【書評】自分を操る超集中力 #ビジネス書を楽しもう

2020.12.02

はじめに

せーのでございます。

誰にも知らせずまったり始めている「ビジネス書」アドベントカレンダー、本日は2日目です。

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本日はメンタリストDaiGo著「自分を操る超集中力」です。

自分を操る超集中力

自分を操る超集中力

DaiGoさんは一時期はテレビでスプーンをぐにゃぐにゃに曲げたり、目隠しでどの色のボールを取ったのか当てていた、あのDaiGoさんです。
最近はニコニコとかYoutubeでワイン飲みながら早口でまくしたてている、あのDaiGoさんです。
ウィッシュとかクセがすごい方じゃない、あのDaiGoさんです。

ちなみに私はハードカバーで買ったのですが、そでにはこんな文章が書かれています。

毎日20冊の読書。なんてパワーワードなんでしょう。一冊20分でも6時間40分。集中すると速読術が身につくんでしょうか。何にせよ気にならずにはいられません。

今日はそんな超集中力をご紹介します。

集中が続かないのは無駄な部分にウィルパワーを向けているから

この本で最も大事な要素、それは「ウィルパワー」と呼ばれるものです。ウィルパワーというのはおそらく英語で書くとWill Power、つまり意志の力です。具体的には「思考や感情をコントロールする前頭葉の機能」となります。人間はあらゆる行動を取る際にそこに意識を向けることによってウィルパワーを使います。ウィルパワーがなくなると集中できなくなる、という仕組みです。
ウィルパワーの特徴として

  • 意識を向けるとウィルパワーは消費されていく
  • ウィルパワーの出どころは一つ
  • トレーニングによってウィルパワーの総量は増やせる

といった事が具体的な心理学の実験を通して提示されていきます。ここらへんに論文を持ってくるあたりがメンタリストですね。

大事なのはまずウィルパワーの出どころは一つである、ということです。仕事をするのに使うウィルパワーとゲームをする時に使うウィルパワーは同じ出どころ、ということになります。つまり、気分が乗らないから一旦ゲームをしても、やっぱり気分は乗らない、ということです。

少し脱線しますが、この理論は俗に言う「スラック」という考え方につながっていくような気がします。スラックとは「ゆとり」「たるみ」という意味なのですが、例えば借金をしている人はお金について心が支配されてしまって通常のパフォーマンスが出せない、というような欠乏症に対するアプローチとして知られています。

詳しくは「欠乏の行動経済学」という本に書かれていますが、他の物事にウィルパワーを使っているから関連がない事でもやろうとすると集中できない、という考え方と、時間やお金などに「欠乏」を感じるとそこに自然と集中してしまい、トンネリングによって他の物事が散漫になる、という考え方はアプローチは違うものの共通する行動心理学上の結論を感じました。

いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (早川書房)

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さて、次にウィルパワーはトレーニングによって増やせる、ということです。本の中ではそのトレーニング方法として「姿勢を正す」ということが推奨されてます。無意識の行動を客観的に観察し正すことは集中力のトレーニングに効果があるそうです。

一方ウィルパワーは習慣化することによって節約できる、とこの本は述べています。ウィルパワーは前頭葉の働きを指していますが、習慣は前頭葉ではなく小脳の働きのため、ウィルパワーを消費しないのです。この場合の習慣とは、例えば歯を磨いたりご飯を食べたり、といった作業レベルを指します。

つまり普段からトレーニングをしてウィルパワーの総量を増やすか、習慣化することによってウィルパワーを節約する事によって、集中力は持続するようになる、という事になります。

ちなみに前頭葉は「なにかをやる」以外にも「なにかをやらない」ことや「なにかを望む」ことにも使われるため、誘惑に抗うような決断にも実はウィルパワーは使われています。例えばダイエットのためにエクササイズをするとして、視界の中にケーキが置いてあると「ケーキは食べてはいけない」というウィルパワーが使われて、エクササイズが普段よりできなくなる、といったようなことです。

なのでウィルパワーを節約するには「習慣化」の他に「判断や決断する場面を減らす」というのも含まれます。

仕事力=集中力 X 時間

人間はそもそも長時間集中できないそうです。一般的には30分、鍛えられている人でも120分が限界で、その時間を超えると一気に集中力が落ちるため、落ちる前に休憩を入れて手を止めてしまった方が集中し続けることができます。

ビジネス書マニアではこの辺の考え方は俗に「ポモドーロテクニック」と呼ばれるものでよく知られています。

デッドラインを自ら決め、そこまでになんとしても終わらせようとすると、人間は自然と集中力が増します。このような短期間での集中を繰り返したほうが、結果的に全体の仕事量は上がる、という提案を「焦らし効果」「プライミング効果」などの心理学用語と数々の論文、実験の紹介を通して行っています。

集中力を身につけるには

この後にもこの本は「サーカディアンリズム」「エモーショナルプランニング」「アクティブレスト」「ウルトラディアンリズム」などの様々なテクニックと心理学上の実験を通じて集中力を高める方法を教えてくれます。

その中でも特に面白かったのは「喜怒哀楽の感情を組み合わせて集中力をより高める」という考え方です。

人間の感情にはそれぞれ

  • 怒り: 行動力や問題解決力を高める => 目的や目標が具体的である課題をこなす時に集中できる
  • 哀しみ: 冷静な意思決定ができる => 最近の自分の意思決定を見直す時に深い集中を得られる
  • 喜び、楽しさ: 創造力を高め意思決定を速くする => クリエイティブな仕事や素早い意思決定が必要な時にフロー体験を得られる

という特性があります。

これを利用して

  • 仲の良い友だちと遊んだ後に仕事を入れる
  • ヒューマンな映画を見た後に面倒な業務上の確認作業に入る
  • ラッシュの電車に乗った後や悔しかった体験を思い出してから、何代となっている問題の処理を行う

というように、仕事の種類によって事前にイベントを挟む、という方法です。

これは非常に面白い発想ですね。でも理論的には合理的です。

最終的に集中力を得るには

  • 無意識の行動を見直すことでウィルパワーの総量を増やすトレーニングをする
  • 余計な判断で無駄なウィルパワーを使わないように、机にものを置かない、仕事するスペースに仕事以外のものが見えないようにする、など、必要最小限の環境を作ること、朝10分使ってその日の予定を作る、一つの予定が終わるまで絶対に次の作業をしないなど、その場での判断を取り除くように準備する
  • ウィルパワーをこまめに回復するために、軽い運動、瞑想、睡眠、不安を紙に書き出すなどして、効率的な休憩を取るようにする

という3つの方法論に落ち着くようです。
これらの前提には「人間は一つのことに集中するのに時間がかかり、集中が切れたらもう一度集中するのにも時間がかかる」というシングルタスクの考え方があるようです。一つ一つのことをコツコツ繰り返す環境に身を置くことが、結局できることの総量を増やす一番の近道なのだ、と理解しました。

まとめ

ということでDaiGoさんの「自分を操る超集中力」をご紹介しました。
集中して物事に取り組むことは仕事の生産性を上げるためにももちろん重要なのですが、何よりも集中して一つの物事をこなした時って、達成感があって気持ちが良いものですので、これらの方法を参考に、自分なりの集中ルーティーンを築いてみるもの良いかもしれません。

自分を操る超集中力

自分を操る超集中力

それではまた明日、お会いしましょう。