AIコーディングCLIツールがSSDを壊す? Codex・Claude Code・Claude Desktopのディスク書き込み問題を調査してみた

AIコーディングCLIツールがSSDを壊す? Codex・Claude Code・Claude Desktopのディスク書き込み問題を調査してみた

OpenAI Codex CLIの年間640TBディスク書き込みバグをきっかけに、Claude CodeとClaude Desktopのディスク使用状況を実際に調査しました。デバッグログ、ファイル履歴、VMバンドルのサイズ確認からmacOSのディスク書き込み警告まで、各ツールの状態を実機で検証した結果を共有します。
2026.07.11

はじめに

2026年6月、OpenAIのCodex CLIが年間640TBもの書き込みをSSDに行い、ドライブの寿命を1年未満で使い切る可能性があるというバグが報告され、話題になりました。

AIコーディングCLIツールを日常的に使っている開発者として、これは他人事ではありません。本記事では、Codex CLIの問題の詳細を整理した上で、自分の環境でClaude CodeとClaude Desktopに同様の問題が起きていないか実際に調査した結果を共有します。

Codex CLIのSSD書き込みバグ

何が起きているのか

GitHub Issue #28224で報告された内容をまとめると:

  • Codex CLIが ~/.codex/logs_2.sqlite にTRACEレベルのログを永続的に書き込み続ける
  • 21日間で約37TBの書き込みが発生(年間換算で約640TB)
  • RUST_LOG=warn を設定しても、SQLiteシンクはTRACEレベルで書き込み続ける(環境変数を無視する)
  • SQLiteのWAL(Write-Ahead Logging)モードにより、書き込み増幅(Write Amplification)が発生

なぜ深刻なのか

一般的な1TBコンシューマ向けSSDには、メーカーが保証する書き込み総量の上限値「TBW(Terabytes Written)」が設定されています。Samsung 990 PRO 1TBの場合、TBWは約600TBです。この1つのバグだけで、SSDの保証寿命を1年未満で消費してしまう計算になります。

2026年6月23日時点で、3つのPRがマージされ約85%のログ削減が見込まれていますが、完全な修正にはまだ至っていません。

ワークアラウンド

macOS/Linuxユーザーは、シンボリックリンクでログファイルをRAMディスクにリダイレクトできます:

ln -sf /tmp/codex_logs.sqlite ~/.codex/logs_2.sqlite

このファイルに会話データは含まれないため、再起動時に失われても問題ありません。

他のAIコーディングツールの状況

Codex CLI以外のツールで同様の問題が報告されているか調査しました。

ツール SSD書き込み問題 備考
Codex CLI 深刻(640TB/年) TRACEレベルSQLiteロギング
Claude Code 過去に報告あり デバッグログ無限ループ、ファイル履歴肥大化
Claude Desktop 過去に報告あり 1時間で8-13GBの書き込み
Gemini CLI 報告なし -
Aider 報告なし -
Cursor 報告なし -
GitHub Copilot 報告なし -

Claude Codeの過去の問題

Claude Codeでは2つの関連する問題が報告されています:

  1. デバッグログ無限ループ (#16093):ロガーが75ms以上かかる操作をログに記録するが、デバッグログファイルが大きくなると書き込み自体が75ms以上かかるようになり、「ログの書き込みが遅い」というログを書き込む無限ループが発生。7日間で .claude/debug/ が42GBに膨張した事例がある

  2. ファイル履歴によるディスク枯渇 (#10107):ファイル履歴の追跡で300GBのディスク使用量が発生した事例がある

Claude Desktopの問題

Claude Desktopでも別の問題が報告されています(#43390):

  • 1時間で8-13GBのディスク書き込み
  • macOSがシステムディスク書き込み制限(閾値:86400秒間で約99KB/s)を超過としてフラグ
  • 実際の書き込みレートは2,000-5,000KB/s(閾値の20-50倍)

自分の環境を調査してみた

実際に自分のmacOS環境で、Claude CodeとClaude Desktopの状態を確認しました。

Claude Codeの調査

デバッグログディレクトリ

$ du -sh ~/.claude/debug
2.8M    /Users/username/.claude/debug

$ wc -l ~/.claude/debug/* | tail -1
   18431 total

2.8MB、合計約18,000行。114個のデバッグファイルがあり、最大のものでも207KB。無限ループバグ(#16093)で報告された42GB / 5億行超とは桁が全く違います。

