Tableau 2018.3 新機能紹介:セットアクション登場! #tableau

この機能は「データを見て判断する側の人」のための機能だと思いました。
2018.10.31

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はじめに

こんにちわ。DI部@大阪オフィスの玉井です。

Tableauのバージョン2018.3が正式にリリースされています!すでにベータ版の時点でいくつか新機能紹介のエントリを投下済ですが、引き続き新機能についてのエントリを投下していきたいと思います。

今回は「セットのアクション」について見てみます。こちらはTableau Conference等で、何度か実際にデモが行われた機能ですが、会場の反応が比較的高く、期待していたユーザーも多いものではないでしょうか。とはいえ、実際にはどういう風に使用していいのか、なかなかとっつきにくい?感じもする機能です。

本エントリでは、Tableau公式ヘルプの例を2つピックアップして、実際にやってみつつ、本機能を紹介しようと思います。

Proportional Brushing(グラフの色分けを動的に)

サンプルデータストアを使用します。

下準備

売上の合計と顧客区分を使用した棒グラフを作成します。

別途シートを新規作成し、今度は売上×サブカテゴリの棒グラフを作成します。

「顧客区分」のセットを作成します。設定は何もせずに作成します。

作成したセットを「サブカテゴリ」を使っている方のワークシートの「色」にドラッグします。

ダッシュボード作成&セットアクション作成

ワークシートの作業は上記で終わりです。次はダッシュボードを作成します。今までで作成した2つのワークシートを組み込みます。

そして、上部メニューの「ダッシュボード」→「アクション」のメニューを選択します。ここで新規アクションを追加するのですが、今回新しく追加された「設定値の変更」を選択します(これが「セットアクション」にあたります)。

下記のように設定します(名称は何でもいいです)。

この状態で、「顧客区分」のグラフを選ぶと、下記のグラフの色分けが、選んだ顧客区分に応じて変化します。

これは「顧客区分グラフ」側で選んだ値がセットになるからです。例えば「大企業」を選ぶと、セットアクションが連動して、「顧客区分のセット」の値が「大企業とそれ以外」となり、その割合に応じて、連動先のグラフ(ここでは「サブカテゴリのグラフ」)が色分けされます。色分けされるのは、先ほど「顧客区分のセット」を「色」に配置しているからですね。そのセットが、セットアクション機能によって動的に変わる…という形になります。

Color scaling(選択した地域に限定してメジャー値を比較する)

公式ドキュメントでは、Global Superstoreというデータを使ってますが、本エントリでは、こちらもサンプルデータストアでやってみます。

下準備

まず「都道府県」のセットを作成します。適当に好きな都道府県を選んで作成してください(この値は、後でセットアクションになって値がコロコロ変わります)。

次に、下記の計算フィールドを作成します。

都道府県をダブルクリックして、日本地図をマッピングします。

セットアクション作成

上部メニュー「ワークシート」→「アクション」を選択し、例のごとく「設定値の変更」を選択します。そして、アクション内容を下記の通りに設定します。

さて、これで何ができるというところなんですが…

現在、利益の大小によって各都道府県毎に色分けされています。これはあくまで47都道府県全体での色分けとなっています。この状態から「一部の地域だけに限定して、その地域内の都道府県だけで利益を比較したい」と思ったとします。そんな時に、今まで設定したアクションが活きてきます。

九州地方を見てみましょう。今は日本全体で見た利益の大小に応じた色分けがなされています。

ここで「九州地方に限定して利益を見たい」とします。単純に九州地方だけ選択してみると、セットアクションが働いて、九州地方の都道府県だけを基準に、利益の色分けがされました!

おわりに

使ってみると、非常に強力な機能だと感じます。これからデータ分析で大事なのは「そのダッシュボードを見る人」だと言われたりしますが、この機能はまさに「データを見る人」に今まで以上にインサイトを与えることができる機能だと思います。どんどん使っていきたいところです。

また、上記ドキュメントには、あと2つ例がありますので、気になる人は試してみましょう。