2025年6月にリリースされたSnowflakeの新機能・変更点のまとめ #SnowflakeDB
2025年6月にリリースされたSnowflakeの新機能・変更点のまとめ記事になります。
※注意事項:本記事ではすべての情報についての記述はせず、特筆すべきだと感じた情報だけピックしております。基本的には以下の情報を参考にしておりますので、全ての最新情報を確認したい場合は下記のURLからご確認ください。
June 27, 2025 — dbt Projects on Snowflake がパブリックプレビュー
Snowflake アカウント内で dbt による開発が可能な dbt Projects on Snowflake がパブリックプレビューとなりました。
dbt は DWH 上のデータ変換に特化したツールで、OSS 版の dbt Core と SaaS 版の dbt Cloud が提供されています。このうち、dbt Core による開発が Snowflake 上で行える機能です。
開発は同じく6月にプレビューとなった Workspace で行えます。
詳細は以下の記事をご参照ください。
June 26, 2025 — ダイナミックテーブルを通常のテーブルとしてクローンできるように — 一般提供
ダイナミックテーブルをクローンする際、通常のテーブルとしてクローンできるようになりました。※元々ダイナミックテーブルとしてのクローンにも対応しています。
詳細は以下をご参照ください。
June 24, 2025 — 組織アカウントで利用できるプレミアムビューが一般提供
組織アカウントで使用できるプレミアムビューが一般提供となりました。
Snowflake では特に複数アカウントでの運用時などで組織レベルのタスクを実行する専用のアカウントとして組織アカウントを使用できます。
ORGANIZATION_USAGE スキーマには、組織アカウントでのみ提供される、専用のビュー(プレミアムビュー)が含まれています。プレミアムビューでは、単一のアカウント内のビューでは利用できない組織レベルのデータを確認することが可能です。
組織アカウントや ORGANIZATION_USAGE スキーマについては、以下の記事が参考になると思います。
June 19, 2025 — Integrations in Snowsight — パブリックプレビュー
統合オブジェクトを Snowsight 上で管理できるようになりました。
対応する統合オブジェクトを GUI から作成する際は、テンプレートが表示されます。
既存のオブジェクトは、使用権限のあるロールコンテキスト時のみ表示され、以下のような各種操作を行えます。
- 統合オブジェクトへの権限付与
- 既存のオブジェクト管理(編集、削除、有効無効化、所有権の移譲)
詳細は以下ご参照ください。
June 18, 2025 — Customized runtime environments in Warehouse notebooks — パブリックプレビュー
仮想ウェアハウスによって実行される Snowflake Notebook の作成時や既存の Notebook の設定時に Runtime version を指定できるようになりました。
Runtime version として現在は以下を選択できます。
- 1.0
- Python runtime:3.9
- Streamlit version:1.39.1
- 2.0
- Python runtime:3.10
- Streamlit version:1.39.1
詳細は以下をご参照ください。
June 16, 2025 — Cost Management release notes
Budgets:タグによるオブジェクトの追加をサポート
カスタム予算作成時に、タグを追加して監視するオブジェクトを指定できるようになりました。
タグと値のペアを指定することで、そのペアが割り当てられたすべてのオブジェクトが予算で監視されます。
さらに、タグを使用して監視するオブジェクトを指定した場合、あるオブジェクトのコストを複数のカスタム予算で使用できます。
詳細は以下をご参照ください。
Jun 09-11, 2025 — 9.15 Release Notes
Artifact Repository — 一般提供
Artifact Repository が一般提供となりました。
これにより Python Package Index(PyPI)に接続し、必要な Python パッケージを Snowpark Python の UDF やストアドプロシージャに直接統合できるようになります。
詳細は以下をご参照ください。
UNION BY NAME
カラム名が一致する場合に UNION が行える UNION BY NAME(または UNION ALL BY NAME)がリリースされました。
テーブル間で名称が一致するカラム同士で UNION され、一致するカラム名が存在しない場合でも、自動的に NULL として扱われます。結合したい列の名前が異なる場合、エイリアスを使用することでそれらの列を結合することも可能です。
>SELECT * FROM employees;
+----------+-----------+
| LASTNAME | FIRSTNAME |
|----------+-----------|
| Smith | John |
| Johnson | Emily |
| Williams | Michael |
+----------+-----------+
>SELECT * FROM CONTRACTORS;
+-----------+----------+
| FIRSTNAME | LASTNAME |
|-----------+----------|
| David | Brown |
| Sarah | Davis |
| Tom | Wilson |
+-----------+----------+
-- UNION ALLを実行:列の順序に基づいて結合。列の意味が異なっている
>SELECT LastName, FirstName FROM employees
UNION ALL
SELECT FirstName, LastName FROM contractors;
+----------+-----------+
| LASTNAME | FIRSTNAME |
|----------+-----------|
| Smith | John |
| Johnson | Emily |
| Williams | Michael |
| David | Brown |
| Sarah | Davis |
| Tom | Wilson |
