[登壇資料] そのアプリ、目を閉じても使えますか?〜アクセシビリティの基礎と対応の考え方〜(モバイルメソッド大阪 第3回 #mobilemethod ) #a11y
はじめに
クラスメソッド大阪オフィスで開催されたモバイルメソッドに登壇させていただきました。モバイルメソッドは毎月1回の頻度で大阪で行われる、モバイルに関する勉強会です。
私は、アクセシビリティに関する経験が15年程度ありますので、今回、スマートフォンアプリのアクセシビリティについて、基礎的な内容からガイドラインの一部などについてご紹介しました。
登壇資料
主な内容
アクセシビリティとは何か
- 自分たちが一生懸命に開発したアプリが、一部の利用者には「まったく使えない」可能性があることについて考えましょう。
- より多くのユーザーが、より多くの利用環境から、より多くの場面や状況で、アプリを使えるようにすること
- インパクトが大きいのは障害者、高齢者だが、普段メガネをかけている人のメガネが壊れたり、効き手が骨折したなどの「一時的な障害」、音が出せないシチュエーションや、洗い物などで手が使えないなどの「状況的な障害」もある
障害者のアプリ利用を考慮すべき背景
- 国連の障害者権利条約を締結した日本では、2年ほど前から障害者に関する各種の法律が整備されている
- スマホアプリのアクセシビリティ対応をしないことは、法律で禁止されている「障害を理由とした差別」にあたるおそれがある。実際にアメリカではMcDonald’s等が訴えられている。
- アクセシビリティは「特別なアプリでのみ対応すること」ではなく「セキュリティや可用性と同様に、すべてのアプリで取り組むべきこと」である
アクセシビリティ対応の基準
- WebにはWCAGやJIS X 8341-3:2016などのアクセシビリティの基準や試験方法が決まっており、特に公共系のWeb制作コンペでは、テストが納品や検収の条件になっている
- スマホアプリのアクセシビリティに関しては、W3Cのような団体が存在せず、それぞれのベンダーが出すガイドラインがあるのみで、テストの方法などが決まっていない
- 一番近いものとして、The BBC Standards and Guidelines for Mobile Accessibilityがある
アクセシビリティ向上のポイント(一部)
- 最も避けるべき4項目
- 音声の自動再生
- フォーカストラッフ
- 動き続ける要素
- 閃光
- 色のコントラスト
- UIはフォーカス可能にしてラベルを設定
- 文字拡大やズームに対応する
- 色や位置に依存した情報提供をしない
アクセシビリティのテストツール
- iOS
- The Accessibility Inspector
- Android
- ユーザー補助検証ツール
アクセシビリティ対応とマーケット
- 障害のある人は936万人(人口の7.4%)
- 今アプリがアクセシブルでないとリーチできていない可能性
- アクセシブルなアプリでは、この人々がユーザーになる可能性が
- Webやアプリのアクセシビリティ対応はユーザー層の拡大になる
最後に
今回、実装面の情報が薄かったので、今後も継続して情報収集を進めたいです。
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