Snowflake Cortex Code Desktopで国交省の不動産情報ライブラリMCPサーバを使用して不動産情報を取得してみた

Snowflake Cortex Code Desktopで国交省の不動産情報ライブラリMCPサーバを使用して不動産情報を取得してみた

2026.06.09

かわばたです。

Snowflake Cortex Code Desktop は MCP(Model Context Protocol)に対応しており、外部の MCP サーバーを接続してエージェントのツールとして利用できます。

https://docs.snowflake.com/en/user-guide/cortex-code/cortex-code-desktop/mcp-support

今回は、国土交通省が提供する不動産情報ライブラリ API をラップする MCP サーバー「mlit-geospatial-mcp」を Cortex Code Desktop に接続し、自然言語で不動産情報を取得するところまで試してみたので、手順と確認結果をまとめます。

https://github.com/chirikuuka/mlit-geospatial-mcp

Cortex Code Desktop のインストールや基本操作については、以下の記事にまとめていますので、あわせてご参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/snowflake-cortex-code-desktop-install-basic-usage/

機能概要

Cortex Code Desktop の MCP 対応

MCP(Model Context Protocol)は、AI エージェントが外部ツールを呼び出すためのオープンプロトコルです。Cortex Code Desktop は MCP に対応しており、設定ファイルに MCP サーバーの情報を記載することで、エージェントが外部ツールを利用できるようになります。

サポートしているトランスポートは以下の 2 種類です。

トランスポート 用途 通信方式
stdio ローカルツール、CLI ラッパー、言語固有のサーバー サブプロセスを起動し stdin/stdout で通信
http Web サービス、ホスト型 API Streamable HTTP リクエスト(SSE フォールバック対応)

MCP 設定ファイルの配置場所は以下のとおりです。

設定レベル 設定ファイルパス 適用範囲
グローバル ~/.snowflake/cortex/mcp.json 全ワークスペース共通
ワークスペース <workspace>/.snowflake/cortex/mcp.json または <workspace>/.cortex/mcp.json 該当ワークスペースのみ

MCP サーバーのツールは mcp__<server-name>__<tool-name> の形式で名前空間化されます。例えば、サーバー名が mlit-geospatial でツール名が get_multi_api の場合、mcp__mlit-geospatial__get_multi_api として利用できます。

https://docs.snowflake.com/en/user-guide/cortex-code/cortex-code-desktop/mcp-support

mlit-geospatial-mcp

mlit-geospatial-mcp は、国土交通省が提供する不動産情報ライブラリ API を MCP サーバーとしてラップした Python 製のツールです。stdio 型の MCP サーバーとして動作します。

主要ツールとして get_multi_api が提供されており、約30種類の不動産・地理空間データ API を統合的に呼び出せます。対象となるデータは以下のようなものがあります。

  • 不動産取引価格情報
  • 不動産鑑定評価書情報
  • 地価公示・都道府県地価調査
  • 都市計画 GIS(用途地域など)
  • 学校区情報
  • 医療機関情報
  • 災害危険区域・浸水想定区域

https://github.com/chirikuuka/mlit-geospatial-mcp

今回の接続構成は以下のイメージです。

Cortex Code Desktop
  └── MCP stdio connector
        └── Python プロセス(mlit-geospatial-mcp)
              └── 不動産情報ライブラリ API(reinfolib.mlit.go.jp)

Cortex Code Desktop がローカルの Python MCP サーバーを子プロセスとして起動し、stdin/stdout で通信する形です。Snowflake 上で直接 MCP サーバーを動かすのではなく、ローカルマシン上で動作する点にご注意ください。

