[感想]「THE TEAM 5つの法則」を読んで。 〜仕事に限らず、チームで何かをしている人にオススメの本です〜
はじめに
サーバーレス開発部の藤井元貴です。
気になっていたTHE TEAM 5つの法則を読んだので、簡単ですが感想を書きます。(こういうの書くの初めてでドキドキ)
大小の規模はあれど、チームを組んで仕事やスポーツなどをしている人はたくさんいると思います。
「これは良いチームだ。みんなと一緒に働けて楽しい。」と思えるチームがある一方で、「このチームはなんか嫌だ。楽しくない。」と思ってしまうチームもあります。
個人的に、ダメな理由は言語化できても、良い理由は言語化が難しいです。「本当にソレが良いからなのか?」と立ち止まってしまいます。
THE TEAM 5つの法則では、チームに向き合う法則が述べられており、非常に面白くかつ興味深く読み進めることができました。
章 | 法則 | ひとこと |
---|---|---|
第1章 | Aim(目標設定)の法則 | 目指す旗を立てろ! |
第2章 | Boarding(人員選定)の法則 | 戦える仲間を選べ |
第3章 | Communication(意思疎通)の法則 | 最高の空間をつくれ |
第4章 | Decision(意思決定)の法則 | 進むべき道を示せ |
第5章 | Engagement(共感創造)の法則 | 力を出しきれ |
下記の目次で気になる項目があれば、手にとって読んでみるのはいかがでしょうか。
目次
かなり細かいですが、目次をすべて載せます。この内容からでも、興味が溢れてきます。
主要な章が「Method(法則)」「Episode(具体的事例)」「まとめ」「チェックリスト」で構成されており、とても分かりやすい構成になっています。
「まとめ」と「チェックリスト」があるため、忙しい時でもすぐに振り返ることができるので、嬉しいですね。
- はじめに 売上、時価総額を10倍にした「チームの法則」
- チームを科学する
- 誰もがチームを誤解している
- この国に必要なのは、チームという武器
- チームの法則がもたらせた奇跡
- すべての人に『THE TEAM』を
- 第1章 Aim(目標設定)の法則 [目指す旗を立てろ!]
- Method(法則)
- 「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」
- 「目標を確実に達成するのが良いチームだ」 という誤解
- あなたのチームは何を目標にするのか?
- 意義目標がなければ作業と数字の奴隷になる
- Episode(具体的事例)
- 「新幹線お掃除の天使たち」
- 「サッカー日本代表南アフリカワールドカップ ベスト16」
- 第2章 Boarding(人員選定)の法則 [戦える仲間を選べ]
- Method(法則)
- チームで最も大切なメンバー選びとメンバー替え
- チームは必ず4つのタイプに当てはまる
- 人が入れ替わるチームは本当に駄目なのか?
- チームには多様性が必要だという誤解
- 「ゴットファーザー」より「オーシャンズ11」型のチームが強い
- Episode(具体的事例)
- 「AKB48のCD売上枚数記録 女性アーティスト歴代1位」
- 第3章 Communication(意思疎通)の法則 [最高の空間をつくれ]
- Method(法則)
- 実はチームのコミュニケーションは少ない方が良い
- ルール設定の4つのポイント
- ルール1 ルールは増やすのか、減らすのか?
- ルール2 誰が決めるのか?
- ルール3 どこまで責任を負うのか?
- ルール4 何を評価するのか?
- ルール5 どれくらい確認するのか?
- コミュニケーションを阻むのはいつだって感情
- 「理解してから理解される」 という人間関係の真実
- チームメンバーの人生を知っているか?
- 相手の特徴を知らなければコミュニケーションは成立しない
- 「どうせ・しょせん・やっぱり」がアイデアを殺す
- 己をさらして心理的安全をつくり出す
- 時代に求められるのはルールよりもコミュニケーション
- Episode(具体的事例)
- 「ロンドンオリンピック女子バレーボール 銅メダル」
- 「ジョン・F・ケネディのキューバ危機回避」
- 「ピクサーの初登場連続1位記録」
- 第4章 Decision(意思決定)の法則 [進むべき道を示せ]
- Method(法則)
- 誰も教えてくれない意思決定の正しい方法
- 「独裁」vs「多数決」vs「合議」
- 合議はスピードとセット
- 「正しい独裁」はチームを幸せにする
- 独裁者が持つべき「影響力の源泉」
- Episode(具体的事例)
- 「NASAアポロ11号 月面着陸」
- 「シンガポールの経済成長」
- 第5章 Engagement(共感創造)の法則 [力を出しきれ]
- Method(法則)
- 超一流でもモチベーションに左右される
- モチベーションを科学する〜気合いで人は動かない〜
- チームのどこに共感させるか
- エンゲージメントを生み出す方程式
- 今の人は「感情報酬」で動く
- Episode(具体的事例)
- 「AKB48の熱狂的エンゲージメント」
- 特別収録 チームの落とし穴 〜あなたのチームは足し算か、掛け算か、割り算か?〜
- チームが崩壊する落とし穴
- 「自分1人くらい」という落とし穴
- 「あの人が言っているから」という落とし穴
- 「みんなが言っているから」という落とし穴
- 「あの人よりやっているから」という落とし穴
- 最終章 私たちの運命を変えた「チームの法則」
- Aimの法則はビジネスモデルそのものを変革した
- Bordingの法則は最高のメンバーを連れてきた
- Communicationの法則はメンバーの心を通わせた
- Decisionの法則は進むべき道を示してくれた
- Engagementの法則は全力で走る力を与えてくれた
- 「チームの法則」が私たちにもたらしたもの
- 終わりに チームから組織へ
- 組織を変えるのはあなた
- 私は「組織」を産業にする
- 最後に 〜『THE TEAM』というチームへ〜
感想
第1章 Aim(目標設定)の法則 [目指す旗を立てろ!]
