プロパゲートチームで、帆船の振り返りとStarfishのふりかえりフレームワークを使って、四半期のふりかえりを行ってみました

2023.04.19

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

プロパゲート株式会社の本間です。

先週、プロパゲートの関係者が集まる四半期合宿が、1泊2日でクラスメソッド日比谷オフィスで行われました。

日比谷オフィスへ移転して最初の社外の方向けのイベントとして、同週のDevelopersIO Day Oneイベントでも、プロパゲート社員が登壇していましたが、今回はプロパゲート社内の四半期ふりかえり記事になります。

前回の合宿についての記事はこちら

事前準備

合宿のコンテンツを準備&検討する際に、Notion AIやChatGPTも使っていたので、そのあたりの様子も踏まえて、ファシリテーター視点からレポートしていきたいと思います。

合宿の方向性検討

今回の合宿の狙いとして、

  • DevelopersIO BASECAMP(デベキャン)の1期ふりかえりを行う
  • 次年度の目標および各事業のアクションプランが決まっていて、各事業ごとにスケジュールに落とし込む

といった目標を掲げて、合宿のコンテンツを組み立てていきました。

とはいえ、チームごとに議論かつ各事業で集中して議論を行いたい議題もあるため、ふりかえりフレームワークだけで2日間議論してもらうというよりは、以下の観点でふりかえりの際に議論のきっかけに使ってもらえそうなフレームワークを検討しました。

  1. 自分たちの置かれた立ち位置を把握する
  2. 今後に向けて、アクションプランを洗い出す
  3. 各アクションの優先度を決める

帆船のふりかえりフレームワークの採用

1.と2.のワークを検討する際、どのようなフレームワークがよいかをChatGPTにも相談してみたのですが、以下のような回答でした。

確かに、SWOT分析でもプロジェクトの立ち位置を把握するのに役立ちそうだと感じたのですが、SWOT分析の前段階の何に対しての強み弱みなのかの統一見解を整理するのに時間がかかりそうなのと、プロジェクトの航海としての目標地点である「島」がどのようなものかを参加メンバーで議論する方が、楽しんでワークができそうな気がしたので、こうした複数案の中から1.の観点では帆船の振り返りを採用することにしました。

(あとは、以前の職場で「帆船の振り返り」は行ったことがあったので、ファシリテーターである私も状況を把握しやすそうだったというのも大きな理由です)

Starfishフレームワークの採用

帆船の振り返りだけでは、プロジェクトの立ち位置を把握することまでしかできないというのが、著者の経験上もわかっていたため、より具体的なアクションを洗い出すフレームワークとしてアクションに対して、それなりに網羅性のあるStarfishを採用しました。

KPTやYWTでも、アクションはそれなりに出てくるのですが、2日間の議論の中で、実際にやめるアクションや始めるアクションにつなげる議論も各事業でできそうだと感じていたので、今回はStarfishを使ってのワークを採用してみました。

タイムスケジュール作成

プロパゲートの2本柱である、教育事業と人材紹介事業の2つの事業は、課題への解像度や各事業のスピードが異なっています。そのため、両事業の議論が2日間のワークで足並みを揃えてきれいに進むことはないだろうとは考えていつつ、Notion AIを使って、まずは2日間のタイムスケジュール枠を準備しました。

合宿で準備したときの文言とは異なりますが、Notion AIにはこのような文章でタイムスケジュールの草案を作成してもらいました。

開始時刻がもう少し遅かったり、懇親会の調整もあったりするので、想定していたタイムスケジュールは一発で整形できませんでしたが、議論のきっかけになる枠は準備してもらえたのは助かりました。

当日の議論で使うMiroの準備

オフラインでのワークでありつつも、限られたホワイトボードのスペースで議論をするのは、議論をするにも制限がありそうだと感じたので、Miro上にも議論ができる場所を設けておきました。

余談ですが、クラスメソッドの日比谷オフィスでは、可動式のディスプレイや各ブースに解像度の高いディスプレイが充実していたので、オフラインとオンラインを組み合わせたチームでの議論が行いやすかったです。

当日の様子(1日目)

開会挨拶&事業状況報告

まずは合宿の挨拶として、プロパゲート株式会社代表取締役社長の嵩原から、合宿開催についてのオリエンテーションが行われました。

「"問題には気づいていたが、聞かれなかったから黙っていた"というのは、合宿参加者全員が避けるべき事態である」という合宿ルールの説明は今回も話され、その後に各事業からの事業状況報告が行われました。 前回の合宿と比べると、両事業とも事業が着実に進んできたということもあり、数字面での報告がより具体的になってきたのを実感できた事業報告でした。

ドラッカーエクササイズ&ロールセッション

プロパゲートの合宿では、両事業で本格的な議論に入る前に、個人間の価値観を交換しあう場を設けています。

上記の本でも紹介されている内容ではありますが、チームで大きな成果を生み出し、議論で活発な意見を引き出すには、まずはお互いの信頼関係を醸成する必要があります。

そのため、プロパゲートのチーム外からゲストメンバーとして、Day Oneイベントでも登壇されていた、CX事業本部のワークショップデザイナーの長南に今回の合宿に関わるメンバーの価値観や立ち位置を理解し合う場を作っていただきました。