制限事項

  • Cortex Code Desktop は 2026年6月4日時点ではプレビュー機能です。GA までに仕様が変わる可能性があります
  • MCP ツールのレスポンスは 50KB が上限です。超過した場合は出力が切り捨てられます
  • MCP ツールのデフォルトタイムアウトは 60秒 です(環境変数 COCO_MCP_TOOL_TIMEOUT_MS で変更可能)
  • 地理空間データはレスポンスが大きくなりやすいため、市区町村単位などエリアを絞った問い合わせが推奨です
  • mlit-geospatial-mcp は不動産情報ライブラリ API の利用規約に従う必要があります

コスト

項目 コスト
Cortex Code Desktop Snowflake クレジット消費ベース(詳細は Snowflake Service Consumption Table を参照)
不動産情報ライブラリ API 2026年6月4日時点では無料(要 API 利用申請・API キー取得)

https://www.snowflake.com/legal-files/CreditConsumptionTable.pdf

前提条件

  • Snowflake: AWS 東京リージョン、Enterprise エディション
  • Cortex Code Desktop: インストール・Snowflake アカウント接続設定済み(別記事参照)
  • 対応 OS: macOS / Windows(本記事では Windows で検証)
  • Python: 3.10 以上(本記事では 3.13.7 で検証)
  • uv: Python パッケージマネージャー(本記事では uv を使用。pip でも可)
  • 不動産情報ライブラリ API キー: 取得済み(reinfolib.mlit.go.jp で API 利用申請)
  • 本機能のステータス: 2026年6月4日時点では Preview

事前準備

不動産情報ライブラリ API キーの取得

mlit-geospatial-mcp を利用するには、不動産情報ライブラリの API キーが必要です。以下の手順で取得します。

  1. 不動産情報ライブラリのサイトにアクセスします

https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

  1. API 利用申請を行い、承認後に API キーを取得します

2026-06-09_17h51_02

https://www.reinfolib.mlit.go.jp/api/request/

取得した API キーは後の設定で使用するため、控えておきます。

mlit-geospatial-mcp のセットアップ

GitHub リポジトリからクローンし、Python 仮想環境を作成して依存関係をインストールします。本記事では高速なパッケージマネージャーである uv を使用しますが、python -m venv + pip でも同様に動作します。

git clone https://github.com/chirikuuka/mlit-geospatial-mcp.git
cd mlit-geospatial-mcp

uv で仮想環境の作成と依存関係のインストールを行います。

uv venv
uv pip install -r requirements.txt

依存関係のインストールが正常に完了すれば問題ありません。今回の環境では 38 パッケージがインストールされました。

試してみた

MCP 設定ファイルの作成

Cortex Code Desktop に mlit-geospatial-mcp を認識させるため、MCP 設定ファイルを作成します。今回はグローバル設定として ~/.snowflake/cortex/mcp.json に配置します。Windows の場合は %USERPROFILE%\.snowflake\cortex\mcp.json に相当します。

以下の内容で mcp.json を作成します。

{
  "mcpServers": {
    "mlit-geospatial": {
      "command": "C:\\Users\\<ユーザー名>\\mlit-geospatial-mcp\\.venv\\Scripts\\python.exe",
      "args": [
        "C:\\Users\\<ユーザー名>\\mlit-geospatial-mcp\\src\\server.py"
      ],
      "cwd": "C:\\Users\\<ユーザー名>\\mlit-geospatial-mcp",
      "env": {
        "LIBRARY_API_KEY": "<取得した API キー>",
        "PYTHONUNBUFFERED": "1",
        "LOG_LEVEL": "WARNING"
      }
    }
  }
}

設定項目のポイントは以下のとおりです。

項目 説明
command Python 実行ファイルのフルパス(仮想環境内の python.exe)
args MCP サーバーのエントリポイント(src/server.py)のフルパス
cwd 作業ディレクトリ(リポジトリのルート)
env.LIBRARY_API_KEY 不動産情報ライブラリの API キー
env.PYTHONUNBUFFERED Python の出力バッファリングを無効化(stdio 通信の安定化)
env.LOG_LEVEL ログレベル(WARNING 推奨)

