[レポート]CTOが語る! スケールするプラットフォームのアーキテクチャーと開発運用 〜 SORACOM Inside 〜 – SORACOM Technology Camp 2020 #SORACOM
「SORACOM Technology Camp 2020」のセッション「CTOが語る! スケールするプラットフォームのアーキテクチャーと開発運用 〜 SORACOM Inside 〜」に関する視聴レポートです!
2020年11月に開催されたイベント「SORACOM Technology Camp 2020」で行われた以下のセッションに参加しましたのでレポートしたいと思います。
セッション情報
概要
ソラコムは、多数のデバイスが接続するIoTシステムを対象に、スケールするプラットフォームを提供しています。本セッションでは、SORACOMの設計思想、内部構造に加え、短期間で矢継ぎ早にサービスをリリースし、グローバルにサービスを展開しているSORACOMの開発・運用手法を解説します。
スピーカー
安川 健太 様
株式会社ソラコム
最高技術責任者
2017年当時
- 2017年のソラコム主催カンファレンス「「IoT Technology Conference if-up 2017」当時の状況を振り返り成長の過程を見ていく
- 当時の資料は下記
IoTスケールなプラットフォーム
- バランスを心がけている
- 3つのシステムからなる
- Dipper、Polaris、Hubble
PolarisとDipper
- マイクロサービスが並んでいる総称がDipper
- API Gateywayでまとまっている
- ホライゾンスケーラビリティ
- サーバを増やしてスケーラビリティ
- SPOFがない構成
- Polarisについても適用されている
- DDB採用していて、ホライゾンスケーラビリティ、ビルトインレジリエンスを備えているのが特徴
2017年から現在までの状況の変化
- サポートする国・地域も増えてきた
- 2017年と比較してデバイスも200万に増えてきた
- サービスも拡充されてきた
- 当時からの原則に則り改善と拡張を繰り返してきた
プラットフォームの進化
- Aries、Leo、Capricornというシステムの追加
- HLR/HSSという位置情報の登録などをおこなっているのが Leo
- SMSCの実装が Carpricorn
- これにより独自SIMの発行などができるようになった
- Kryptonの発表につながる
- そしてソラコムモバイル、サブスクリプションコンテナのサービス
- 当時はEC2だったが、今は Fargate に進化
- アイコンも新しくした
- アーキテクチャの利点を生かした実装
- 各システム間は API で連携
- コンポーネントごとの再配置ができる利点
ローミング通信の課題
- ローミング通信の課題
- コアネットワークがドイツにある
- USのデバイスにつなぐにもドイツを経由してしまう
- ランデブーポイントで折り返すようにして遅延を解決
- アメリカにはアメリカ用の Polaris を用意してランデブーポイントとして利用
5G MEC実証実験
- 5G MECコンセプト
- Mobile Edge Computing
- セルラーコアネットワークに近いところにアプリケーションサーバを置ける環境を用意
- セルラー端末からクラウドまで行って返る遅延を削減する
- AWS Wavelength
- キャリア網内にWavelengthゾーンを用意してアプリケーションをデプロイできる
- セルラー端末から低遅延でアプリケーション利用できる
- KDDI様と一緒に実証実験している
- Polarisの部分を Wavelength に持っていく
- コンポーネントの再配置を活かす
- 5Gからやってくる通信をクラウドまで届けず、Wavelengthゾーンで終端して低遅延化
- AWS Outposts
- 5G MECの環境をOutpostsでできないか検討していた
- 親会社のKDDI、AWS, Verison
- これまで関わってきた3社が一同に会しているので感慨深い気持ちだった
監視・運用システム Hubble
- 監視に必要な様々な機能を提供
- システムをグローバル化して多くの国で利用してもらうための課題
- 特定の国で発生した問題を検知できない
- ラズパイタワー
- ラズパイにソラコムのSIMを挿入して利用
- 各国のオフィスに配置してコネクティビティを監視
- 拠点がないところは?
- 外部のサービスを使ってローミング監視
- 随分遠くまできたなという思いと共に、まだまだ「Still Day One」
質疑応答
- AWS上でモバイルコアを運用するうえで一番重要だと思われるポイントを教えていただけませんでしょうか
- たくさんあるけど、1つはAWSの特性、ベストプラクティスを理解して正しくアーキテクティングすること。
- 過去の経験で学んだことや最新の内容を適用して作っていった。障害があってもすぐに置き換えられるようにした。
- 方針としてAWSの新機能を積極的に活用した。それにより我々の開発も前に進んでいく恩恵がある。
- システム名ってどうやって決めているんでしょうか。サービス名と同じような感じですか?
- 色々です。皆で議論しながら決めてる。紛糾することも。
- デバイスがどのランデブーポイントに接続するかはどこで判断しているのでしょうか?デバイス、基地局、SORACOM?
- 国やオペレータが分かるので、それをベースに判断。アメリカ国内ならアメリカというロジック。
- AWS Wavelength x 5G MEC 実証実験の、確認しようとしている
ポイント(狙い)を教えてください。
- IoTのユースケースの中でお客さんが活用できるポイントを探している。何社かパートナー入っているが、いいユースケースを一緒に見つけていければと思ってて、そういう観点で実証実験している。
- 低遅延というのもどういう点で役立つのかということを確認している。
- Discoveryのときに安川さんの登壇は事前収録した動画だったというのがイベント終了間際にバラされてましたが、今回はLiveだったのでしょうか?
- 質問に答えているのでLIVEですね。本編はどうだったでしょうか。冒頭で話したVRの中でお話しましょう。
- セルラーのコアネットワークとかSIMとか特殊な知識が必要な技術が多いと思いますが、エンジニアの方はその業界の経験者の方が多いんでしょうか?
- 必ずしもテレコム業界のエンジニアばかりではない。クラウド業界の方が多いかもしれない。
- 業界の専門家もいるし、みんなで力を合わせてテレコムシステムを作ろうとしています。
- OpsDevという言葉が出てきましたが、よく聞くDevOpsとは違うんでしょうか?
- DevOpsという言葉から来てる。開発しながら運用もしてるDevOps。
- 運用を中心に考えて必要なツールやシステム構築をやっていく。そういうチームやエンジニアのことをOpsDevとよんでいる。
最後に
これまでの変遷をたどりながら、裏側のアーキテクチャに関する紹介もありとても興味深い内容でした。
本編の動画が下記で公開されいるので、興味がある方はぜひご視聴いただければと思います。
以上です。