支払い方法でAWS利用料金を1円でも多くケチる方法(2019年1月時点)

2019.01.11

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はじめに

サーバーレス開発部の平田です。

Developers.IOを読んでくれているみなさんであれば、業務以外でも個人用途としてAWSアカウントを持ち、様々な用途でお使いいただいていると思います。

さて、利用していく上でもちろんAWSの料金が発生するのですが、できればこれはちょっとでも少なく抑えたいと思いますよね。

AWS料金を節約していくのに主に考えられるのは、EC2をスポットインスタンスにするとか、S3のGlacierを利用するとか、それこそシステムをサーバーレス化するといった、サービスの利用方法でどうにかするというのがまず挙げられるかと思います。

今回はそういったサービスで節約するのではなく、支払い方法で1円でも多くケチっていこうと思います。

結論

以下長ったらしい説明が続いてしまうので、最初に結論からフローチャートで掲示させていただきます。各情報は2019年1月現在で私が調べうる限りでのものなので、下記が常に最適とは限らないというのを予めご承知ください。

Kyashの制限は2019年1月現時点で、リアルカードを有効化(物理デビットカードを受領)した場合で次のとおりになっています。

  • 24時間あたりの利用限度額は5万円以下
  • 1回あたりの利用限度額は5万円以下
  • 1ヶ月間での利用限度額は12万円まで

法人用AWSアカウントの支払いでは、ぜひ弊社のクラスメソッドメンバーズのご利用をご検討ください。本記事で紹介している個人用AWSアカウントでケチれるのは多くともせいぜい3%程度ですが、クラスメソッドメンバーズではなんと全リージョン全AWSサービスが5%オフになります。その他様々な特典もご用意してありますので、ぜひともご確認くださいませ。

AWSの支払い方法について

まず、AWSの支払い方法についておさらいしたいと思います。

AWS利用料金は、各サービスのPricingページや請求ダッシュボードを見ていただければおわかりかと思いますが、米ドルで設定されています。また、特に何も設定せずにクレジットカード払いで支払っていると、クレジットカードへは米ドルでの支払いになります。

しかしながら、AWSでは米ドル以外の日本円などでの支払いも設定すれば受け付けてくれます。

日本円での支払いにすると何がいいのかというと、クレジットカードを日本円以外の支払いで利用した場合、外貨取扱手数料(クレジットカード会社によりますが、概ね1.63%)が発生してしまいます。日本円での支払いではこれは生じないので、AWS側の米ドル→日本円のレートがクレジットカード会社のレート+外貨取扱手数料より有利な場合、AWS側で日本円での支払いに切り替えたほうが得になります。

少し古いですが、次の記事に以上の詳しいことが書かれています。記事では上記の通りAWSのレートがクレジットカード会社のレート+外貨取扱手数料より有利であると書かれています。よって、AWSで日本円支払いにするほうが得となる結果になっています。

AWSで円建て支払いができるようになりました

外貨取扱手数料をなくす方法

さて、日本円払いが一番おトクでしたで締めたいところですが、ここでもう一つ支払い方法を掲示したいと思います。

米ドル支払いで割高になってしまう原因は、主に概ね1.63%の外貨取扱手数料にあると思います。上記の記事で書かれた表を次に引用します。測定日時は2015年です。

測定日時(JST) VISA提携レート AWS提示レート 値引率
2/17 13:00 120.826円 119.727円 0.91%
2/18 13:00 121.375円 119.962円 1.39%
2/19 15:00 121.384円 120.439円 0.78%
2/24 9:00 121.314円 120.109円 0.99%

この表の「VISA提携レート」ではすでに1.63%の外貨取扱手数料が加算された値になっています。この外貨取扱手数料がなければ(VISA提携レートから1.63%引けば)、逆にVISA提携レートのほうが有利になります。

つまり、AWSの米ドル払いで外貨取扱手数料を取らないカードを利用すれば、AWSの日本円払いよりもっとおトクなわけです。

Sony Bank WALLETがそのデビットカードになります。

このカードでは、米ドル等の海外通貨を直接支払うことができます。よって外貨取扱手数料が発生しません。更に、他の米ドル支払い可能なカードと違い、予め日本円から米ドルに両替しなくとも、海外通貨で支払い時に自動で普通預金にある日本円から海外通貨に両替され、海外通貨での支払いを行ってくれます。

