
クラスメソッドによる2025年OSS支援(5件)を紹介します
クラスメソッドによる2025年OSS支援(5件)を紹介します
クラスメソッドでは、日頃よりITエンジニアの業務に不可欠となっているオープンソースソフトウェア(OSS)のエコシステムを維持・発展させるための取り組みとして、OSSの支援を継続的に行っています。この度、2025年度の支援先を決定しましたので、ご報告いたします。
昨年の2024年も5つのOSSに対し支援を実施しており、この記事では、支援先の選定過程や選定理由などをご報告いたします。
なぜクラスメソッドはOSSを支援するのか?
そもそも、なぜクラスメソッドがOSSを支援するのか、その理由を説明します。この内容は昨年と変わらずですが、大事なことなので再掲しています。
OSSエコシステムの維持
1番大きな理由です。普段私たちは膨大な量のOSSに支えられています。そしてそのおかげでプロダクトを成長させられています。仮想DOMライブラリがない、UIライブラリがない、フォームライブラリがない世界を想像できるでしょうか?
私たちがOSSで受けた恩恵は還元するのが自然です。なのでOSSという素晴らしい仕組みとライブラリの開発が持続できることと技術的な発展のために支援をおこないます。
働き方の多様性への支援
オープンソースで金銭を得るで記述があるようにOSS開発への関わり方は開発自体を趣味としていたり、コミュニティとの関わり自体を主として金銭の受け取りを行わない人もいます。
その一方でOSS開発で金銭を受け取れることで、金銭的理由が原因でOSS活動を行えない人へ少しでも平等なコントリビュートの機会を儲けることができます。これにより異なる人生の歩み方をしている人でもコントリビュートが可能になること、またOSSへのコントリビュートを仕事として生計を立てることの助力になります。
OSSエコシステムの中での多様性、そしてさまざまな働き方を実現するために支援をおこないます。
新しいクラスメソッドの形
クラスメソッドはクラスメソッドのカルチャーを通じてクラスメソッド社員の行動指針や価値観を表現しています。その中でも触れられている、「ダイバーシティ」「プロフェッショナル」「感謝」を実際の行動として示すことで、DevelopersIOを通じて行っている情報発信のみにとどまらず、技術者への還元も実現することができれば良いと考えています。
共感できる仲間と働く
OSSへの支援、社会貢献に対して積極的な人と働きたいため、この取組を続けることがそのきっかけになると考えています。
2025年の支援先選定方法
2025年の支援先選定は、2024年のプロセスを参考に実施しました。
- 全社より支援先の候補を募る: 最初の支援先を広く集めるため、Slackの全社アナウンスチャンネルで、支援先OSSの候補をその理由とともに募集しました。
- スポンサードを受け付けているOSSの絞り込み: 全てのOSSがスポンサード窓口を設定しているわけでは有りません。基本的にはGitHubにスポンサード設定がされているか、支援する方法がそもそもあるかどうかを個別に判断し、支援が可能なOSSを絞り込みました。
- 各選定委員による事前の候補選定: 各選定委員に、支援先の候補選定とコメント記入をお願いしました。それぞれの支援先についてのコメントが集まり、業務での活用内容がより明確になりました。
- 選定委員のミーティングで最終支援先を決定: 各自の記入結果を下に、選定委員のミーティングで最終支援先を決めました。各委員の支援先投票数も参考にしつつ、数だけではなく、各自のコメントやディスカッションの中で、一つ一つのOSSを選定させていただきました。
支援方法
OSS支援は、主にGitHub Sponsors機能を利用しています。GitHubの機能としてもっているスポンサー機能で、リポジトリやOrganizationsに対してスポンサー設定がされている場合は、クレジットカードや請求書を利用したスポンサードが可能です。一部のOSSに対してはOpen Collectiveを併用する場合もあります。今回は全てGitHub Sponsorsを通じて支援を行います。
2025年の支援先(5件)
上記のプロセスを経て決定した、2025年の支援先OSSおよびContributorの方々は以下の通りです。
tbls / runn に関連する活動 (k1LoW さん)
- 支援先:
- 選定理由
- クラスメソッドのグループ企業であるプリズマティクス株式会社のサービス等で利用されています。runnについては、「『APIテスト』の自動化をyamlという構造化されたファイルのシナリオとして表現でき、非常に読みやすいシナリオテストがかける」「実際のプロダクトのAPIテスト、結合テストで品質確保に役立っている」「簡易的な性能テストとレポート作成もできる」等のコメントがありました。また、tblsに付いては「DBを元にExcelを出力する、というようなGUIツールは結構ありますが、CLIで動くツールとして、CI/CDにも組み込みやすい」
「ER図も生成してくれ、関連エンティティへのリンクもつけてくれるので、テーブル構造をたどりやすい」等のコメントがありました。
- クラスメソッドのグループ企業であるプリズマティクス株式会社のサービス等で利用されています。runnについては、「『APIテスト』の自動化をyamlという構造化されたファイルのシナリオとして表現でき、非常に読みやすいシナリオテストがかける」「実際のプロダクトのAPIテスト、結合テストで品質確保に役立っている」「簡易的な性能テストとレポート作成もできる」等のコメントがありました。また、tblsに付いては「DBを元にExcelを出力する、というようなGUIツールは結構ありますが、CLIで動くツールとして、CI/CDにも組み込みやすい」
Hono (yusukebe さん, usualoma さん)
- 支援先:
- 選定理由:
- クラスメソッドのプロジェクトでの採用が増えており、使いやすい・開発体験が良い等のコメントが複数ありました。
Orval (anymaniax さん, soartec-lab さん, melloware さん)
- 支援先
- 選定理由
- クラスメソッドメンバーズポータル等、複数の自社サービスで活用されています。下記のクラスメソッドメンバーズポータルの技術スタック紹介記事でも言及されているとおり、開発の効率化に寄与しています。
Material for MkDocs (squidfunk さん)
- 支援先
- 選定理由
- Classmethod Cloud Guidebookなど、複数の自社サービスの公式ドキュメントサイトで活用されています。「少しの設定でモダンな見た目のサイトをサクッと作成できるので非常に便利です。」「拡張機能が豊富で、積極的にアップデートもされています。」といったコメントが寄せられています。
FastAPI (tiangolo さん)
- 支援先
- 選定理由
- こちらもクラスメソッドメンバーズの運用で活用されています。個人への依存度が高いこともあり、クラスメソッドメンバーズポータルの安定したサービス継続を支えるためにも支援対象とします。
※上記の選定理由は、過去のOSS支援ブログ記事 に記載されている一般的な支援理由や、クラスメソッドにおけるOSSの利用状況を考慮して作成したものです。実際の詳細な選定理由については、今後のブログ記事で補足される場合があります。
OSS支援を通じて
今回の2025年のOSS支援においても、2024年と同様、全社から候補を募集し、選定委員会を組織してプロセスを進める中で、クラスメソッドのエンジニアがどのようなOSSに興味を持ち、業務でどのように活用しているのかを知る良い機会となりました。
今回のブログが、今後企業としてOSS支援をされようとする会社に少しでも参考になれば幸いです。
まとめ
クラスメソッドは、今後も継続的にOSSのエコシステムへの貢献に取り組んでまいります。今回の支援が、各OSSプロジェクトやContributorの方々の活動の一助となれば幸いです。