
自分の成果を定期的に記録すること
こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
自分が組織に貢献できているか不安を感じている方や担当者からリーダーに役割が変わり、今まで以上に成果と向き合う必要が出てきている方に向けて、この記事では自分の成果を定期的に記録することについてまとめます。
前提
成果をまとめることについて考える前に、成果物と成果を区別しておく必要があります。
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
インプット | 投入された資源 | 時間、労力、情報、お金など |
プロセス | インプットを使って行われた活動 | 会議、開発、提案、資料作成など |
アウトプット(成果物) | プロセスによって生み出された具体的な「モノ」や「サービス」 | 資料、コード、議事録、提案書、イベント開催など |
アウトカム(成果) | アウトプットによってもたらされた「結果」「変化」「影響」 | 顧客満足度向上、売上増加、業務効率化、コスト削減、チームの生産性向上など |
アウトプットだけでは、その活動が本当に価値を生んだのか判断できないため、貢献を把握するためには成果(アウトカム)を把握する必要があります。
成果をまとめる意義
貢献の可視化や自覚
日々の業務に追われていると、自分が何に貢献しているのか見えにくくなりがちです。成果を記録することで、「あれ、こんなこともできたんだ」「このプロジェクトの成功に、自分がこんな形で役立ったんだ」と客観的に認識できます。
価値の確認
成果を記録することは、単に作業として手を動かすだけではなく、価値について考えるきっかけにもなります。
貢献の伝達
自分の貢献を人に伝える際にも、事前にまとめておくことで円滑に伝えられます。これは、マネージャーとの期待値調整や評価のためのコミュニケーションに役立つだけでなく、異動や転職を含めた個人のキャリア全体にも寄与するでしょう。
必要になったときにバタバタと遡ってまとめると大変ですし、抜け漏れも発生しやすくなります。普段からまとめていると便利です。
価値に向き合う役割の後押し
マネージャーやリーダーなど、一連の取り組みを推進する立場では、行動量や成果物だけでなく、どのような成果を生み出せたかがより重要になります。責任範囲が広がるにつれて、この視点での成果確認が不可欠です。一方で、一般的な担当者の場合は、成果を生み出すプロセスの一部を担当することも多く、小規模な業務改善などが主な記録対象となるかもしれません。
停滞の発見
仕事は最終的に成果を生み出す活動です。行動はしているものの成果に至っていない。成果物はあるのに成果には至っていない。このような状況であれば、何かしら課題を抱えているはずです。成果を確認することは停滞の発見にもつながります。
成果をまとめる方法
月次など、定期的なふりかえりの機会を用意して成果を記録するタイミングを用意するとよいでしょう。
すでに取り組みが完了し、成果に至った取り組みを洗い出し、記録します。
記録をする場合、どのような成果物によってどのような成果を出せたかを記録します。
成果に関する情報のエビデンスがある場合、関連する情報へのリンクも添えましょう。逆に言えば、関連する情報へのリンクさえあれば、細かい情報をまとめ直す必要はなく、要点だけまとめて詳細はリンク先で確認できればよくなります。
また、成果を生み出すために行った工夫などがあれば添えておくとよいです。
成果の記録に関するポイント
未完了の取り組みは対象外
未完了の取り組みは対象外とし、成果まで到達したものを記録しましょう。
最小の時間で記録
成果の記録はあくまで補助的な活動のため、主要業務に影響を与えないよう、必要最低限の時間で効率的にまとめましょう。
等身大にまとめること
事実をベースに等身大の成果として記録すること。過大評価のアピールにならないように、「絶大な効果を生んだ」「迅速に解決した」のように形容詞や副詞で飾らず、事実を表す定量的な表現で端的にまとめましょう。
曖昧な表現 | 明確な表現 |
---|---|
頑張ってプロジェクトをうまく進め、素晴らしい結果を出した | 〇〇プロジェクトにおいて、△△の課題を解決するためのプロセスを導入した結果、当初予定より1ヶ月早く完了し、コストを10%削減できた |
お客様の問い合わせに丁寧かつ迅速に対応し、とても喜んでもらえた | 顧客からの問い合わせに対し、24時間以内の初回応答を徹底し、その結果、顧客満足度アンケートで満足・やや満足の回答が90%以上に増加した |
色々と工夫して業務フローを改善し、かなり効率が上がった | 〇〇業務のフローを見直し、特定の承認プロセスを自動化した結果、作業時間を週に5時間削減し、関連部署からの問い合わせ件数が月間20%減少した |
熱心な営業活動の結果、予想を上回る売上を達成できた | 新規顧客開拓のため、アプローチ手法を〇〇に変更した結果、四半期の売上目標を15%上回り、前年同期比で売上を200万円増加させた |
自発的な取り組みを見逃さない
正式な担当業務やタスクフォースなどは、成果の記録対象として見逃しにくいですが、自分が業務の過程で気づいて自発的に単独で行った取り組みは成果の対象として抜け落ちやすいものです。そして、こういった取り組みは他者から見えにくいからこそ記録しておく価値が大きくなります。
取り組みの例
チームで成果を記録する取り組みをしていると、各自の成果が確認しやすくなります。