では実際どの程度得なのか見てみましょう。表の日付は2019年です。Sony銀行のレートは、基準レートに購入時の15銭の為替コストが乗ったTTSレートを載せています。これが実際に日本円から米ドルに両替して支払いされるときのレートになります。

測定日時(JST) AWS提示レート Sony銀行レート 値引率
1/8 22:00 109.45円 108.89円 0.51%
1/9 22:00 109.98円 109.08円 0.82%
1/10 22:00 109.85円 108.23円 1.49%

タイミングによって割引率は大きく異なっていますが、AWS掲示レートよりもSony銀行のレートのほうが観測した範囲内では常に良いようです。

というわけでSony Bank WALLETが一番オトクでした…といいたいところですが、まだ続きます。

カードのポイントやキャッシュバック

多くのクレジットカードには0.5%〜1%程度のポイントがついており、またデビットカードを含めれば2019年1月現在Kyashは2%ものキャッシュバックが付くようになっています。1%のポイントのクレジットカードとKyashを組み合わせた場合、約3%のポイントとキャッシュバックが付いてきます。

ここではポイントとキャッシュバックを単純に値引きと考えることにします。

上記の3%、クレジットカードを持ちたくない/持てないのでKyashの2%のみ、あるいはクレジットカードのみでKyashを利用しない場合の0.5%・1%も含めて、Sony Bank WALLETと比較したいと思います。還元とあるのはAWS掲示レートに1-還元率をかけたものになります。

 測定日時(JST) AWS提示レート Sony銀行レート 0.5%還元 1%還元 2%還元  3%還元
1/8 22:00 109.45円 108.89円 108.90円 108.35円 107.26円 106.16円
1/9 22:00 109.98円 109.08円 109.43円 108.88円 107.78円 106.68円
1/10 22:00 109.85円 108.23円 109.30円 108.75円 107.65円 106.55円

概ね1%ポイント・キャッシュバックが付くようになった場合、Sony銀行レートで米ドル払いをするよりも、カードで日本円払いしたほうが得になっています。

為替は変動するものなので常にそうであるとは言い切れませんが、大抵の場合、1%以上ポイントが付与されるクレジットカードとKyashを組み合わせて日本円払いをする場合が、今現時点で私が調べうる限りではAWSの料金を支払う上で最安になると考えます。

ただし、Kyashの制限に引っかかってしまう場合、例を挙げると1回あたり5万円を超える支払いが発生してしまう場合などには、残念ながら使えません。この場合は1%以上ポイントが付与されるカード(クレジットでもデビットでも)を所持できるのであればそちらで日本円払い、できなければSony Bank WALLETで米ドル払いが最安になるかと思います。

クレジットカードを持ちたくない/持てない場合はKyashのみで日本円払いする場合が最安かと思います、ただしクレジットカードがない場合は、残高を気にしながらコンビニ/ATM/ペイジーでKyashにチャージする必要があるので、その手間を省きたい、かつソニー銀行にいくらかお金を入れておいてもかまわないという場合、あるいはポイントやキャッシュバックでは使い勝手が悪いとお考えの方はSony Bank WALLETで米ドル払いが最適かと思います。

また、Sony Bank WALLETは自動で日本円から米ドル両替してくれるほかにも、予め手動で日本円から米ドルに両替して、その米ドルで支払うということもできます。これを利用し、円高ドル安のときに予め両替しておくことで、結果として有利なレートで支払うといったこともできます。ただしさらに円高ドル安になって、結局自動両替より高く支払うことになってしまった、ということも十分ありえますのでそこはご注意ください。

おわりに

今回ではKyashの最大約3%還元の凄さに、Sony Bank WALLETの凄さが少々隠れてしまったように思いますが、これはAWSが非常にいいレート(AWS曰く"競争力のあるレート")を掲示してきているためであります。例えば海外通販サイトではあまりいいレートでなく、日本円で支払うと割高になってしまうサイトが多いです。こういった場合にはSony Bank WALLETのほうがオトクになる場合が多いので、個人的にはどちらも非常に便利に利用させていただいております。

個人用アカウントでも多くの費用が発生している人や、1円でも多くなにかをケチることに至上の喜びを感じる方々の参考になれば幸いです。

ここが間違っているよとか、もっといいスキームがあるという場合にはぜひコメントでお知らせくださいませ。