+----------+-----------+
-- UNION ALL BY NAMEを実行:列名に基づいて行を結合
>SELECT LastName, FirstName FROM employees
UNION ALL BY NAME
SELECT FirstName, LastName FROM contractors;
+----------+-----------+
| LASTNAME | FIRSTNAME |
|----------+-----------|
| Smith | John |
| Johnson | Emily |
| Williams | Michael |
| Brown | David |
| Davis | Sarah |
| Wilson | Tom |
+----------+-----------+
詳細は以下をご参照ください。
June 02-05, 2025 — Summit announcements
Semantic views の定義が一般提供
Cortex Analyst で使用する セマンティックモデルをスキーマ内の Snowflake オブジェクトとして定義できる Semantic views が一般提供となりました。
セマンティックモデルは YAML ベースとなりますが、セマンティックビューは、スキーマレベルのオブジェクトとして SQL(CREATE SEMANTIC VIEW) で定義し、RBAC で管理することも可能となります。
詳細は以下をご参照ください。
Semantic views のクエリがパブリックプレビュー
SQL でスキーマレベルのオブジェクトとして定義できるセマンティックビューは、SELECT 文でクエリできるようになりました。
詳細は以下をご参照ください。
June 03, 2025 — Snowflake Copilot inline がパブリックプレビュー
SQL コード内で Snowflake Copilot を呼び出せる Snowflake Copilot inline がパブリックプレビューとなりました。
Workspace 上で使用でき、自然言語の質問から SQL クエリの生成や既存の SQL の修正を行うことも可能です。SQL 修正する場合、提案された変更を承認すると、赤で強調表示された行は削除され、緑で強調表示された行は追加されます。
本機能自体、日本語にも対応していますが、執筆時点では国内リージョンのアカウントでは使用できません。クロスリージョン推論を有効化することで国内のアカウントでも使用可能です。
詳細は以下をご参照ください。
June 03, 2025 — Workspaces in Snowsight — パブリックプレビュー
Snowflake で使用できる統合開発環境である Workspace がパブリックプレビューとなりました。
公式ドキュメントからの引用ですが、下図のような構成で Git リポジトリとの統合もサポートしています。Copilot inline や dbt Projects on Snowflake などワークスペースでのみ利用可能な機能も提供されています。
詳細は以下をご参照ください。
June 02, 2025 — Snowflake Cortex AISQL — パブリックプレビュー
SQL に統合された AI 機能として Cortex AISQL 関数がリリースされました。あわせて以前から提供されていた LLM 関数もここに統合されています。
AISQL関数として以下が提供されています。
- AI_COMPLETE:指定されたテキストまたは画像に対してレスポンスを生成
- COMPLETE 関数のアップデート版の位置づけ
- AI_CLASSIFY:テキストまたは画像をユーザー定義のカテゴリに分類する
- CLASSIFY_TEXT 関数のアップデート版
- 一部リージョンでは画像分類にも対応
- AI_FILTER
- テキストまたは画像入力に対して True または False を返す
- JOIN 句でも使用でき、定性的な関連性に基づいて結合することができる
- AI_AGG
- テキストカラムを集約しユーザー定義のプロンプトに基づいて洞察を返す
- AI_SUMMARIZE_AGG
- テキスト データの列を要約
- AI_SIMILARITY
- 2つの入力間の埋め込み類似度を計算
- テキストと画像の両方の類似度計算をサポート
特に特徴的な関数として新たに追加された AI_FILTER と AI_AGG はこれまでにない、定性的な結合や集約を行えるという点で注目の機能です。
実際の動作例は以下の記事で紹介されていますので、こちらもあわせてご覧ください。
Behavior Change Log
単一要素パスワードサインインの廃止に向けた計画
セキュリティ体制を強化するため、Snowflake でパスワードを使用するすべてのユーザーに対して多要素認証(MFA)が必須となります。これらの変更は、複数の動作変更リリース(BCR)を通じて展開されます。
単一要素パスワード サインインの廃止のタイムラインと対応する BCR については以下のページにまとめられています。
直近導入(デフォルトで無効化)された 2025_04バンドルにて、すべての Snowsight ユーザー(新規および既存)に対する MFA が必須となります。
この時点では、Snowsight を使用して MFA に登録した後でも、BI などのツールから Snowflake サービスへのアクセス時に、引き続き単一要素パスワードを使用できます。また、認証ポリシーによる一時的な回避も可能です。
2025_04 バンドルが提供開始 ※デフォルトは無効化
9.17 (2025/6/23 - 2025/6/30 リリース)で、2025_04 バンドルが提供開始となりました。先に挙動を確かめたい場合には手動でバンドルを有効化してテスト可能です。
このバンドルは、2025年8月のリリースでデフォルトで有効化される予定となっています。
2025_03 バンドルがデフォルトで有効化
9.17 (2025/6/23 - 2025/6/30 リリース)で、2025_03 バンドルがデフォルトで有効化されました。このバンドルは、2025年8月のリリースで一般的に有効化される予定となっています。
2025_02 バンドルが一般的に有効化
9.17 (2025/6/23 - 2025/6/30 リリース)で、2025_02 バンドルが一般的に有効化されました。
おまけ:Modern Data Stack全般の最新情報
Snowflakeも含め、Modern Data Stack 全般の最新情報についても、定期的にブログにまとめて投稿されています!こちらもぜひご覧ください。