
横断的な業務におけるポジティブ・フィードバック
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
業務には、単一のチームで完結せず、複数のチームや部門が関わるものもあります。そのような横断的な業務において、チームや部門をまたいだポジティブ・フィードバックをすることは業務の質を高める上で重要なポイントです。この記事では、横断的な業務におけるポジティブ・フィードバックについてまとめます。
横断的な業務とポジティブ・フィードバック
チームや部門をまたぐ横断的な業務では、複数の関係者と協力しながら業務を進めるため、ポジティブ・フィードバックが円滑な連携やモチベーション向上に大きく貢献します。
まず、横断的な業務におけるポジティブ・フィードバックの重要性を、3つの観点から整理します。
- 仕事の全体像に対する理解が深まる
- 貢献を実感できる
- 関係性が向上する
1. 仕事の全体像に対する理解が深まる
フィードバックによって、仕事の全体像に対する理解が進みます。横断的な業務では、特定のチームや部門内の視点だけではなく、仕事全体の流れを理解することが重要になります。ポジティブ・フィードバックをきっかけに、他部門の役割やプロセスに関心を持ちやすくなるため、全体を見るような俯瞰した視点が養われるきっかけとなります。
2. 貢献を実感できる
自分の担当範囲だけではなく、前後の工程や最終的な価値への貢献を実感できます。横断的な業務では、自分の仕事がどのように最終成果につながっているかが見えづらくなりがちです。ポジティブ・フィードバックによって、担当業務の価値や意義を実感できるようになります。
3. 関係性が向上する
部門をまたいだ業務では、お互いの背景が異なるため、意見の食い違いや摩擦が生じることもあります。日常的にポジティブ・フィードバックを行うことで、関係者同士の信頼関係が強まり、業務の進行がスムーズになります。これは衝突を減らすだけでなく、横断的な業務全体のプロセスを改善し、お互いに率直な意見を交換するための前提にもなります。
逆にいうと、横断的な業務を担当する各部門やチームの交流が不足していると、相手の行動や成果物に対する解釈がネガティブな方向に偏りやすくなります。お互いの言動を好意的に受け取る上で、良好な関係性は重要な要素です。関係性が不十分でも中立的に物事を判断できる人もいますが、そういった人ばかりではありません。
中間成果物を担当する上での制約
中間成果物を担当している人にとっては、後続のチームや最終成果物を担当しているチームからのポジティブ・フィードバックが特に重要です。
なぜ重要かについては、前述した『仕事の全体像に対する理解が深まる』『貢献を実感できる』『関係性が向上する』の3つの重要性があてはまります。中間成果物のみを担当していると最終的に生み出された価値を目にしたり、顧客やエンドユーザーの声を直接受け取りにくい立場になりがちだからです。そのため、ポジティブ・フィードバックを中間成果物の担当者に意図的に提供する必要があります。
中間工程を担当しているのは、自動化された機械ではありません。感情を持った人間です。人間が継続的に意欲を持って業務に取り組むためには、貢献の実感が必要です。また、承認や感謝を送るふるまいは自分に戻ってきやすく、周囲にも広がるため、単発のポジティブ・フィードバック以上の効果をもたらします。
仕事の受け渡しに対するポジティブ・フィードバック
仕事の受け渡しに関するポジティブ・フィードバックの観点と例をまとめます。
フィードバックの観点 | 具体的なポジティブ・フィードバックの例 |
---|---|
成果物の品質 | 「資料がとても整理されていて、次の工程にスムーズに進めました!ありがとう!」 |
受け渡しのスムーズさ | 「予定より早く仕上げてもらえて、本当に助かりました!」 |
情報の補足や説明 | 「詳細なメモをつけてくれていたおかげで、すぐに作業に入れました。すごく助かりました!」 |
対応の柔軟性 | 「急な変更にも快く対応してくれてありがとう!とても助かりました。」 |
業務負担の軽減 | 「フォーマットを統一してくれていたので、作業時間が短縮できました!ありがたいです。」 |
より深いフィードバックをする場合、SBI法を参考にするとよいでしょう。SBI法については、以下の記事を参照ください。
最終成果に関するポジティブ・フィードバック
最終成果に関するポジティブ・フィードバック観点と例をまとめます。
フィードバックの観点 | 具体的なポジティブ・フィードバックの例 |
---|---|
エンドユーザーの満足度への貢献 | 「お客様から『とても使いやすい』と言われました!○○さんが細かい部分までこだわって作ってくれたおかげですね!」 |
最終成果の成功への貢献 | 「今回のプロジェクト、大成功でした!○○さんが作ってくれたデータが精度高く整理されていたおかげで、スムーズに進みました!」 |
最終成果への影響 | 「プレゼン資料、クライアントにとても響いていました!○○さんが作成したデザインや構成がすごく分かりやすかったと言われました!」 |
顧客の声の共有 | 「お客様が『今回の対応はすごくスムーズだった』と喜んでいました!○○さんが事前に準備してくれていたおかげです!」 |
影響の大きさの認識 | 「この機能、エンドユーザーからの評価がすごく高いです!○○さんがこだわって設計してくれたところが、特に喜ばれています!」 |