[レポート] Alteryxで加速するAnalytics Process:Tableau Data Day Out 東京 #tableau
先月の2018年02月28日(水)、ANA インターコンチネンタルホテル東京にてTableauのカンファレンスイベント『Tableau Data Day Out 東京』が開催されました。ランチョンセッションではイベントのゴールドスポンサーであった弊社クラスメソッドの企画セッションとして、株式会社リクルートライフスタイル 前田 周輝 様に『Alteryxで加速するAnalytics Process』というテーマでお話し頂きました。当エントリではその内容についてレポートしたいと思います。
イベントの詳細等については以下をご参照ください。
- 【満席】Tableau Data Day Out - 東京 | Tableau Software
- Tableau Data Day Out - 東京 アジェンダ | Tableau Software
- Tableau Data Day Out – 東京 | シリーズ | Developers.IO
目次
セッション概要
セッション概要は以下の内容となります。
株式会社リクルートライフスタイル Data Product Strategist 前田 周輝 様
セッション概要:
Alteryx を導入して3年。「導入の背景」と「現場のAnalytics Process がどう変わったのか?」 を実際のユースケースも交えながら共有させていただきます。
セッションレポート
ERPベンダー営業、スタートアップを経て株式会社リクルートライフスタイルに入社、Webサイト改善チームのリードとしてデジタルマーケティングやビッグデータインフラ、分析等に取り組んでいる前田様。Tableauユーザー会代表も努め、書籍『Tableauデータ分析~入門から実践まで~』の著者にも名を連ねています。Alteryxの出会いから分析プロセスに於ける課題、そして何故Alteryxを利用するに至ったか等についてお話頂きました。
Alteryxとの出会い
- 2014年09月に参加した『Tableau Conference 2014』のパートナーブースで一際異彩を放っていたのがAlteryxのブースだった。
- Tableau Conference 2014 at Seattle | シリーズ | Developers.IO
(Tableau Conference 2014のAlteryxブース風景)
- その際、同じくイベントに参加していた某クラスメソッド社社長がAlteryxを見て即断即決、買い付けを行っているのを目撃。
- 同年12月には日本国内初となるパートナシップを締結。
- データブレンディング&予測分析ツール『Alteryx』の米国:Alteryx社とのパートナーシップ締結に関するお知らせ | Developers.IO
Analytic Processの課題
- 分析には大きく5つのプロセスがあり、これらのプロセスを1つのチームで行っている。
- 取得
- クレンジング
- 分析
- テスト・最適化
- モニタリング
- 施策の「数を打つ」ためにはプロセスを早く回していきたいのだが、データプリパレーション(準備)の部分に課題があった。
- データを見る場合、仕様を確認する、簡単な加工を施す...だけでは足りない。機械学習プロセスなどを踏まえた『洗練』の作業が必要となる。この部分は施策の"打率"を挙げるためには欠かせない要素。
-
データ準備の"あるある"について:生産性=低、再現性=低、分析者=少
- 煩雑、複雑な作業
- 分散担当出来ない
- 人に集中しボトルネック化
- 分析に集中出来ない。準備が整った頃には疲弊してしまう
- 分析過程で『あのデータや変数が足りない』の気付きから、加工作業へ回帰
- イテレーティブでクリエイティブな作業なのだけれども、なかなか評価されない...
- 忘れたころにやってくる『あの分析の最新版が欲しい』:1回目は頑張るが、2回目以降は自動化させたい
- 上記の様な状況から幾つかの大きな変化が。以下キーワード:
- Citizen Data Scientist
- Self-Service-Data-Analytics
- By Modal (SoR,SoE)
- 働き方改革
- AI
Alteryx社のロゴ脇にも記載されている『The Thrill of Solving』(解決のスリル)というフレーズは前田様もお気に入り。
Why Alteryx?(なぜAlteryxを採用したのか?)
- Tableau Conference 2014 ブースで2時間"かぶり付き"状態
- 質疑応答のレスポンスも迅速、その場でどんどんワークフローが作成され、プロセスを回す仕上がり状態を強くイメージ出来た
- Tableauとの相性が良かった
- Analytics先進企業の採用例が豊富。会場でも高評価
- 帰国してトライアルスタート実施
-
Alteyxは堅調に成長しているというのもポイントが高かった。
- また、ユーザーコミュにティを重視しているところにも注目。
- Alteryx Community
- Alteryx Communityのガイドライン | Developers.IO
- 以下、前田様の感じた「コミュニティの特色」。
- フォーラムの活性度が高い
- コミュニティ機能が使い易い
- ユーザーの互助精神が高い
- オープン
- feature requestが健全
- 製品アップデート頻度が高い
- パートナーエコシステムの充実度にも注目。
- イケてるパートナーがサポート = イケてるソリューション
- APIにより"相互接続性"が高く保たれている
- パートナーのBlogエントリも多い
- ソリューションのカバー領域が増えてきている、というポイントも重要。
- Alteryx Designer | Alteryx
- Alteryx Server | Alteryx
- Alteryx Connect | Alteryx
- Alteryx Promote | Alteryx
ユースケース
#1. Alteryx x Tableau
以下truestar社の事例を筆頭に"鉄板シナリオ"多数。
- 主なポイントは以下。
- Alteryx と Tableau の分担をしっかりイメージしておく
- In-DB 系処理は Tableauの方がシンプル
- Cross Tab, Transpose , Multi-Row は Alteryxを活用
#2.機械学習 × A/B Testing で収益UP
仮設を検証し、直接的な収益インパクトとインサイトの提示など間接的な貢献を推進するチームで活用。
チームが掲げる4つのスタンス
- 1.speed is power
- 2.best-of-breed(スループットが挙がるなら、優れたソリューションは積極的に試そう!)
