
チームの成果を最大化するために強みで分担をする
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
チームで成果を上げるには、単に全員で同じことをがんばるのではなく、それぞれの強みを活かして役割を分担することが重要です。この記事では、チームで強みを分担するとはどういうことか、どんな利点があるのか、そしてどのように進めていくのが良いかについてまとめます。
『チームで強みを分担する』とは
『チームで強みを分担する』とは、メンバーそれぞれの得意な分野や特性を活かして役割を担い合うことです。全員がすべての業務を平均的にこなすのではなく、「Aさんは企画が得意だからこの部分を任せよう」「Bさんは調整力があるのでこの領域を担当してもらおう」といった形で補完し合う状態です。
例
- Aさんは企画力に優れている → 初期のアイデア出しをリード
- Bさんは調整力に優れている → 関係者とのスケジュール調整を主に担当
- Cさんは文章化が得意 → 資料作成や要点の整理を担う
チームで強みを分担する利点
チームで強みを分担する利点としては以下のようなものがあります。
- メンバーのリーダーシップが育つ
- リーダーの負担が減る
- チームのスピードと精度が上がる
- メンバー同士の信頼関係が強くなる
- 従業員体験が向上する
- チームの能力の最大値が上がる
- キャリア形成につながる
1. メンバーのリーダーシップが育つ
特定の領域で主導権を持つことで、自分の強みを自覚し、周囲をリードする経験が増えます。
得意な分野における方針を決定したり、ノウハウを他者に教えたり、通常はマネージャーやリーダーが担うような業務を経験しやすくなります。
2. リーダーの負担が減る
すべてを一人で抱えるのではなく、各メンバーが一部を担うことで、リーダーはより戦略的な判断に集中できます。
また、多くの場合、リーダーは万能ではないため、苦手な部分もあります。強みを分担することで、苦手な分野の負担を減らすことができます。
3. チームのスピードと精度が上がる
得意な人が得意な部分を担当することで、作業のスピードも精度も自然と高まります。
4. メンバー同士の信頼関係が強くなる
「任せてもらえる」「任せられる」という関係性が生まれ、信頼構築が進み、連携の質が向上します。
5. 従業員体験が向上する
強みに関わる業務を多く担当すると、貢献をしやすくなり、成功したり、感謝される機会が増えるため従業員体験が向上します。
6. チームの能力の最大値が向上する
各自がそれぞれの強みを発揮していると、チーム全体の能力の最大値が向上します。
7. キャリア形成につながる
日常業務の中で強みを発揮する経験は、キャリアの方向性や自信の形成に直結します。
チームで強みを分担するプロセス
チームで強みを分担する場合、以下のようなプロセスが必要です。
- 強みを可視化する
- チームの業務全体をマッピングする
- 得意領域と業務をマッチングする
- 分担して進め、ふりかえる
1. 強みを可視化する
- ワークショップで「何が得意か?」「他の人に頼られることは何か?」を話し合う
- 1on1で強みについて整理をする
- 自己分析で過去の経験から強みを整理する
- 他者にフィードバックを求め、他者から見た自己の強みを把握する
- クリフトンストレングスのような診断の実施をする
2. チームの業務全体をマッピングする
- チームの業務を整理して、業務の種類ごとに強みに関連するか判断できるようにする
- チームの業務の実施に必要なスキルやマインドを整理して強みが活きる部分を判断できるようにする
3. 得意領域と業務をマッチングする
- 役割・業務・タスクごとに「この人が向いてそう」と思う担当を当ててみる
- 本人と相談しながら、無理なく分担する
4 分担して進め、ふりかえる
- 一定期間分担して取り組み、定期的に「この分担が適切かどうか」を振り返る
チームで強みを分担する際のポイント
チームで強みを分担する場合、以下のようなポイントに注意が必要です。
- 得意な人だけに頼りすぎない
- 弱みの克服も大事にする
- 評価に結びつける
1. 得意な人だけに頼りすぎない
たとえ各自の強みがあっても、同じ人に特定の業務が集中しすぎると負担が偏ります。ある程度の分担は必要です。
2. 弱みの克服も大事にする
強みだけでなく、苦手な領域にも挑戦する機会を完全に失わないようにします。
3. 評価に結びつける
強みを発揮した結果が事業の成果につながっている場合、しっかり評価に反映されると、より前向きに取り組めるようになります。
強みは人ぞれぞれで、標準的な評価基準にはない強みを持つ人もいるかも知れません。そのため、画一的な評価基準にとらわれずに、貢献できているのならイレギュラーな強みも評価に加える必要があるでしょう。逆に気をつけることとして、本人が強みをもとに活躍していると主張していても、十分な事業成果につながっていない場合は評価に加えることが難しいことについても認識合わせが必要です。
チーム内での分担の例
私の所属している組織開発室はマネージャーの私とメンバーのハヂメの二人チームです。現状、部門の基本的な方針や組織課題の解決に関わる判断に関しては私が主導しています。一方で、全社向けの人事関連ドキュメントの導線設計や読者体験の向上、全社向けの周知文の改善はハヂメに方針検討から委ねています。
多くの場合、マネージャーが常に万能でメンバーの上位互換とは限りません。私たちのチームでも例外ではなく、今メンバーに委ねている部分は私よりもメンバーが優れている部分です。メンバーの自主性を発揮してもらえますし、私が主導するよりも良い結果になるため、いいことづくしです。そのうえで、相談に乗ったり、報告を受けたり、結果のレビューをするなどフォローはしています。
補足
ある程度均等に対象者をアサインすることが必要な業務については、強みに沿ったアサインをしたくても調整が難しい場合こともあります。そういった際にはせめて部内外のタスクフォースや特定分野の技術調査・検証などで強みに応じたアサインをしていけるとよいでしょう。
まとめ
チームで成果を出すうえで、全員がすべてを平均的にやる必要はありません。むしろ、お互いの強みを活かし、分担することで、より速く・より強く進むことができます。
個人の強みをチーム全体の力に変えるために、まずは「何が得意か?」を共有するところから始めてみてはいかがでしょうか。