転職潜在層から転職顕在層へ顕在化
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
難しいと話題のITエンジニアの採用。
その競争の激しさから、現状で転職意思が顕在化していない転職潜在層へのアプローチが重要とされています。
では、転職潜在層から転職顕在層にどのように顕在化するのでしょうか?
また、それについて考えてみます。
A. 現職に感じる魅力
要素 A は候補者さんが現職に感じる魅力です。
裏返すと現職に感じる不満でもあります。
B. 転職先候補の企業に感じる魅力
要素 B は候補者さんが転職先候補の企業に感じる魅力です。
C. 転職先候補の企業に対するリスク
要素 C は候補者さんからみて転職先企業への転職がどの程度のリスクに感じるか、です。
転職のリスクをどの程度高く見るかは個人の価値観、性格、生活の前提などによります。
転職意思の顕在化判定
(B - A) - C > 本人が転職に踏み切る閾値
実際はこんなに論理ベースかつ定量的ではなく、感情が大きく影響するでしょうが、イメージとしてはこんな感じです。
転職先候補の方が大きく魅力的に見えていて、かつリスクを差し置いても現職への残留よりも転職を選びたい、という状態になります。
転職意思が芽生えるパターン
転職意思の顕在化判定の内容を踏まえて、カジュアル面談でコンタクトした相手の変化のパターンを整理してみます。
現職で限界が来るパターン
転職先候補の企業との魅力差とは関係なく、純粋に現職で我慢の限界を迎えて退職判断をするケースです。
この時点で、この人が転職先候補としてあなたの企業をどのくらい魅力的に感じているかどうかによって応募有無が変わります。
現職と転職先候補の魅力差が一定を超えたパターン
転職先候補の企業と現職の魅力差が広がり、転職に踏み切るケースです。
- 現職の魅力が下がった(不満が増えた)
- 転職先候補の企業の魅力が上がった
のどちらか、もしくは両方の影響によって発生します。
この点を踏まえると、転職先候補の企業目線で有効なのは、カジュアル面談時点でこの方がキャリア・転職基準に強く求める要素を把握しておき、自社が相手の求める点を備えたタイミングでその事実をお知らせすることです。
例えば、前回カジュアル面談をした際、フルリモートワークの環境が未整備で、その1点において選考参加をしなかった方がいた場合、フルリモートワークの前提が整ったあとにお誘いすれば、改めて選考参加してもらえる可能性があります。
転職先に対するリスク評価が低下したパターン - 不安の解消
転職先候補の企業に感じていたリスクが低下し、転職に踏み切るケースです。
転職先候補の企業と現職の魅力差は一定あるが、転職することのリスクを考えると転職に踏み切れないという判断をしていた方がいたとします。
この方が、入社後にきちんと立ち上がり、戦力として活躍できるかどうかが不安で転職に踏み切れていなかったとします。
この際に、手厚いオンボーディングや入社後の育成体制の存在を知らせることで不安を解消すれば選考参加してもらえる可能性があります。
まとめ
転職潜在層から転職顕在層へ顕在化の発生条件について整理し、その上で転職意思が芽生えるパターンを3つ紹介しました。
理想としては個別の候補者さんと意気投合し、継続的に情報交換をするような関係になることですが、すべての候補者さんとそのような関係を作り、維持するのは困難です。そもそも、採用のために仲良くなるわけでもなく、純粋にお互いを気に入って仲良くなるのが実際のところでしょう。
個別対応しきれない点については、
- 組織が新たに得た魅力を発信し続けること
- 組織の情報が見える範囲を広げることで候補者さん全体の不安を減らすこと
- カジュアル面談後、どんなタイミングでも気になったら連絡くださいね、と応募ハードルを下げるためのお声掛けをしておくこと
- カジュアル面談の体験を良好にしておくことで、転機に想起してもらいやすくしておくおと
などをしておくことによって、カジュアル面談参加後にかなり時間が経過したあと、前提の変化が発生して転職意思が芽生える可能性があります。
うまくいく場合ばかりではありません、一方で、全く起こり得ないかと言うとそうでもありません。