S3 から Cloudinary への自動アップロードで即時に画像変換する
Guten Tag、ベルリンの伊藤です。
Cloudinary の画像変換を利用したい、でも既に別で画像管理している、すると大規模な移行が必要になるの?そんな時、Auto-Upload 機能を使い、外部のリソースURLのパスを紐づけるマッピング設定を行うことで、即時に自動アップロード・画像変換を行うことができます。
例えば、(公式ブログから引用)、下記のような外部リソースURLがある場合、
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/26/YellowLabradorLooking_new.jpg
このパスプレフィックス http://upload.wikimedia.org/wikipedia/
と Cloudinary 上のフォルダ remote_media
を紐づけるマッピング設定を行うことで、画像自体をアップロードや移行しなくとも、Cloudinaryのプレフィックスと合体した下記URLにアクセスすると、
https://res.cloudinary.com/demo/image/upload/remote_media/commons/2/26/YellowLabradorLooking_new.jpg
自動的にその Cloudinary 側の remote_media/
パス配下に元の画像がアップロードされます!もちろん、自由にパラメータを加えれば
URLによる即時の画像変換も可能です。
同様にして、S3バケットのリソースを紐づけることもできます 。プライベートバケットにはちょっとした設定が必要になるので、本ブログで紹介していきます。
自動アップロード
まず、先ほどの例をキャプチャとともに確認していきます。
マッピング設定
右上の設定アイコンを選択し、「Auto upload mapping」に下記のように入力し、Saveをクリック。(※フォルダは、2階層のito-testをCloudinaryのMedia Library内にあらかじめ作成しています)
設定すると、下にマッピングされたURLの例が表示されます。この下線部分を使用します。
なお、この時点では、ito-test/ito-test
フォルダは空です。
確認
早速、元の画像URLからプレフィックスを除いた commons/2/26/YellowLabradorLooking_new.jpg
を先ほどの URL とくっつけて、アクセスしてみると...
出ました、わんちゃん!
Cloudinary の Media Library にも追加されています。
あとは、Cloudinary 伝家の宝刀、画像変換です。
例えば、こちらはサイズ・画質調整や丸く切り抜きのパラメータを加えた例ですが、このようにパラメータを追加してURLにアクセスするだけで、即時に変換された画像を表示させられます。
https://res.cloudinary.com/CLOUD-NAME/image/upload/w_300,h_300,c_crop,g_north_west,r_max,e_sharpen/e_saturation:70/ito-test/ito-test/commons/2/26/YellowLabradorLooking_new.jpg
S3 プライベートバケットとの連携
パブリックアクセスが可能なバケットの場合には、S3のURLを使用して前述の方法で設定可能ですが、そうでない場合は下記の流れでアクセス許可の設定を行います。
- 対象のS3バケットに
.wellknown/cloudinary/[CLOUD-NAME]
という空ファイルを用意 - 対象のS3バケットにバケットポリシーを設定
※CLOUD-NAMEとは、Cloudinaryアカウントのクラウド名で、Cloudinary管理画面のダッシュボードから確認できます。
1. 空ファイルの用意
以下のようにローカルでクラウド名の空ファイルを作成し、mi-190726
というバケットにプレフィックス .wellknown/cloudinary/
付きでアップロードします。
$ touch CLOUD-NAME $ aws s3 cp CLOUD-NAME s3://mi-190726/.wellknown/cloudinary/ upload: ./CLOUD-NAME to s3://mi-190726/.wellknown/cloudinary/CLOUD-NAME
コンソールから確認すると、下記のような感じです。
これによって、Cloudinaryの特定アカウントが本バケットからのアップロード許可を持つことを示します。複数のCloudinaryアカウントで同じバケットに対して紐づけたい場合には、各アカウント分のファイルを用意すればOKです。
2. バケットポリシー設定
次に、バケットの権限設定で、ドキュメントに記載の通りバケットポリシーを貼り付けます。BUCKETNAMEの部分はバケット名に修正して、変更を保存します。
マッピング設定
先ほどと同様に、Cloudinaryの設定からプレフィックスのマッピング設定を追加します。
プレフィックスにはS3のオブジェクトURLではなく、s3://[bucket-name]/[prefix]
の形式で入力します。
(※フォルダは、Cloudinary内のito-test配下に空のanimal-testをあらかじめ作成しています)
確認
このS3プライベートバケットに配置したオブジェクトURL
https://mi-190726.s3-eu-west-1.amazonaws.com/animal-v1/animal.jpg
は直接アクセスすると Access Denied となることを確認しています。
では、animal.jpg
を先ほどの URL とくっつけて、アクセスしてみると...
出ました、白鳥の親子!
もちろん、Cloudinary の Media Library を確認すると ito-test/animal-test
配下にこの画像が格納されていることが確認でき、変換もお好みの通り。
画像以外の場合
この自動アップロードは画像や動画以外のどのようなリソースにも対応しており、その場合はURLに raw
を指定します。
例)
https://res.cloudinary.com/CLOUD-NAME/raw/upload/ito-test/animal-test/kino_ticket.pdf https://res.cloudinary.com/CLOUD-NAME/raw/upload/ito-test/animal-test/Cloudinary_partner_form.xlsx
先ほどのバケットにPDFやExcelファイルを格納したところ、上記のURLで取得できるようになりました。もちろん、Media Libraryにも追加されています。
補足
自動アップロードのドキュメントによると、CloudinaryのURLリクエスト時にフォルダにアセットが存在しない場合には、自動的にアセットがアップロードされますが、以降は通常のCloudinaryのアセットと同様にアップロードされたものに対して変換・配信されます。
the media assets are automatically retrieved from the mapped URL if they are not already uploaded to the folder, and are available for further manipulation, management and CDN delivery like any other asset uploaded to Cloudinary. (中略) After an asset has been auto-uploaded from the remote location, all requests for the asset will reference the asset stored in your Cloudinary account.
つまり、URLの対象パスにファイルがある限り、一度アップロードされると、マッピング元の画像を再度参照して更新することはありません。そのためS3バケット側の画像で更新があったとしても、Cloudinary側の画像が自動的に更新されるわけではないことにご注意ください。
逆にファイルがなければ画像は再び自動アップロードされます。
先の白鳥の画像に加えて、下記のような検証を行ってみました。
- 異なるバージョンパス・同じファイル名として、S3バケットの
s3://mi-190726/animal-v2/animal.jpg
に別の画像をアップロード - マッピング設定のURL prefixを
s3://mi-190726/animal-v1/
→s3://mi-190726/animal-v2/
に変更して保存 - 同じURL(
~/ito-test/animal-test/animal.jpg
)にアクセス
すると、既にCloudinary内で ito-test/animal-test/animal.jpg
が存在するため、上記のマッピング設定を変更しても画像は白鳥さんのままです。
ここでMedia Libraryの白鳥さんの画像を削除して再度アクセスすると、v2の画像が表示されました!
(※既にアクセス済みのURLパスは、CDNのキャッシュが残っており古い画像が表示されます。ここでは変換パラメータを追加して異なるURLパスでアクセスしています。)
一方で、fetch機能では、Cloudinaryでキャッシュされるものの、定期的に元の画像から取り込んで更新されます。fetchについてはこちらの記事を紹介されています。
参考
- Auto-upload remote resources | Cloudinary
- Private storage URL | Cloudinary
- How to update an auto-uploaded resource – Cloudinary Support
クラスメソッドはCloudinaryのパートナーとして導入のお手伝いをさせていただいています。お気軽にこちらからお問い合わせください。こちらから無料でもサインアップいただけます。