Tableau 10 ロードショー 東京:事例セッションレポート(ガリバーインターナショナル様『事業拡大と事業加速の両立』) #tableau

2016.06.22

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2016年06月20日(月)に開催された『Tableau 10 ロードショー 東京』、参加申込人数は1000名を超え、当日も非常に多くの方々が参加して盛況のうちに幕を閉じました。当エントリはブレイクアウトセッションの1つ、株式会社ガリバーインターナショナル様の取り組みに於ける内容をレポートしたいと思います。

ブレイクアウトセッション: 事業拡大と事業加速の両立 (株式会社ガリバーインターナショナル様)

基調講演セッション後に参戦したのはこちらのガリバーインターナショナル様の事例セッション。『事業拡大と事業加速の両立』というタイトルで、株式会社 ガリバーインターナショナル 3Dルーム チームリーダー 光田 奨氏に、これまでの業務の取り組み方、そしてTableauを使ってどのように業務を変革・改善して行ったかを語って頂く内容となりました。

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株式会社 ガリバーインターナショナル様(以下、ガリバーインターナショナル)については、少し前にTableau社のサイトでも事例として公開されているものがありますので、当エントリの内容と併せてご覧頂けますと幸いです。

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ガリバーインターナショナルがTableauと出会ったのはおよそ2年前。『これイケてるね、使ってみてよ』という声を受けて使い始めたのが始まりで、光田氏自身のTableau歴は約1年半。現在は『3Dルーム』という、社の事業拡大を行っていく中で出てくる歪みや課題に対して、横軸を通す形でまるっと対応・サポートして行くチームのリーダーとして日々の業務にあたっている光田氏は『どういう課題に直面し、どういう風に乗り切っていったかについてお話していきたい』とコメント。また、併せて『今回、Tableau社の皆さん、またクラスメソッド株式会社の皆さんにサポート頂きました』とコメントを頂きました。(実はこちらの件に付きまして、弊社にて環境構築及び関連技術コンサルについて御協力、サポートさせて頂いておりました。光田様、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます!

1994年、不透明だった中古車の下取りや買い取りに透明性をもたらしたい、という思いを掲げてきたガリバーインターナショナル。中古車の買収事業でこれまで約20年間、同じビジネスモデルでやって来た、というよりも"やって来れた"と光田氏は語りました。しかし、3年位前から次第にこのビジネスモデルにも限界を感じつつあり、また、本社部長職に於ける構成比率についても、75%近くが店長職という状況。これらの要因を鑑み、ガリバーインターナショナルは多角化への道へと舵を切り始めます。

取り組みの結果、この割合を(75%から)54%に減少させる事が出来ました。そして新たな側面・状況が浮かび上がります。今まで感覚値であった部分、また共通言語として使っていた用語等が通じなくなって来たのです。当たり前と思っていた事が当たり前で無くなってきた。新しい仲間が増えた一方で組織風土にまつわる上記の様な状況や課題が山積する中でTableauと出会う事になります。

光田氏はTableau導入に至った幾つかの理由を述べました。1つはデータや言語、ビューを統一して対策を打っていく事でPDCAサイクルを高速させたかったという点。そしてもう1つはTableauを導入しユーザー分析を実施、学習週コストを掛けて『老害化』を防止したいという思い。ディスカッションの席ではベテランの方の声がやはり強くなってしまうものですが、『(ベテランの方々の)常識や言語が通じなくなって来た』という状況を鑑み、採用に踏み切ったという事でした。Tableauを利用する事で技術的なところだけでは無く、"ビジネス"を利用者に理解してもらうという意図もありました。

色々な販売チャネルが増えた事でビジネスモデルも複雑化して来ます。"攻め手"は増えて来たのに儲からない、という局面も出て来ます。また、分析したいのだけれども、あのデータとこのデータが繋がらない、という事も往々にしてあるものです。いざ箱を開けてみると独自マスタの数々、増築に次ぐ増築、入り組んだ除外条件、データ形式の問題、そもそも関連する定義書が無い...等などそれぞれが『ガラパゴス』な状態になってしまっており、光田氏としても『これは誰かが腹を括ってやるしかないな』と実感したそうです。

そんな中で、光田氏は『弊社は幸い、推進体制を取って頂いたので良い方向に進める事が出来ました』としつつ『お客様の中には、"出来るだろう?簡単に行けるだろう?"とお思いの方がいらっしゃるかと思いますが、決してそう簡単に行くものでもないのです。ITであれビジネスであれ、きちんと現状を分かる粒度で説明し、コンセンサスを取って進めて行く事がなにより重要です。そして周りもその活動を、旗振り役のリーダーをサポートしてあげてください。でないと失敗すると思います。"ガリバーさんの(データ)状況でもそうなんだ..."という事を知って頂ければと思います』と、推し進め方と周囲のサポートの重要性を当セッション内でも最も強調すべきポイントとして挙げていました。

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Tableau導入後の成果としては、出店精度や集客改善、商品配置精度において向上が見られました。暫くは負け続けていた時期もありましたが、Tableauを使ってその情報を分析し、色々試行錯誤を行っていく事で『可能性のカケラ』を拾う事が出来、今では8割位の勝率まで持って行けているのだそうです。分析用語等難しい言葉を使わずに、ざっくりベースででも伝える事が出来る情報、即ち"可能性のカケラ"を見つける上で有用なツールである、と実感を持ってコメントしました。

そんな光田氏もTableau バージョン10の新機能については注目しているようで、『クラスタリング』機能については驚きと嬉しさの表情で実利用を心待ちにしていました。またGoogle Sheet対応についても早速使って行きたいとコメント。『Tableauを使って、上司と部下が健全に議論出来る場を作っていきたい。そして、事業を分析して行くために、Tableauを"武器"として若い人達、目の前の店長達に持たせて行きたい』とTableau活用の更なる推進を誓いました。

最後に光田氏は7/15に控えている社名変更について触れ、『ガリバーインターナショナルはこれからも挑み続けて行きます。一緒にやろうよ!というお客様が居ましたら是非ご連絡ください』と呼び掛け、セッションを締めました。

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まとめ

という訳で、Tableau 10 ロードショー@東京、ガリバーインターナショナル様の事例セッションレポートでした。セッション内で言及されていた機能を始め、Tableau 10では非常に便利な機能が続々と出て来ている印象があります。弊社としても、よりお客様が有効活用出来るよう、サポートや情報発信を継続して行かねばという思いを新たに致しました。こちらからは以上です。