[レポート] データインフラ構築最前線 経営イシューと手を繋ぐには?〜未踏の地〜データドリブン経営の最新考より

[レポート] データインフラ構築最前線 経営イシューと手を繋ぐには?〜未踏の地〜データドリブン経営の最新考より

Clock Icon2023.06.01

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はじめに

5月30日(火)にprimeNumber社が協賛、NewsPicks Brand Design社の主催でセミナー「〜未踏の地〜データドリブン経営の最新考 」が開催されました。

是非ブログにしてシェアしたい内容が満載だったため、ブログでお伝えします。

開催情報はこちら

今回のセミナーはデータドリブン経営を軸に以下の3つのセッションがありました。

今回は、データインフラ構築最前線 経営イシューと手を繋ぐには?のレポートをお送りします。

データインフラ構築最前線 経営イシューと手を繋ぐには?

スピーカー

  • 戸辺 淳一郎 氏(ノバセル株式会社 取締役CTO)
    • 前職ではすでにあるデータ基盤の運用をしていた
    • 現職では新たなデータ基盤の構築を行い、そのデータをどのようにして経営の意思決定に組み込むかまで落とし込んだ
  • 阿部 直之 氏(株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクト開発統括室 データ推進室 データテクノロジーユニット ユニット長)
    • データ人材の育成を行なっている
    • リクルート内のさまざまな事業に対してデータ分析基盤の構築支援を行なっている

データ分析の現状

どのような人がデータを使って仕事をしているか?

ノバセル

  • 全人材(社内利用のみならず、社外の人に対してもデータ利用して提案を行なっているため、全体のリテラシーを底上げしている)
    • データ道場の開催
    • ビジネス側が使いやすいデータを準備する(使ってもらえるデータを用意することが大事)

リクルート

  • 各プロダクトの関係者
    • データのリテラシーもさまざま
    • 関係者が多いので、施策を進める際に認識のずれが大きな手戻りになることがある

データ分析基盤の構築に当たっての、意識するべきポイント

ノバセル

  • 変化に耐えうる構造にする

前職ではデータが専門ではないエンジニアによって分析基盤が構築されていたため、データ量や技術面の進化といった変化に耐えうる構造になっておらず、技術的負債を抱えてしまいさらなる投資が必要になってしまった。

変化に耐えうる構造とは具体的には、以前はデータを入れるタイミングでスキーマを決定するスキーマオンライトが主流だったが、現在はさまざまな分析ニーズに応えられるスキマーオンリードに対応した構造にするなど。

リクルート

  • 関係者が一つの方向を向いてイメージを合わせていく
  • 構築の段階で合意が取れていても、施策の段階で新しいデータが入ってくると変わってくるので、新しいデータが出てくるたびに合意をとることを大事にする

技術面以外で大切なこと

ノバセル

  • データを整理する
    • データは増える一方で減ることはないので、現場の要望に合わせて柔軟に対応できるようにしておく
  • 既存のデータの組み合わせでいかにシナジーを生み出せるかを考える

リクルート

  • データガバナンスを考える
    • データの民主化が進むと指標が増えるので、ユーザーデータなど個人情報の取り扱いに関するルールを整備する

実際に気をつけたこと

ノバセル

  • Snowflakeを採用した
    • 柔軟性を実現するためにスキーマオンリードに対応できる基盤が大切だと感じていた
    • データレイクとデータウェアハウス層を分けないアーキテクチャも柔軟性が増す

[質問] 5年前に戻った時に何を行うか?

  • 2014年当時にRedshiftを採用したことは間違いではなかった
  • 変化を念頭に置いた運用を行なったいたため、柔軟性を失ったまま基盤が肥大化してしまうのを防いだ
  • 小さいサイズで自分たちのアーキテクチャのアップデートをできる形にしておけばよかった

リクルート

  • 合意をとる
    • どのような指標が必要で、何を基準にするのかといったずれがあってはいけないところを関係者と密に対話を重ねて認識のずれを防いだ

[質問] 大きな組織でデータ分析基盤を構築する時のTips

  • 常に改善を重ねる
    • 事業ごとに基盤を構築するので、1つのプロジェクトで得られた知見を次のプロジェクトに活かして常に改善を重ねた

ビジネスサイドとエンジニアはどのように手を組むべきか?

ノバセル

  • お互いが寄り添う必要がある(お互いに歩み寄る)
  • 経営課題に対して解像度の高いビジネスサイドはエンジニアリングに対して知る必要があり、vise vasa

お互いに歩み寄れるとデータの活用が進む!

(下記リクルートのアナリティクスエンジニアに対して) - 大きな組織ではビジネスとエンジニアリングの中間に位置する役職を設置することができるが、小さな組織だとチームの人数も限られる - 限られたリソースの中で、どのロールやスキルの組み合わせでチームを作るかを考える必要がある

リクルート

  • コミュニケーション!コミュニケーション!コミュニケーション!
    • 経営層が欲しいデータがトップダウンで降りてくるだけではエンジニア側も手段がわからない
  • アナリティクスエンジニア
    • エンジニアとビジネスサイド両方の知見を持った人。双方のコミュニケーションを円滑に進める存在
    • リクルートでは基盤の要件をまとめる存在として定義

[アナリティクスエンジニア爆誕の背景]

  • データ分析に関わる人が多数いる中で、それぞれの要望を叶える形で基盤構築する側の負荷が増加してしまった
  • 基盤構築の仕事を整備する中でビジネスとエンジニアのスキルのグラデーションのある存在が出てきた
  • まだビジネスとエンジニアの中間的作業で役職されていない業務もあり、整理途中

まとめ

ノバセル

  • エンジニア
    • データ基盤を作るときにこれから起こる変化を想像して構築する
    • 変化は現在想像し得ないことであることを認識しておく
  • ビジネス
    • データリテラシーを高める
    • 時にデータへの期待が高すぎるケースも見受けられるが、経営層にはデータに対して過剰な期待値を持ってもらいたい

リクルート

  • エンジニアがわとビジエス側のコミュニケーションが大切
  • 時間が経つとビジネスも変化するので、その時に応じて対応できるようにしておく

まとめ

異なる規模の会社でデータ基盤を構築・運用している方達によるセッションでした。

会社の規模によって課題や鍵となる行動が異なりますが、共通して変化に対して柔軟に対応できることが大切とおっしゃっていたことが印象的でした。現状ベストな状態にしておいて、将来のベストが出てきた時に勇気を持ってそちらに舵を切ることの大切さを学びました。

コミュニケーションは本当に大事ですよね。特に相手の言っていることと自分の言葉に差がないかを注意しながら会話することって大事だなと日々身に染みています。なんとなく社内でも社外でも気になることがあった時に、後でいいかと後回ししてしまったり、きっとこうだろうなと勝手に自己解決してしまって、もっと早く直接聞いてればよかったって思うことが多々あるので、コミュニケーションをしっかりとるというのを私もこれからの業務で大切にします!

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