ファイル履歴

$ du -sh ~/.claude/file-history
12M     /Users/username/.claude/file-history

12MB。ファイル履歴枯渇バグ(#10107)の300GBとは比較にならない正常な値です。

.claude/ 全体の内訳

$ du -sh ~/.claude/*/  | sort -hr | head -10
866M    plugins/
434M    projects/
266M    security/
 12M    file-history/
2.8M    debug/
532K    telemetry/

合計1.5GB。pluginsとprojectsが大部分を占めますが、いずれも正常な範囲です。

Claude Desktopの調査

Application Supportディレクトリの全体像

$ du -sh ~/Library/Application\ Support/Claude/
9.2G

9.2GBと一見大きく見えますが、内訳を確認します:

6.2G    vm_bundles/
1.1G    local-agent-mode-sessions/
1.1G    Cache/
240M    Code Cache/
225M    claude-code-vm/
206M    claude-code/
175M    Claude Extensions/
 10M    pending-uploads/

vm_bundles/ の正体(6.2GB)

最も大きい vm_bundles/ の中身を確認しました:

$ ls -lh ~/Library/Application\ Support/Claude/vm_bundles/claudevm.bundle/
-rw-------  rootfs.img       10G (apparent) → 5.6G (actual)
-rw-r--r--  sessiondata.img  749M (apparent) → 634M (actual)

rootfs.img はスパースファイルで、表示上10GBですが実ディスク使用量は5.6GBです。これはClaude Desktopのエージェントモードで使われるLinux VMのルートファイルシステムで、サンドボックス内でコード実行するために必要なものです。

バージョンごとに新しいバンドルが蓄積されるのではなく、1つのバンドルのみ存在していたので、バージョン肥大化の問題はありませんでした。

エージェントモードセッション(1.1GB)

$ ls ~/Library/Application\ Support/Claude/local-agent-mode-sessions/
26e16885-.../
  ├── 45517894-...   89M
  └── 5c883d62-...  984M (1,120 conversations)

3月から6月までの約3ヶ月分の会話履歴データ。バグではなく、通常の蓄積です。不要であれば削除して容量を回復できます。

macOSのディスク書き込み警告

$ log show --predicate 'process == "dasd" AND eventMessage CONTAINS "Claude"' --last 7d
(出力なし)

macOSからの過剰ディスク書き込み警告は検出されませんでした。

調査結果

チェック項目 結果 判定
Claude Code デバッグログ 2.8 MB 正常
Claude Code ファイル履歴 12 MB 正常
Claude Desktop ログ 52 MB 正常
Claude Desktop VMバンドル 6.2 GB(VM本体) 正常(基本コスト)
Claude Desktop セッション 1.1 GB 正常(蓄積、削除可能)
macOS ディスク書き込み警告 なし 正常

今回の調査では、既知のバグの影響は受けていませんでした。

定期的な監視のすすめ

現時点で問題がなくても、今後のアップデートで状況が変わる可能性があります。以下のコマンドで定期的にチェックすることをおすすめします:

# Claude Codeのデバッグログとファイル履歴のサイズ確認
du -sh ~/.claude/debug ~/.claude/file-history

# Claude Desktopの全体サイズ確認
du -sh ~/Library/Application\ Support/Claude/

# macOSのディスク書き込み監視(リアルタイム)
sudo fs_usage -w -f diskio | grep -i "claude"

異常な増加が見られた場合は、各ツールのGitHub Issueを確認してみてください。

まとめ

  • OpenAI Codex CLIの640TB/年ディスク書き込みバグは実際に深刻な問題
  • Claude CodeとClaude Desktopにも過去に類似の問題が報告されているが、現在のバージョンでは修正されている模様
  • 自分の環境では既知のバグの影響は検出されなかった
  • IDE系ツール(Cursor、Copilot)や軽量CLI(Aider、Gemini CLI)では同様の報告は見つからなかった
  • ローカルでTRACEレベルのSQLiteロギングを行うツールは特にリスクが高い傾向にある
  • 定期的なディスク使用量の監視が予防的な対策として有効

AIコーディングツールは便利ですが、バックグラウンドで何をしているか把握しておくことも大切です。特にSSDの寿命に関わる問題は、気づいた時にはすでに手遅れになっている可能性があるため、予防的な監視を心がけましょう。


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