11月28日開催のTwilio CX Innovationに参加してきました

11月28日開催のTwilio CX Innovationに参加してきました

11月28日に行われたTwilio CX Innovation Nightに参加してきました
2025.11.28

こんにちは、昴です。
11月28日に行われたTwilio CX Innovation Nightに参加してきました!今回はこちらのイベントで発表された各セッションの内容を詳しく見ていきたいと思います。

イベントについて

Twilio CX Innovation Nightとは、顧客体験の未来を創るビルダーやデジタル担当者の方々を対象に、最新のイノベーションや活用事例を共有する特別な機会になっています。

  • 時間 17:00~18:00
  • 場所 グランドハイアット東京

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今回は、Twilioの最新プロダクト紹介に加え、実際にTwilioを活用されている企業様からの事例発表、そしてビルダー対談という充実した内容でした。

セッションについて

Twilioプロダクトセッション

AIエージェント時代に求められる顧客体験とアイデンティティ基盤

2025年を振り返ると、スピードと利便性+信頼性が求められる年だったとのことです。特に電話についてのシステム変革とAgentic AIの到来が大きなトピックとなりました。
興味深かったのは、当初は「AIを使って何かしてみよう」というレベルのお客様が多かったものの、現在では実際にリリースまで進んでいる事例が増えているという点です。

カスタマーサポートにおける離脱率の実態

カスタマーサポートの離脱率について、以下のような順序で離脱率が変わるというデータが紹介されました。人間の担当者との通話が最も離脱率が低く、人間とのチャット、AIチャットボットと続き、自動音声が最も離脱率が高くなります。
また、日本では満足度が低い傾向にあるとのことですが、これは日本人がカスタマーサポートに求める期待値が基本的に高いためとのこと。つまり、日本の消費者がAIに求めるのは文脈理解と自然な会話なのです。

新機能の紹介

ここで活躍するのがConversationRelay(やっぱり強い!)とのこと。さらに、新たにリリースされた機能が紹介されました。
Conversational Intelligenceは、文字起こし機能、言語分析、REST APIやWebhookでの連携が可能です。
Agent Copilot(Private Beta) は、Flexでのリアルタイム文字起こし、要約機能、感情分析が可能になります。
アイデンティティ基盤の強化
セッションタイトルにもあった「アイデンティティ」についての話として、Stytch(スティッチ)の買収が発表されました。TwilioがStytchを買収したことで、AIエージェントのアイデンティティを強化することが可能になります。AIエージェントを識別・認証する能力があり、今後の展開が楽しみです。
セッションの締めくくりとして、Twilioはコミュニケーションの未来を構築し、顧客エンゲージメントを次のレベルへと導いていくとのメッセージがありました。

「タクシーアプリ『GO』における音声通話活用事例」

GO株式会社様からのセッションです。

アプリについて

GOアプリは、タクシー車両とのリアルタイムの位置情報連携と高度な配車ロジックで「早く乗れる」を提供しているタクシーアプリです。ニーズに応じた豊富なオプションも充実しています。

解決したかった課題

タクシーが到着してもお互いに見つけられない問題がありました。これを解決するため、まずは乗務員からユーザーに電話をかける機能をリリースしました。定型文でのコミュニケーションとは違い、必要に応じた柔軟なコミュニケーションが可能になったことで、ユーザー体験が大きく向上しました。

双方向通話の実現

要望を受けて、2024年にはユーザーから乗務員に通話する機能もリリースし、双方向通話を実現しました。ここで課題となったのが、複数タクシーを呼んだ時に同じタイミングで電話がかかってくる可能性があるという点。この問題をTwilioで解決しました。
GOアプリではVoice SDKを使って双方向通話を実現しており、顧客電話番号から運転手アプリへ、運転手電話番号から顧客アプリへの通話が可能になっています。

音声通話の独自アプリ実装のメリット

Twilioを活用することで、ユーザーのプライバシーを守ることができ、運転手が自身の携帯を使わなくてよいというメリットが得られました。これらを柔軟に実現できるのがTwilioの強みです。

「電話リレーサービスとヨメテルの通信基盤を支える "Twilio" 活用事例」

一般財団法人日本財団電話リレーサービス様からのセッションです。

サービスについて

電話リレーサービスとヨメテルは、法律に基づいた公共インフラです。電話リレーサービスは、聞こえない人(聴覚や発話に困難のある人)と聞こえている人との会話を通訳オペレータが通訳することにより、電話で繋がることができるサービスです。

ヨメテルの文字起こしの仕組み

ヨメテルでは、TwilioのMedia Streamsを使用してリアルタイムの文字起こしを実現しています。デモを拝見しましたが、リアルタイムの文字起こしのスピードと言葉の精度が非常に良いと感じました。特に、利用者側での双方向文字起こしは、すごく便利そうでした!

同一050番号での複数サービス提供

もう一つTwilioで活用しているのが、両サービスを同一の050番号で利用する仕組みです。同一の050番号からTwilio Webhookを経由して、電話リレーサービスかヨメテルに振り分けられます。この仕組みにより、4つのコミュニケーション方法で着信を受けることが可能になっています。

ビルダー対談:「変化する顧客エンゲージメントの最前線」

顧客エンゲージメントの変化

時間をかけて顧客のエンゲージメントが変わってきており、顧客体験で求められるものが時代に応じて変わってきているとのこと。コロナ禍を経て、音声よりもビデオが求められるようになったり、コールセンターではマルチチャネルが当たり前になったりしました。今後、RCS(Rich Communication Services)などが日本で広がっていけば、新しいチャネルも生まれてくるでしょう。

体験設計の課題と今後の展望

ヨメテルは現状スマホでしか利用できないため、もっといろんな人が使えるようにしたい(ブラウザ版など)とのこと。また、点字を使ったチャネルはまだ実現できていないため、今後の課題となっています。1つのゴールとしては、お客様が望んだチャネルを望んだ形で実現することです。

言語が違うお客様への対応

海外からのインバウンド(日本語が話せない方)への対応について。日本で展開しているサービスのため、日本人向けになってしまう部分はあるものの、国内向けかインバウンドの方向けかで、作り方がまた別になっていくとのことでした。

会場に向けたアドバイス

電話リレーサービス様からは、サービス提供していくうえでいろんな意見があり、すべてすぐに反映はできないけど、受け止めて整理し、ブラッシュアップするのが大事とのアドバイスがありました。
GO様からは、プロダクトで重視するところはみんな違う。ビジネス、エンジニア、デザイナーなど、立場によって重要視する点は異なるため、お互いに意見・思ったことを受け入れて理解していくのが大事とのアドバイスがありました。

まとめ

今回は11月28日に参加したTwilio CX Innovation Nightについて、各セッションの内容を詳しく見ていきました。
特に印象的だったのは、AIエージェント時代における文脈理解と自然な会話の重要性、GOでの実践的なVoice SDK活用事例、公共インフラとしてのTwilio活用(電話リレーサービス・ヨメテル)、そして顧客エンゲージメントの変化と多様なチャネルへの対応といった点です。
Twilioの最新機能であるConversational IntelligenceやAgent Copilotなど、今後の顧客体験をさらに向上させる技術が次々と登場しており、非常にワクワクする内容でした。
今後もTwilioのイベントに参加し、アップデートを継続的にキャッチアップしていきたいです!

補足

過去イベントまとめ

Twilio CX Innovation Nightに参加してきました
Twilio CX Innovation Night Part 2に参加してきました

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