未来都市、深セン(中国)にいってきた(シェアリング自転車編)

はじめに

こんにちは、橋本です。中国深センでは様々なカテゴリーのシェアリングサービスを見ることができました。いくつか紹介していきたいと思います。

シェアリング自転車

テンセント系の「mobike(オレンジ)」と、アリババ系の「ofo(黄色)」が2代巨塔で、現地ではその他にいくつか違うサービスを確認することができました。が、無登録のシェア自転車事業者を含めると中国全土で既に100社以上が倒産しているとのニュースもあります。最終的に生き残ったのが上記の2社ということです(ここにきてofoの資金難も報道されています)。

今回はテンセント系の「mobike(オレンジ)」を体験してきました。ofoに比べると良くメンテナンスされたきれいな車両が多いように感じます。mobikeは日本でもモバイク・ジャパン(株)により2017年8月から札幌市でサービスを開始しています。現在は札幌市、福岡市、関東エリアでは初となる神奈川県大磯町(2018年3月から)で利用できるようです。

また2017年末にLINEと資本業務提携をしていますので、今後はLINEのインターフェイスからサービス利用ができ、利用料もLINE Payで決済できるようになるでしょう。

mobike

神奈川県大磯町でモバイクサービス開始

実際に乗ってみる

まずは事前準備としてmobikeアプリをDLして、日本の携帯番号でSMS認証して、クレカを紐づけて、最低500円のデポジットをチャージします。

あとは各車両についているQRコードをアプリからスキャンすることで、車両の鍵が解除されますので乗車可能となります。ちなみに乗車料金ですがなんと16円/30分と劇安です!これならちょっとした移動でもお金を気にせずナンボでも乗れますねw 目的地に着いたら手動で施錠するとアプリと連動しておりステータスが利用終了に変わります。

詳しくは、こちらの動画を御覧ください。

極めて簡単ですね!素晴らしいUXです。「アプリ立ち上げ→QRコード読み取り→乗車→駐輪→施錠」たったこれだけです。自分の普段使いの自転車を乗車する際のフローと比較すると、差分は「アプリ立ち上げ→QR読み込み」だけです。その差分も「物理鍵の取り出し→解錠する」と比較するとmobaikeの方が断然使いやすいですね(物理鍵はすぐに行方不明になりますし、無くします)。

レバーを引き上げてサドルを上下することで高さが調整できます。これも普段日本で乗っている自転車のようにレバーをグリグリ回転させる必要はありません。超簡単でパパッと素早く調整可能で良く工夫されています。

ハンドルを操作してもカゴだけ置いてきぼりなのが最初は少し違和感ありますが、すぐに慣れます。またタイヤはパンクしないように固めのゴムで出来ていて中には空気が入っていないようです。右のハンドル脇グリップを回転させるとベルが鳴ります。

施錠を終えてステータスが利用終了になると履歴が表示されます。全車両にGPSが付いていますので「どこからどこまで移動したか」「移動距離は何メートルで何分乗車していくらだったか」、他にも「何カロリー消費して、どの程度CO2を削減できたか」などが表示されます。またカスタマーサポート機能として、アプリから「不具合を報告したり」、「違反をレポートしたり」「ロックの失敗を通知したり」できます。

個人的には大変気に入りまして、2日間で8回使ったのですがまだ355円残っていますw。

またライド履歴が蓄積されますので、「違反乗車、駐輪がなかったか」、「車両を破壊したり、不正がなかったか」などを勘案しマイスコアという形でスコアリングされます。これはカーシェアリングなども同様ですね。違反や不正をするとスコアリングが下がり、次回の乗車以降金額が高くなったり、あるいは悪質なケースだとアカウントをバンされたりするようです。正しく利用すれば得をするように非常にうまくインセンティブ設計がされています。

また下記のように指定区域に駐輪すると紅包(ボーナス)を獲得できるという表示がされました。これはおそらく車両が足りていないエリアをリアルタイムで抽出して「ここに乗ってきて駐輪してくれればボーナスを上げるよ」ということをやっているのだと思います。このようなインセンティブをつけることで車両の偏りを正し、運営ではなくユーザーに車両の移動をさせています。秀逸な設計です。

まとめ

日本でもラストワンマイルの移動手段の1つとして、シェアリング自転車事業に多くの企業が参入し注目を集めています。ただ中国と決定的に違うのは「乗り捨て」が出来ない点です。実際に現地で乗り捨ててみると顧客体験としてはやはり快適に感じます。日本では、というか特に大都市ではコンビニが密集していますので、「最寄りのコンビニに駐輪を」ということはできるかもしれません。しかし駐輪スペースが限られますので、何れにしても台数がかなり制限されます。

それから、本当にビジネスとして成立するのか?という疑念もあります。mobike、ofoの2代巨塔はテンセント、アリババという巨人の後ろ盾がありますから、必ずしもこのビジネス単体で儲ける必要はないのかもしれません。シェアリング自転車サービスをエコシステムに取り込むことで、①WeChatPay、Alipayなどのペイメントサービス普及の為のツールとして活用している、②ビックデータ(移動データ)を取得する為のツールとして活用している、と考えることもできます。例えば、Alipayは芝麻信用(ジーマ信用)のスコアリングにofoの利用履歴を活用していますし、650点以上の信用スコアを提示すればデポジットなしでofoを利用できるなどのサービス連携を進めています(テンセント信用は1日で閉鎖しましたが復活できるかは規制しだいというところでしょうか)。

シェアリング自転車、バイク、自動車、キックボードなどの様々なサービスが、ラストワンマイルの「人」の移動と、更に人と一緒に移動する「物」の移動に活用されることは間違いありません。「駐輪の問題」や「安全性の問題」、「ビジネスモデル」など検討事項は様々ありますが、是非日本でも普及してほしいサービスの1つだと強く思います。