
Claude Code v2.1.261 の主要アップデート - /skill-doctor 追加と単語編集キーの Bash 準拠化
クラウド事業統括本部の石川です。Claude Code の v2.1.261(2026-09-04 公開)がリリースされました。日々の入力やバックグラウンド処理に効く修正が中心ですが、新しく追加された /skill-doctor が便利だったので、後半で実際に試した結果をまとめています。
前回のアップデート記事はこちらです。
アップデートサマリー
v2.1.261 では 67 件の変更が入りました。内訳は修正が 46 件と大半を占め、新機能が 9 件、改善・パフォーマンスが 7 件、セキュリティが 3 件、破壊的変更が 2 件です。
うち 26 件が VS Code 拡張に関する項目で、セッション一覧・タブ・権限プロンプトまわりの追加と修正が中心です。CLI 側は入力処理とバックグラウンド実行の不具合修正が中心です。
注目のアップデート
未使用スキルとコンテキスト消費が分かる /skill-doctor
/skill-doctor が追加されました。読み込まれたスキルのうち使われていないものと、それぞれがコンテキストをどれだけ消費しているかを表示し、整理の判断に使えます。
スキルやプラグインを多数読み込んでいる方ほど、どれがコンテキストを占めているかを把握する起点として使えると感じます。なお、未使用スキルを減らすことが応答の品質や速度の改善につながるかどうかまでは公式情報に記載がないため、そこは切り分けて考えるのがよさそうです。
コマンド出力をインラインで受け取る上限の設定
bashOutputMaxChars と taskOutputMaxChars 設定が追加されました。コマンド出力やバックグラウンドタスクの出力がファイルに保存される前に Claude へインラインで渡される量を、最大 128K 文字まで引き上げられます。
全員向けの機能というより、長いログを出すコマンドやバックグラウンドタスクを多用する方が、必要に応じて引き上げる設定だと感じます。
高速入力時の文字の入れ替わり・欠落の修正
高速な入力やキーリピートの際に、入力・貼り付けした文字の順序が入れ替わったり欠落したりすることがある問題が修正されました。
表示が乱れるだけでなくプロンプトの内容そのものが変わりうる問題なので、ターミナルで長い指示を打ち込む機会が多い方には効いてくる修正だと感じます。
バックグラウンドエージェントによる高 CPU の解消
バックグラウンドエージェントを再開できず、そのウェイクアップがタイトループで再試行され続けることで CPU 使用率が高いまま続く問題が修正されました。
バックグラウンドエージェントを使う運用をしている方は、更新しておく価値があると感じます。バックグラウンド実行全般が速くなる話ではない点は注意が必要です。
危険な rm の検知範囲の拡大
危険な rm に対する安全確認プロンプトが、位置パラメータに対する rm -rf や、ダブルクォートで囲まれた sh -c スクリプトの中の rm -rf も検知するようになりました。
危険な削除を自動的に止めてくれるようになったのではなく、安全確認プロンプトが出る範囲が広がったという理解が正確だと感じます。
auto モードでのダイアグラムレンダラー URL の扱い
auto モードにおいて、公開のダイアグラムレンダラーの URL にコンテンツを詰め込むリンクが、そのサイトへのアップロードとして扱われるようになりました。ユーザーが依頼した場合を除き、自動承認されなくなります。
リンクを開く扱いではなく外部サイトへのアップロード相当として扱う点が核心で、auto モードを常用している方は承認を求められる場面が増えると感じます。
アップデート内容
新機能
/skill-doctorが追加されました。bashOutputMaxCharsとtaskOutputMaxChars設定が追加されました。--append-subagent-system-prompt-fileが追加され、コマンドラインに渡すには大きすぎるサブエージェント用のシステムプロンプトをファイルから読み込めるようになりました。/statusとclaude doctorに「Organization policy」の行が追加され、組織ポリシーを読み込めなかった理由(プロキシがエンドポイントを通していない等)が表示されるようになりました。- [VS Code] MCP サーバーのダイアログにサーバーの追加フォームと削除アクションが追加され、IDE を離れずに MCP サーバーを追加・削除できるようになりました。
- [VS Code] 出力スタイルのメニューに「Build a custom style」ウォークスルーが追加され、カスタム出力スタイルのファイルを書き出してその場で一覧に表示できるようになりました。
- [VS Code] 権限プロンプトと質問プロンプトに折りたたみボタンが追加され、プロンプトを閉じずに背後の会話を読めるようになりました。プロンプト脇の余白でも会話をスクロールできます。
- [VS Code] ターミナル・別の VS Code ウィンドウ・Claude Desktop で開いているセッションに、セッション一覧で中抜きのリングが表示されるようになりました。
- [VS Code] セッション一覧の右クリックメニューに「Archive session」が追加され、Unarchive には専用のアイコンが付きました。
改善
/modelのピッカーと VS Code のモデルピルが、Claude Code が認識できるモデルについて、Bedrock・Vertex AI・LLM ゲートウェイの生の ID ではなくモデル名を表示するようになりました。GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALSが設定されている Google Vertex AI 環境で、API クライアントの作成時に Google Cloud のプロジェクト検出をやり直したり、gcloudのプロセスを追加で起動したりしなくなりました。- 描画済みのブロックが更新のたびにレイアウトで再チェックされなくなり、ストリーミングの性能が改善しました。
- API がレスポンスヘッダを返さない場合、リトライはさらに 3 分ではなく
