WWDC 2015 直前!昨年発表されたiOS 8の機能が1年経過してどうなったか振り返ってみた
こんにちは!おおはしりきたけです。さて、日本時間の6月8日(月)の26時にいよいよWWDC 2015が開催されます。去年の話題の目玉といえば、Swiftでしたが、WWDC 2015ではどんな発表があるのか楽しみですね!今回は昨年書いた「iOS 8リリースされたらiOSアプリ開発会社にどんな影響があるか予想してみた」がこの1年経って実際どうだったのかを検証してみたいともいます。
iOS 8について
まず、昨年のWWDC 2014でiOS 8の発表についておさらいしてみましょう。以下の発表がありました。
- Photos.
- Messages.
- Details make the experience.
- Our smartest keyboard ever.
- Family Sharing.
- iCloud Drive.
- Health.
- iPhone, iPad, and Mac. Connected like never before.
- Spotlight.
- SDK
- Touch ID
- PhotoKit
- Camera API
- HealthKit
- HomeKit
- CloudKit
- SpriteKit
- SceneKit
- Metal
- Swift
- iOS 8 makes a more powerful business partner.
iOS 8ではSwiftを筆頭に開発者向けの発表が多かったという印象です。その中で予想したのは以下の機能についてでした。
- Touch ID
- CloudKit
- HomeKit
- HealthKit
- IME
- 通知センター
- Extensibility
- Swift
振り返ってみましょう。
Touch ID
どんな機能?
iPhone5sで搭載されている、指紋認証の機能Touch IDがサードパーティアプリにも開放されました。Touch ID導入後はパスコード利用が8割以上に増加したということで、非常に利用されている機能になります。また、指紋データは、システムに保護されたまま、システムを経由してiCloud Keychainに保存された情報をアプリに返すということなので、安全に利用できます。
どのような予想をしていたか?
- セキュアな情報をID/PASS入力なしで確認したいアプリが増える
結果どうだったか?
LINE、1Password、Evernote(プレミアムユーザー)などでTouch IDが利用できるなど、予想通りの結果になりました。
CloudKit
どんな機能?
従来は、サーバサイドに開発者が各自組み込んでいたロジックや認証、ストレージ、検索などをiCloudが肩代わりしてくれるということで完全にmBaaSですね。今のところは無料ということですが、リミットありです。料金については、今後明らかになると思います。
どのような予想をしていたか?
- iOSアプリのmBaasとして利用が増える
結果どうだったか?
弊社でもCloudKit対応のアプリをリリースしようと思いましたが、CloudKitを利用するには、AppleIDが必須になりAppleIDを必須とするアプリはリジェクトされてしまうので、使いどころが無く断念しました。。。その他CloudKitを利用したというアプリの話も聞かないので、現時点ではCloudKitはこれからの状況というところでしょうか。予想としては大ハズレです。。。
HomeKit
どんな機能?
HomeKit はネットワーク経由で外部機器と連携する家電向けに、iOS端末とやりとりする共通の規格を与えるためのフレームワークで、iOS端末から家電、照明、鍵、カメラ、各種スイッチなどを管理できる機能で、個別のリモート操作やグループ化のほか、Siri での音声操作も可能です。
どのような予想をしていたか?
- 日本の家電メーカーもHomeKit家電を発表
- レシピアプリ&HomeKitアプリ
- エコアプリ&HomeKit
- HomeKit対応の家電が置いてあるようなレンタルテストルーム
結果どうだったか?
日本の家電メーカーでの発表もなかったですし、その結果日本ではHomeKit対応アプリというのは発表されていません。予想はハズレましたが、先日AppleがHomeKit対応製品の発表をしているので、HomeKit自体はこれから成長していくのだと思います。
HealthKit
どんな機能?
あなたの健康も管理できます。そう、iPhoneならね。ということでHealthというアプリとHealthKitというAPIが提供されました。HealthKitは、健康、フィットネス関連アプリ同士の連携や情報共有を実現するものです。それによってユーザーは、自分の健康状態をより包括的に管理できるようになります。
どのような予想をしていたか?
- 各種健康アプリ、フィットネスアプリはHealthKit対応になる
- 医療系にも進出していく
結果どうだったか?
Nike+、Withings、など健康系アプリではHealthKitと連動しているアプリが増えました。この予想については当たったかなと思いますが、医療系にも進出していくという点ではHealthKitではなくResearchKitがOSSで発表されたので、医療系についてはハズレてしまいました。今後はこちらになっていくのだと思います。
IME
どんな機能?
iOS 8では、QuickTypeといったIMEの改善が行われました。QuickTypeでは単語予測して候補を表示。文脈を判断して候補を表示する。また、今回驚いたのは、サードパーティ製のIMEなども利用可能になりました。※現時点でサードパーティ製のIMEの発表はありません。
どのような予想をしていた?
- AndroidでIMEを出していたメーカーがIMEアプリをリリースする
- ギャル専用のなどターゲットに合わせたIMEが出てくる
結果どうだったか?
AndroidでIMEをリリースしてたATOK、Simejiなどリリースされました。また、顔文字に特化したキーボードアプリもリリースされていたりなど、結果として予想は当たったかなと思います。
通知センター
どんな機能?
iOS 8では、通知センターでウィジェット機能が使えるようになりました。iOS 7でも通知センター上でスケジュールやカレンダーや株価などを確認することはできましたが、iOS 8では表示させる情報をカスタマイズできるということです。
どのような予想をしていたか?
- タスク管理ツールなど通知センター上で操作をする
結果どうだったか?
多くのアプリが、通知センターのウィジェットを使っています。なので予想としては当たったかと思います。ただ、通知センターを使ってみた結果、私自身はそこまで通知センターを利用しないことがわかりました。
Extensibility
どんな機能?
iOSでは、アプリはサンドボックス上で独立して動作しています。Extensibilityは、iOSが中継することで、セキュアなままデータのやりとりや機能単位での呼び出しが可能になります。要するにAndroidのインテントと同じです。
どのような予想をしていたか?
- アプリ間連携のアプリが増える
結果どうだったか?
各アプリのアクションシートを見てみるとサードパーティ系のアプリへの連携ができるようになっており、多くのアプリが、この機能を実装しているということがわかります。なので予想としては当たったかと思います。
Swift
どんな機能?
どのような予想をしていたか?
- Swiftアプリが増える
- Swift開発者が増える
- エンジニアが喜ぶ
結果どうだったか?
Swiftが発表されて1年経過しました。発表された直後には、勉強会や書籍などもでて沸いていましたが、大分落ち着いてきたと思います。言語仕様が安定していない、ビルドが遅いなど課題もありますが、Swiftで作成されたアプリなどもリリースされていますので徐々にではありますが浸透してきていると思います。ただ、爆発的に流行ったかと言われるとそうではないので、予想としてはハズレかと思います。
まとめ
結果としてはこんな感じでしょうか。
- Touch ID:当たり
- CloudKit:ハズレ
- HomeKit:ハズレ
- HealthKit:一部当たり、一部ハズレ
- IME:当たり
- 通知センター:当たり
- Extensibility:当たり
- Swift:ハズレ
WWDC 2014では開発者にとっては、インパクトある内容でした。WWDC 2015はいよいよ明日です。iOS 8以上にインパクトある発表されるのか?それとも安定を重視して開発者に安心される発表なのか、どのような発表されるのか非常に気になるところではありますが、楽しみにしていきたいと思います。