LANケーブルから電源供給! Raspberry Pi PoE HATを入手したので試してみた

まいど、大阪の市田です。
先月、国内でも一般販売となった「Raspberry Pi PoE HAT」を入手したので、レポートしたいと思います。
単なるレポートだけだと、すぐに終わってしまうのでPoEについても簡単に説明したいと思います。

PoEとは

冒頭より出現している「PoE」というワードですが、これは「Power over Ethernet」の略で文字通りEthernet経由で電源供給できるというものです。

これまでだと、別途コンセントに電源ケーブルを接続していましたが、PoE対応により有線LANケーブルで電源を供給・受電できるようになります。電源コンセントが確保できないような場合にとても便利な機能ですね!

PoEの基本

PoEを利用する際、大まかな構成要素として「電力を供給する側」と「電力を受ける側」が存在します。このそれぞれをPSE、PDと呼びます。そしてPoEを実現するには両方の機器が必要になります。

PSEとは

PSEとは、Power Sourcing Equipmentの略で、「電力を供給する側」の機器のことです。PSEにはPoE対応のスイッチングハブやPoEインジェクターというものが存在します。

PoE対応のスイッチングハブは一般的なスイッチングハブと見た目がほぼ変わりませんが、PoE対応ポートを備えているためか値段が割高なものが多いようです。下記は一例です。

Amazon | TP-Link スイッチングハブ ギガ 5ポート PoEハブ (4x PoE対応 全体最大56W) アンマネージ 5年保証 TL-SG1005P | TP-LINK | スイッチングハブ 通販

PoEインジェクターとは、通常のLANポートをPoE給電可能なポートに変換する機器のことです。一般的なスイッチと機器の間に割り込ませて使う形となります。
下記などが該当する機器になります。(PoEインジェクターは実機を所持していないので詳細は未確認です。)

Amazon | ロジテック PoEインジェクター ギガビット 802.3af対応 耐熱50度 金属筐体 壁掛け可能 3年保証 LAN-GSW01ES1 | Logitec(ロジテック) | スイッチングハブ 通販

PDとは

Powered Deviceの略で「電力を受ける側」の機器のことです。最新の「Raspberry Pi 3 Model B+」はPD側の機器になります。

LANケーブルはカテゴリ5e以上

PoE環境では利用できるLANケーブルに指定があり「カテゴリ5e以上」のケーブルが必要になります。事前に手元のケーブルの種類を確認しておきましょう。

規格

PoEの標準規格は「IEEE802.3af」と「IEEE802.3at」の2つあって、使おうとしている機器がどちらの規格をサポートしているか事前に確認しておく必要があります。
ちなみに「IEEE802.3af」が最初に作られ、それを拡張する形で「IEEE802.3at」が作られたので、「IEEE802.3af」をPoEと表し、「IEEE802.3at」を「PoE+」と表すこともあります。

下記の表は「IEEE802.3af(PoE)」と「IEEE802.3at(PoE+)」の違いを表したものです。

規格名 IEEE802.3af IEEE802.3at
ポート当たりの最大給電電力 15.4W 30W
対応LANケーブル CAT3以上 CAT5e以上

電力クラス

上記の通り規格によって異なる電力は「電力クラス」というもので分類されています。

クラス 給電側(PSE)電力 受電側(PD)電力 対応規格
0 15.4W 0.44~12.95W IEEE802.3af
1 4.0W 0.44~3.84W IEEE802.3af
2 7.0W 3.84~6.49W IEEE802.3af
3 15.4W 6.49~12.95W IEEE802.3af
4 30.0W 12.95〜25.5W IEEE802.3at

電力を受ける機器(PD)は上記のいずれかに分類されていて、電力を供給する機器(PSE)は適切なクラスを自動的に判別して電力を送ります。そのため「PSEがIEEE802.3af 対応機器で、PDがIEEE802.3at 対応機器」という組み合わせの場合はPoEが利用できないことに注意してください。

(電力クラスをサポートしていない機器は、デフォルトのクラス0が適用されます)

Raspberry Pi PoE HAT

さて、前置きが長くなってしまいましたが「PoE HAT」の実機を確認したいと思います。
「Raspberry Pi 3 Model B+」はオプションである「PoE HAT」を利用することでPoE給電が可能になります。「PoE HAT」の入手については、国内だとスイッチサイエンス社やアールエスコンポーネンツ社などから購入が可能です。
(2018年9月現在で上記のいずれも在庫が無いようです。)

中身は、PoE HAT本体とRaspberry Piに接続するためのネジ・スペーサです。

001-poehat

先程の電力クラスの分類ではPoE HATは「クラス2」なので、IEEE802.3af 対応ということになります。 そのため、今回は動作確認のために先程リンクを記載したTP-LinkのPoEハブを利用することにしました。このスイッチングハブは802.3af に対応した機器になります。

Amazon | TP-Link スイッチングハブ ギガ 5ポート PoEハブ (4x PoE対応 全体最大56W) アンマネージ 5年保証 TL-SG1005P | TP-LINK | スイッチングハブ 通販

実際にPoEハブ、PoE HATを接続したRaspberry Pi、ディスプレイなどを接続した状態が下記になります。
Raspberry Pi側に電源ケーブルが接続されていないことがお分かりいただけるかと思います。
(Raspberry PiのUSBメモリはUSBブートに利用しています。)

稼働中はPoE HATが熱くなるので取扱にご注意ください。

002-poehat-connect

最後に

特別な設定無しにPoEで起動することができました。
機器の対応規格などに注意が必要ですが、LANケーブルから電源供給できるのは魅力的ではないでしょうか。是非お試しいただければと思います。

以上です。