Cortex Code Desktopからの設定も可能です。
Agent Settings → MCP から「+ New」を選択し、JSON タブで設定内容を入力します。

2026-06-09_18h20_27

Cortex Code Desktop での MCP サーバー接続確認

mcp.json を配置したら、Cortex Code Desktop を起動(または再起動)します。

MCP サーバーの接続状態は、Agent SettingsMCP パネルから確認できます。

MCP パネルで mlit-geospatial サーバーが表示され、正常に接続されていれば問題ありません。

2026-06-09_18h26_44

不動産情報の取得を試してみる

MCP サーバーの接続が確認できたら、エージェントモードで自然言語プロンプトを入力して不動産情報を取得してみます。

以下のプロンプトを入力します。

東京都千代田区の地価公示情報を取得してください

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エージェントが mcp__mlit-geospatial__get_multi_api ツールを呼び出して、不動産情報ライブラリ API から地価公示情報を取得します。
2026-06-09_18h31_37

エージェントが MCP ツールを呼び出し、地価公示情報が返却されれば、接続とツール呼び出しは正常です。

取得した不動産データをSnowflakeに格納して分析

MCP で取得した不動産データを Snowflake テーブルに格納し、SQL で分析するところまで試してみます。

以下のプロンプトを入力します。

東京都千代田区のすべての地価公示情報を取得してください

今回の検証では、東京都千代田区の地価公示一覧(令和7年1月1日時点のデータ)を取得できました。

2026-06-09_18h41_32

取得した地価公示データを Snowflake のテーブルに格納して、エリア別の平均地価を集計してください
格納先はKAWABATA_MART_DB.AI_FUNCTIONS スキーマ内

エージェントが以下のような流れで処理を実行します。

  1. MCP 経由で地価公示データを取得
  2. Snowflake にテーブルを作成(CREATE TABLE)
    2026-06-09_18h44_32
  3. 取得したデータを INSERT
    2026-06-09_18h45_11
  4. エリア別の平均地価を集計する SQL を実行

2026-06-09_18h45_44

Snowflake側の確認
指定したデータベース・スキーマに格納されていました。
2026-06-09_18h50_04

分析結果
2026-06-09_18h46_43

MCP 経由で取得したデータが Snowflake テーブルに格納され、SQL で集計結果が確認できれば問題ありません。

最後に

Snowflake Cortex Code Desktop の MCP 対応を使って、国交省の不動産情報ライブラリ API の MCP サーバー(mlit-geospatial-mcp)を接続し、自然言語での不動産情報取得から Snowflake での分析まで試してみました。

特に以下の点が印象的でした。

  • 設定の手軽さ: mcp.json にサーバー情報を記載するだけで外部 MCP サーバーを接続できます。stdio 型の MCP サーバーであれば、同様の手順で他のサーバーも接続可能です
  • 自然言語でのデータ取得: 国交省 API のパラメータを意識せずとも、自然言語で不動産情報を取得できる点は便利でした
  • 一気通貫の分析フロー: MCP 経由のデータ取得 → Snowflake テーブル格納 → SQL 分析まで、エージェントとの会話の中で完結できるのは Desktop 版ならではの体験だと感じました

一方で、地理空間データはレスポンスが大きくなりやすいため、50KB のレスポンス上限に注意が必要です。広域のデータを取得する場合は、市区町村単位などエリアを絞って問い合わせるか、大量データは MCP で探索した後に別途 ETL で Snowflake にロードする設計が現実的だと思います。

2026年6月4日時点では Cortex Code Desktop はプレビュー機能である点にもご注意ください。

この記事が何かの参考になれば幸いです!

参考

https://docs.snowflake.com/en/user-guide/cortex-code/cortex-code-desktop/mcp-support

https://github.com/chirikuuka/mlit-geospatial-mcp

https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

https://docs.snowflake.com/en/user-guide/cortex-code/cortex-code-desktop

https://modelcontextprotocol.io/


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