- 3.freedom & responsibility
- 4.発信と学習(give&take)
- 参考:
Alteryx x DataRobot x Tableauで高スループットの実現
上記ユースケース#2の実現に於いて、プロダクト毎の「担当範囲」を図示したものが以下。「アナライズやモニタリングの部分は範囲が被っているが、これらの"被り"を無くすようにしたい...というのは正直難しい」、「被っている部分については、どのツールを使っていくかという"見極め"が必要」と前田様はコメントされていました。
Alteryx x DataRobot x Tableau実演デモ
今回のセッションでは、この組み合わせで実際にどのように操作を行い、作業を進めているのかについての「実演」デモが行われました。実際はシナリオに沿った形で前田様が事前に収録・編集した動画を流しながら、都度前田様による解説が入るという形となっていましたが、非常にスムーズで分かり易い内容でした。以下キャプチャを交えながらデモの流れについて触れていきたいと思います。
デモ実演で行ったのは「バイク購入者予測のステップ」。大きく以下の流れで作業が進んで行きました。
- 1.AlteryxでDataPrep
- 2.DataRobotにデータ投入
- 3.通勤距離も加えたい
- 4.Alteryxで距離計算
- 5.DataRobotに投入
- 6.Tableauでダッシュボード化
デモ環境として用意したのはAlteryx/Tableau/DataRobot。
Amazon RedshiftとEXCELでそれぞれ地理データ作成に必要な情報を用意します。
地理情報作成(CreatePoints)を行った上で、
双方の情報を結合(Join)させようとしますが、上手くいきません。内容を確認してみると、
結合の際に用いていた都道府県コードが、片方は数字ゼロ埋め("09")、もう片方はゼロ埋め無し("9")という形になっていたためにマッチしないものがあると怒られていました。
ここでは該当する項目のゼロ埋めされている方に一手間加えて、
「数値に寄せて一致させる」事に。
結合させる際のデータ型についても指摘があったので、微調整を行って対応します。結合出来た情報はEXCELとして一旦ローカルに出力させました。
ローカル出力させたEXCELを、今度はDataRobotからファイル参照する形で読み込ませます。
読み込んだ時点で、データの内容や傾向について様々な切り口で確認する事が出来ます。予測したい内容等を設定の上、「Start」ボタン押下で処理開始。
処理中。現在どの様な処理を行っているのかについても適宜その内容や状況を確認する事が可能です。
処理完了。結果についても同様に様々な内容や切り口で確認する事が可能です。
DataRobotで処理した予測データをEXCELで出力し、今度はそれを使ってTableauで可視化してみます。
必要な情報や設定を加え、
今後のアクションに必要な可視化ビューを作成していきました。(※下記内容は途中経過ですが、実際のデモではより細かく詳細な情報を踏まえたものを作成していました)
という形で一連のデモ実演完了。Alteryx/DataRobot/Tableauそれぞれを分かり易い形で解説した、非常に見応えのある内容となっておりました。
KGI - KPIの因果をひも解く
- 37度、10秒の流通:トピックを「自分ごと」として認識させるのが大事。
- また「すぐには動かない数字」「動かせる数字」を活用したVizを作ることが肝要。
今後の展望
- 利用者の拡大とナレッジの共有(社内)
- server/connect//Promote
- apiやAPPを活用したパイプライン連携
- 初期トレーニングプログラムの開発
- Mac版が欲しい
- ユーザーグループの発展
まとめ
というわけでTableau Data Day Out 東京、株式会社リクルートライフスタイル 前田 周輝様によるランチョンセッション『Alteryxで加速するAnalytics Process』のレポートでした。デモをふんだんに交えた今回のセッション、非常に参加者の方々に好評だったようで、以降の弊社展示ブースにも多くのお客様にお越し頂く形となりました。前田様、ありがとうございます!
そして当日ブース会場にお越し頂き、お話させて頂いた皆様、ありがとうございました!
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