【セッションレポート】AWSではじめるSAP HANA入門 #cmdevio2015F
こんにちは、城内です。 今回は、Developers.IO 2015 Developer Dayのテクニカルディープセッションのセッションレポートです。
セッション情報
- セッション名:AWSではじめるSAP HANA入門
- スピーカー:SAPジャパン株式会社 松舘 学氏
スライド
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SAP HANAの使用例
ドイツのサッカーチームがSAPのマッチ・インサイトという分析システムを使って、試合の分析を行っていたらしいです。通常、手作業でのメモですと2000プレーくらいしかデータとして取れないのが、現在はカメラを利用して2万レコードもの情報を取得し、SAP HANAで分析を行っているとのことです。日本でも、FC IMABARIが同様のシステムを利用しているとか。
また、F1のレース分析でも使用されているようです。車体に付いているセンサーからブレーキやエンジン等の情報を収集し、リアルタイムに分析をしてレースの戦略に役立てているとのこと。だいたい1レースで2GB程度のデータ量があり、昔はレース後に1日がかりで分析していたものが、現在はリアルタイムでできるようになったそうです。
その他、NBAやマーケティング等でも使用されているとのことです。
SAP HANAとは
従来のエンタープライズシステムは、実行系と分析系のシステムが分かれており、キャンペーンを実施した際などには分析が後日になっていたが、SAP HANAを使用することでリアルタイムな分析が可能になり、即座に新たな手を打つことができるようになります。
また、シンプルがキーワードで、SAP HANAがいろいろな機能を持つ統合プラットフォームのような形になっていくようです。DBサーバ、統計解析、APサーバが一つになり、それぞれが別になっていた場合の無駄をなくすとのこと。
参考例としては、バーバリーで、お客様の情報(来店時に来ている服装等)を入力すれば、それを分析して適切なアドバイスをしてくれるモバイルアプリを導入しているようです。
SAP HANAを使用してみよう!
AWS上でも、マーケットプレイスからSAP HANA Oneというサービスで展開しているようです。Tokyoリージョンでも使用可能で、SAP HANA自体のライセンスは$0.99/h。EC2はIOPS性能が必要なため、少し大きめのインスタンスを選んで、全部でだいたい$4/h程度らしいです。
ただし、SAP HANA Oneはお試し版らしいので、使用できる最大メモリが60GBまでになっているそうです。本気で使用したい場合は、SAPからSAP HANAのライセンスを購入し、BYOLで使用すれば、最大1.22TBまでメモリが使用可能とのことです。
まとめ
- SAP HANAは、DBサーバ、統計解析、APサーバの機能を持つ統合プラットフォーム
- なんでもリアルタイムに分析可能
- AWS上で、SAP HANA Oneを使用してお試しができる
※5/20(水)に開催予定の「SAP Tech JAM」というイベントで、さらにDeep Diveが可能(ハンズオンあり)
Q&A
- 質問:SAP Business Suiteからのデータ取り込みは、SAP Lumiraでないと取り込みはできないのか?
- 回答:もちろんSAP BIやSAP Lumiraを使用すること可能であるが、サードパーティーのBIツールを使用してもらうことも可能。ただ、SAP HANA上で動いているSAP ERPに関して言えば、それがそのままDWHの機能も果たすので、データの移動は不要。
- 質問:アクセスログ等静的ではないデータを取り入れるには?
- 回答:まず、データ取り込みについては、入れるデータによってETLツールやスマートデータアクセス、バイナリにも対応している。また、途中で型が変わっても、列の追加削除が容易にできるので基本的に対応可能です。
感想
SAP HANAといえば、インメモリーデータベースでデータ分析に強いイメージでしたが、実はAPサーバの機能も持っていて、SAP HANAだけでアプリが組めるなんてすごいですね!サッカーやF1での使用例でもありましたが、リアルタイムにデータ分析ができて、それを参考にすぐに戦略を練れるなんて、すごい時代が来たものです。