Miroでのワークはこのような状況になり、合宿後にも各メンバーの価値観などを理解しあうワークになりました。

帆船のふりかえり

午前中に合宿参加者の価値観を共有した後、本格的な議論に移りました。 プロジェクトの立ち位置を確認する帆船の振り返りは、下図のようにプロジェクトを船に見立て、

  • 右上に、プロジェクトの目標となる「島」
  • 右下に、リスクとなりそうな「岩(当日は嵐で説明しました)」
  • 左上に、チャンスになりそうな「追い風」
  • 左下に、船の進行を妨げる「錨」

をそれぞれの要素ごとに洗い出していくワークになります。実際のワークとしては、Miro上に下記のような絵を書いて、それぞれの項目で要素を洗い出すといったことを行いました。

Starfish

Starfishは、多くのふりかえりフレームワークが掲載されている、FunRetrospectivesでも紹介されているフレームワークです。

このフレームワークでは、5つの領域に分けて議論を行います。

  • 続けるべきこと(Keep Doing)
  • やめるべきこと(Stop Doing)
  • もっとやるべきこと(Do More)
  • もっと少なくやるべきこと(Do Less)
  • 新たに始めるべきこと(Start Doing)

各事業で話したい議題があったので、このフレームワークを使って完全にこの項目を埋めていくというよりは、ファシリテーターとしてはあくまで各事業が議論しやすくなるように、各フレームワークの説明を行いました。

当日の様子(2日目)

1日目のふりかえり&関連情報勉強会

1日目に行ったことのふりかえりを行う際、帆船の振り返りで作成した「島」の目標を確認するため、SMARTのフレームワークで目標をふりかえる手法を説明し、ChatGPTから問いかけてもらった以下の観点での問いを紹介しました。

ChatGPTは、単にフレームワークの案出しだけでなく、こうしたワークショップを行う運営側の問いかけにも使えそうだということを感じながら、合宿の進行を続けました。

Specific(具体的):
- 目標は明確で詳細に記述されていますか?
- どのような結果が期待されていますか?
- どの部門や個人が関与していますか?
Measurable(測定可能):
- 目標達成をどのように評価しますか?
- 進捗状況はどのように測定・追跡できますか?
- 目標達成に向けてどのような指標(KPI)が設定されていますか?
Achievable(達成可能):
- この目標は現実的に達成可能ですか?
- 利用可能なリソース(人員、時間、予算)は十分ですか?
- 達成に必要なスキルや知識はチーム内にありますか?
Relevant(関連性):
- この目標は組織やチームのビジョン・戦略に関連していますか?
- この目標はチームや個人の役割・責任に適合していますか?
- この目標は現在の業務状況や市場状況に適切ですか?
Time-bound(期限):
- 目標達成には明確な期限が設定されていますか?
- 期限は現実的で達成可能ですか?
- 中間目標やマイルストーンは設定されていますか?

その後、プロパゲート社が事業を行うにあたって、メンバー間で足りない業務知識を勉強する時間を設けました。

勉強会資料を説明する方の資料に、皆前のめりで質問をしていて、合宿の参加者が皆学習エンジンを回して、物事を吸収しようといった姿が印象的な時間でした。

Starfishからのタスク優先度決め

2日目の午後ともなると、想定していた議論の進み方にも、各事業で差分が出てきたため、ファシリテーターとしては追加でタスクの優先度決めのMoSCoWフレームワークを紹介するというぐらいで、各事業の議論を見守っていました。

また、このあたりからは各事業での次年度の施策や具体的なタスクまで議論されていたので、各事業の議論の様子を写真でお伝えします。

合宿全体を通しての気づき

合宿のコンテンツを検討する際、Notion AIやChatGPTを利用してみましたが、ワークの全てを丸投げするのではなく、利用する前に「こうしたワークの方がいいかなあ」といったイメージを持って、そこから確証を得に行くといった使い方だと、とても有効な議論パートナーとして機能してくれるというのを改めて実感することができました。

また、帆船の振り返り→Starfishという流れ自体はよかったと思うのですが、両事業の議論を観察していて、もう少し時系列を考慮したアクションが洗い出せるフレームワークにしてもよかったなと思ったので、これはまた次回の合宿に活かそうと思いました。

また、4/26には合宿でも議論したフリーランスの方向けの会社説明会もありますので、ご興味がある方はぜひご参加ください!

最後に、プロパゲート合宿恒例(になりつつある)2日目に皆でカレーを食べたときの写真で締めたいと思います。 今回は、クラスメソッドの元社員の方が運営しているTOKYO MIX CURRYのカレーを皆で食べました。とても美味しかったので、一度食べてみてください!!

編集後記

ワークショップのネタをChatGPTと相談してたら、たまに間違った回答するので、指摘するといったこともあります。

そうしたときに、ChatGPTはすごく丁寧に謝ってくるので、「ChatGPTくん、かわいいなあ」って思いながら、よい議論相手になってもらっています。

楽しい時代になってきましたね^^