API_TIMEOUT_MS(既定 10 分)まで待つようになり、メッセージには何を変更すればよいかが示されます。 /contextのトークン数の集計が、トークンカウント API を利用できない場合に、小さいモデルへの追加リクエストではなくローカルでの推定を使うようになりました。- 起動時や
/login後の managed settings の読み込みで Claude apps ゲートウェイが 403 を返した場合、サインインし直すよう促すのではなく、組織で Claude Code が有効化されていない可能性を伝えるメッセージに変わりました。 - [VS Code] モデルピッカーが全モデルの単一のフラットリストに変わり、旧来のモデル表記の行は末尾にまとめられるようになりました。
セキュリティ
- 危険な
rmに対する安全確認プロンプトの検知範囲が広がりました。 - auto モードで、公開のダイアグラムレンダラーの URL にコンテンツを詰め込むリンクがアップロードとして扱われるようになりました。
- 信頼済みプロキシが
X-Forwarded-Forにポートを付加する場合の Claude apps ゲートウェイのクライアント IP 判定が修正されました。アクセスリストが設定されている場合、読み取れないエントリは 403 になります。
修正
- 高速入力時の文字の入れ替わり・欠落を修正: 入力・貼り付けした文字の順序が入れ替わったり欠落したりすることがある問題が解消されました。
- バックグラウンドエージェント再開失敗による高 CPU を修正: 再開できないエージェントのウェイクアップがタイトループで再試行され続ける問題が解消されました。
- セッション再開時のコンテキスト欠落を修正: 並列ツール呼び出しの周辺でフックの出力やそのほかのコンテキストが失われ、再開後のリクエスト内容が変わってしまう問題が解消されました。
- SDK・クラウドセッションでの Stop 無視を修正: 最初のプロンプトの直後、ターンが始まる前に送られた Stop や割り込みが無視される問題が解消され、最後まで実行されずにターンが停止するようになりました。
- Remote Control の権限モードの表示ずれを修正: スマートフォン・ブラウザ・claude.ai アプリがターミナルのセッションに接続したときや、ターミナル側でモードを変更した後に、古い権限モードが表示される問題が解消されました。
- エージェントチームのプロンプトキャッシュ不使用を修正: インプロセスのチームメイトが 2 ターン目に初回ターンのツール・スキルの告知を再送信することでリクエストのプレフィックスが変わり、プロンプトキャッシュを外してしまう問題が解消されました。
- Bedrock セットアップウィザードのハングを修正: AWS または AWS の認証情報ヘルパーが応答しない場合にタイムアウトして明確なエラーを返すようになり、TLS 検査を行うプロキシ下でモデルチェックが失敗する問題も解消されました。
- フィーチャーフラグのバージョン混線を修正: 新しいバージョン向けに絞り込まれたフラグが、同じマシン上で動作している古いバージョンの Claude Code に適用されることがある問題が解消されました。
- 地味に嬉しい修正: プロンプト入力欄で、インラインの
[Image #N]チップの直前にある文字を削除できない問題が修正されました。画像を貼り付けた直後に打ち直そうとして引っかかることがあったので、地味ながら日々の入力で効いてくる修正だと感じます。 - このほか、Remote Control の接続まわり、Google 認証や claude.ai コネクタの起動時処理、
/usageの使用量表示、ターミナルの進捗インジケータ、VS Code のセッション一覧・タブ・権限プロンプトなど、多数の細かな不具合が修正されています。
破壊的変更・非推奨
破壊的変更が 2 件あります。いずれも既存の設定・操作に影響します。
単語編集キーが Bash に準拠
プロンプトの単語編集キーが Bash に合わせて変更されました。Ctrl+W は空白まで削除し、Alt+F と Alt+D は単語の末尾で止まり、記号が単語の区切りとして扱われます。あわせて keybindingFlavor は効果を持たなくなりました。
従来は、settings.jsonに"keybindingFlavor": "emacs"を指定すると、Ctrl+W / Alt+F / Alt+D の挙動は keybindingFlavor の設定に従っていました。今後は設定の有無に関わらず、Ctrl+W は空白まで削除し、Alt+F / Alt+D は単語の末尾で止まり、記号は単語の区切りとして扱われます。
forceLoginMethod: "gateway" 時のログイン方法の固定
managed settings が forceLoginMethod: "gateway" を固定しているマシンでは、残っている API キーや claude.ai のログインを無視して /login を求めるようになりました。Bedrock・Vertex AI・Foundry のセッションは影響を受けません。なお、非推奨(Deprecated)として明示された項目は今回ありません。
/skill-doctor を試してみた
読み込まれているスキルのうち、どれが使われずにコンテキストを消費しているかを確認します。/skill-doctor はスラッシュコマンド(対話 UI)のため、ここでは手順のみを示します。
スキルやプラグインを増やすほどコンテキストは静かに削られていくので、どのスキルがどれだけコストを払っているかを一覧で見られるのは、定期的な棚卸しの起点として役立ちます。
以降では私の環境で実際に確認してみます。
/skill-doctor を実行する
プロンプトで次を実行します。
/skill-doctor

出力の読み方
出力は 6 列の表です。実際の出力から先頭から数件の抜粋です。

日本語に整理すると次のとおりです。
| 列 | 意味 |
|---|---|
skill |
スキル名。プラグイン由来のものは プラグイン名:スキル名 の形式 |
source |
提供元。userSettings(~/.claude/skills/)またはプラグイン名 |
