避策は抑揚・速度を下げるか、Expressive Voicesをオフにすること)

Xcode 27 Beta 4 リリースノートが公開

https://developer.apple.com/documentation/xcode-release-notes/xcode-27-release-notes

Beta 4は新機能よりも、Previews周りなど開発体験に関わる不具合修正が中心という印象だ。

  • AI支援編集で大量の編集を一度に適用した際のPreviewsのハングが解決
  • Resizable Canvasモードでのキャンバスサイズリセットが解決
  • Mac Catalyst実行先選択時にプレビューが動かない不具合が解決
  • LLDBが標準ライブラリなどの~Copyable型のフィールドを検査できるようになった

アプリ保守で対応を検討したい変更

iOS 27 Beta 4 / Xcode 27 Beta 4のリリースノートの中から、既存アプリのコードや実装に影響しそうなのは以下の通り。

  • [canOpenURL(_:)](https://developer.apple.com/documentation/uikit/uiapplication/canopenurl(_:\))が非推奨になった。URLを事前検証せず、開こうとして失敗した場合にハンドリングする実装への移行が推奨されている
    • これは一部のアプリ/事業者が特定のアプリをインストールされているかどうかを検証してマーケティングに利用しており、今回その辺りの対策が取られたのだと考えている
  • AppEntityのインスタンスに累積10MBのサイズ上限が設けられ、超過するとアプリがクラッシュしうる既知の問題が追加された
  • Swift Compilerの既知の問題として、init accessorとgetterの宣言順序によってはSE-0508由来のソース非互換が発生する場合がある。init accessorをgetterより先に宣言することで回避できる
    • init accessorはSwift 5.9で導入された機能で、プロパティの初期化時に独自の代入処理を記述できる仕組みだ。同じ型内でgetterを先に宣言していると、この非互換の影響を受ける

「デザインの原則」ページがHIGに再公開

https://developer.apple.com/jp/design/human-interface-guidelines/design-principles

Appleプラットフォーム全体にわたるデザインの指針となる基本的な原則をまとめた「デザインの原則」ページが、Human Interface Guidelinesページ内で再公開された。

Claude Code

Claude Code Desktop (macOS) にiOSシミュレーターパネルがパブリックベータで追加

https://code.claude.com/docs/en/desktop-ios-simulator

Claudeがアプリをビルド・インストール・起動して確認する際に、iOSシミュレーターの画面をライブ表示する「iOS Simulatorパネル」がパブリックベータとして追加された。Claudeの操作を見るだけでなく、ユーザー自身もパネル上でタップ・スワイプして操作できる点が特徴だが、撮影したスクリーンショットはAnthropicに送信され保管されるため、実アカウントでサインインした状態のデバイスは使わせない方がよさそうだ。

個人開発中のアプリを使って Claude Code Desktop で iOSシミュレータを起動させた

現時点ではEnterpriseプランで利用できないので、業務利用では対応するまでしばらく待つ必要がある。

Firebase

Firebase Remote Config の価格改定

https://firebase.google.com/docs/remote-config/pricing

Firebase Remote Configはこれまで無料で提供されてきたが、2026年9月1日から新しい価格体系に切り替わることが発表された。Sparkプラン(無料)は1日あたり10万リクエストまで無料で利用でき、超過する場合はBlazeプラン(従量課金)へのアップグレードが必要になる。

リクエスト数(1日あたり) 料金
〜100,000リクエスト 無料
100,001〜10,000,000リクエスト 1リクエストあたり $0.000006
10,000,001リクエスト〜 1リクエストあたり $0.000001

Sparkプランで上限を初めて超えた場合は30日間の猶予期間が設けられており、パーソナライゼーションやロールアウト、A/Bテスト統合といった機能自体はSpark・Blaze両プランで引き続き無料で利用できる。

現在利用中のプロジェクトでは9月1日からさらに数ヶ月の猶予が与えられているため急ぐ必要はないが、Remote ConfigはFirebaseの中でも数少ない完全無料のプロダクトだったため影響範囲は広いと考えられる。フェッチ頻度の高いアプリは早めにリクエスト数を確認しておきたい。

OSS

自作の難読化ツール「Kura」を公開

https://github.com/CH3COOH/Kura

cocoapods-keysArkanaのRuby依存に起因するXcode Cloud上のビルド不安定さに悩まされてきたため、依存を断つpure-Swift製のCLIツールとして「Kura」を開発し公開した。

.envファイルのシークレットをXORとsaltで難読化し、型安全なSwiftコードを生成する。ただし、あくまで難読化であって暗号化ではなく、生成コードには復号用のsaltも埋め込まれるため、ソースやバイナリにアクセスできれば値を復元できる点には注意が必要だ。

開発の経緯や既存ツールとの比較については、以下の記事で詳しく紹介している。

https://dev.classmethod.jp/articles/kura-swift-env-secrets-obfuscation-ios/

まとめ

今回はXcode 27 / iOS 27 Beta 4での既知の問題の大量解消、canOpenURL(_:)の非推奨化をはじめとするアプリ保守への影響、「デザインの原則」ページの再公開、Claude Code DesktopへのiOSシミュレーターパネル追加、Firebase Remote Configの価格改定、自作の難読化ツール「Kura」の公開というトピックを取り上げた。特にRemote Configの件は無料利用を前提に組み込んでいるアプリも多いと思われるため、早めに影響有無を確認しておきたい。

iOSアプリ開発を取り巻く情報は変化が速いため、また気になる変更がまとまったタイミングで記事にしたいと考えている。


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