キャリアパスの整備 – 水平キャリアラダー
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
社員にとって、所属組織でどのようなキャリアを積めるかは一つの重要な関心事です。
今回は、キャリアに関わる要素の一つとして「水平キャリアラダー」についてまとめます。
水平キャリアラダーとは?
水平キャリアラダー( lateral career ladder )とは、上下の昇進だけではなく、部門や職種の変更など水平方向のキャリアチェンジの機会を用意する方式です。
水平キャリアラダーのメリット
スキル幅の拡大
幅広い経験を通してスキルの幅を広げることができます。
例えば
- エンジニアがデザインスキルを取得し、UXエンジニアとして体験設計も含めた開発をする
- 人事がエンジニアリングスキルを取得し、HRテクノロジーの活用や業務改善に活かす
などがあります。
つながりの拡大
人的ネットワークを拡大できます。
特に現在の所属組織で骨を埋め、上がっていく気持ちが強い人ほど将来を踏まえて社内で繋がりを持っている人の質や数が重要になってきます。
自分探し
キャリア志向が固まっていない人にとって、様々な仕事を経験しながら自分がやっていきたいことを探したり、自分の強みを見つける機会を得ることができます。
先を見越した経験獲得
多様な経験を前提とする上位職種を目指す際に水平キャリアラダーがあると便利です。
例えば、SaaS人材として
- マーケティング
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
の全体を経験できていると、全体に関わるマネジメントや全体最適の仕組みを作るような役割を将来するための土台づくりになります。
他にもHRBPとして事業部の戦略パートナーとして多様な人事業務を推進する役割を目指す場合、
- 採用
- 人材開発
- 組織開発
- 事業部での職務経験
あたりが必要になってきます。
水平キャリアラダーの課題
評価停滞期
異なる職種にキャリアチェンジした場合、基本的には今まで経験を積み上げてきた職種の時代よりも低いレベルの位置から再スタートすることになります。そのため、大抵の場合は昇格・昇給などは短期的には停滞しがちです。
一方で、そういった多様な経験をしたからこそ、将来に上がっていける可能性はより高くなる場合もあり、短期利益と長期利益のトレードオフが発生します。
評価基準の変化
評価制度の未成熟なほど、異動による評価基準や評価方針のズレによる影響が大きくなります。
異動前の部門では高く評価されていた人が、異動先の低い評価になるケースがありえます。
環境の恩恵の変化
人は単独の力だけで仕事をしているわけではありません。
上司、同僚などの助力を得つつ、お互いの強み・弱みで補い・補われつつ仕事をしています。
異動すると、今までとは異なる別の強み・弱みを持つ人達と仕事をすることになります。
その際に、相互の強み・弱みがちょうどいい感じに補完できるバランスならよいですが、強み・弱みが被っていると恩恵は相対的に低くなります。結果として自分の実力が下がったわけではないはずなのに、以前の環境よりも成果がでなくなる場合があります。
水平キャリアラダーの実現方法
水平キャリアラダーの実現方法の例としては以下のようなものがあります。
- 社内公募制度
- 短期社内留学制度
- 企業同士の交換留学制度
まとめ
水平キャリアラダーについてまとめました。
私の場合はウェブエンジニアから人事に水平方向のキャリアチェンジをしましたが、結果的に開発バックグラウンドや開発の知見・思考の特性を持つ人事になれたことの恩恵が思ったよりも大きかったように思います。
組織内外における水平キャリアの変更に関して、アンテナもはってみるとよいでしょう。