context |
システムプロンプト内の 1 行分のコスト。毎ターン必ず含まれる。- は現在のリストに載っておらずコストゼロ |
7d tokens |
このマシンの直近 7 日間のセッションで、そのスキルに帰属したトークン量 |
uses |
呼び出された回数 |
last used |
最終使用(never / N days / today) |
context は「スキルの説明 1 行」のコストであり、SKILL.md の本体は実行時にしか読み込まれません。つまり 使わないスキルでも、リストに載っているだけで毎ターン課金され続けるという構造です。棚卸しの対象はこの context 列です。
並び順は last used 順で、未使用(never)が上、最近使ったものが下に来ます。画面の一番下に、今よく使っているスキルが集まります。

7d tokens が大きくても uses が多ければ、それはコストに見合っているスキルです。context が高いのに uses が 0× のものが、削減候補になります。
未使用スキルを洗い出し
last used が never の行を数えます。実行環境での結果は次のとおりでした。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 読み込まれているスキル | 124 行 |
context 合計 |
約 13,800 トークン(毎ターン) |
うち未使用(never) |
84 件・約 8,230 トークン |
未使用スキルだけで毎ターン約 8,000 トークンを消費している計算になります。
確認ポイント: never かつ context が ~100 以上の行を書き出します。効果が大きい順に並べると、この環境では次が上位でした。
aws-core:aws-compute aws-core ~350 0× never
aws-core:aws-iam aws-core ~350 0× never
aws-data-analytics:ingesting-into-data-lake aws-data-analytics ~340 0× never
aws-core:aws-observability aws-core ~340 0× never
aws-data-analytics:connecting-to-data-source aws-data-analytics ~270 0× never
aws-core:aws-deployment aws-core ~270 0× never
注意:
neverは「このマシンでの記録上、一度も呼ばれていない」という意味です。導入したばかりのスキルや、特定の作業のときだけ使うスキルもneverになります。表示された時点では削除候補であって、不要と確定したわけではありません。
重複ロードを見つける
出力をよく見ると、同じスキル名が 2 行出ていることがあります。
aws-data-analytics:querying-data-lake aws-data-analytics ~160 - 11× 56 days
aws-data-analytics:querying-data-lake aws-data-analytics ~160 - 11× 56 days
実行環境では 37 スキルが重複 しており、重複分だけで 約 5,600 トークン(context 合計の 41%) を占めていました。
原因は enabledPlugins の設定です。同じ名前のプラグインを、異なるマーケットプレイスから両方有効化していました。
// ~/.claude/settings.json
{
"enabledPlugins": {
"aws-core@claude-plugins-official": true, // ← 同名プラグインを
"aws-core@agent-toolkit-for-aws": true, // ← 2 つのマーケットプレイスから有効化
"aws-data-analytics@claude-plugins-official": true,
"aws-data-analytics@agent-toolkit-for-aws": true,
"aws-agents@claude-plugins-official": true,
"aws-agents@agent-toolkit-for-aws": true
}
}
確認ポイント: 出力をファイルに落として重複を機械的に数えると確実です。
claude -p "/skill-doctor" --max-turns 1 > skilldoctor.txt
awk 'NF>3 {print $1}' skilldoctor.txt | sort | uniq -d
実行結果(抜粋。実行環境では 37 件が該当):
aws-agents-for-devsecops:setup
aws-agents-for-devsecops:setup-devops-agent
aws-agents-for-devsecops:setup-security-agent
aws-agents:agents-build
aws-agents:agents-connect
aws-agents:agents-debug
aws-agents:agents-deploy
:
:
重複しているスキル名が並べば、同名プラグインの二重有効化を疑います。
最後に
v2.1.261 は 67 件と規模が大きく、その大半が修正でした。入力文字の欠落やバックグラウンドエージェントによる高い CPU 使用率の解消は、日々の体感に直結する部分だと感じます。加えて /skill-doctor を実行してみたところ、手元の環境ではスキルの一覧だけで毎ターン約 13,800 トークンを消費しており、その多くが未使用のスキルと同名プラグインの重複ロードでした。毎ターンのコストとして数字で見えると、整理の優先度は上がると感じます。
単語編集キーの Bash 準拠化のように既存の操作感が変わる項目もあるため、アップデート後に一度手元の状態を確認しておくとよさそうです。スキルやプラグインを多数読み込んでいる方は、まず /skill-doctor を実行してみてはいかがでしょうか。
参考文献