「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」とあるように、本章ではチームの定義から定めています。それは「共通の目的」があるかどうかです。 そのうえで、「目標を適切に設定すること」の大切さと具体歴が書かれています。
「目標は数値で(定量的に)立てろ」とよく言われると思いますが、ただ数値を定めるだけでなく、その先の「意義目標」までしっかり考えることが大切だと思いました。
第2章 Boarding(人員選定)の法則 [戦える仲間を選べ]
「チームづくりに絶対解は無い。あるのは最適解だ。」とあるように、チームを「環境変化度合い」と「人材連携度合い」の2軸を用いて、4種類に分類して紹介しています。
- サッカー型
- 野球型
- 柔道団体戦型
- 駅伝型
今は「環境変化度合い」が大きいため、メンバー選びは入り口のハードルを下げて、メンバーを入れ替えながら活動していく方が良いとのこと。 「慣れた作業のほうが生産性は高いよなぁ」とも思いつつ、色々な考えがあるのだと勉強になります。
第3章 Communication(意思疎通)の法則 [最高の空間をつくれ]
「ある程度まではルールを設定し、それ以上はコミュニケーションで担保する」というのは、好きな考え方です。
極端な例ですが、「何をするにも申請書や提案書などを書いて上司に提出し、承認をもらってから初めて行動」といったチームは息苦しいです。 (そのチームにとって)最低限のルールがあって適切なコミュニケーションができるのは、確かに良いチームだと思います。 また、評価の観点からもルール作りのポイントが書かれており、面白かったです。
そして心理的安全性も登場しました。もはやこれ無しでチームは語れない時代なのですね。
クラスメソッドでは、異なる背景・経歴等を持つ人が集まってチームを組んでいるため、コミュニケーションは重要です。 その中で「無駄なコミュニケーション」を無くし、「お互いを理解するコミュニケーション」や「安心して意見を言える場作りのためのコミュニケーション」を増やす必要性・重要性を改めて認識しました。
第4章 Decision(意思決定)の法則 [進むべき道を示せ]
チームの意思決定には、「独裁」「多数決」「合議」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
合議で決める場合は「どの選択肢を選ぶのか?」ではなく、「選択肢を選ぶ基準をどうするか?その優先順位は?」の重要性が述べられています。 納得感が高いのと同時に、すぐに使えるとも思いました。
(正しい)独裁は、「AでもBでもどちらでも良い、単なる決めごと」を話し合って時間を無駄にするぐらいなら、「これにしましょう」と決める人がいると良いですね。これは経験談としても納得です。
「意思決定者は反対や孤独を恐れずに、1人で決めよ。しかし、メンバーは意思決定者を孤独にするな」
この一言が、強く印象に残っています。
第5章 Engagement(共感創造)の法則 [力を出しきれ]
モチベーションを「ある行動を選ぶ理由」と定義し、チームに貢献しようというモチベーションを「エンゲージメント」と呼んでいます。
- Philosophy(理念・方針)
- Profession(活動・成長)
- People(人材・風土)
- Privilege(待遇・特権)
「自分にとってどれが魅力なのか?」を明確にし、その観点からチームを選ぶ大切さを認識しました。 クラスメソッドにエントリーするとき、無意識的にもこのあたりは気にしていたなぁと思っています。
そして、このエンゲージメントを求める方程式も紹介されています。
- エンゲージメント = 報酬・目標の魅力(やりたい) × 達成可能性(やれる) × 危機感(やるべき)
以前に「Will、Can、Mustが同じ方向にあるときに高いパフォーマンスが発揮できる」という趣旨の言葉を見た記憶がありますが、このことだったのか、と繋がりました。
さいごに
THE TEAM 5つの法則を100%理解できたわけでは無いため、これから自分の中に落としこんでいこうと思います。
紹介されている法則を闇雲に適応するのではなく、その背景や意図する所を理解して適応していきたいです。 常に手元においておき、いつでもすぐ見直しできるようにしておきます!