
Amazon Connect Customer でコールフローのバージョンとエイリアスを指定できるようになりました
はじめに
Amazon Connect Customer で、フローのバージョンとエイリアスを利用できるようになりました。電話番号などにフローを関連付ける際、特定のバージョンやエイリアスを指定できます。
今回のアップデートは、AWS API Changes にフローのエイリアスを操作する API が追加されていたことをきっかけに気づきました。
エイリアスを利用すると、電話番号側の関連付けを変更するのではなく、エイリアスが参照するバージョンを更新することで、利用するフローの内容を切り替えられます。
本記事では、既存のフローにバージョンとエイリアスを作成し、参照先バージョンの変更、電話番号への関連付け、設定結果の確認まで試してみます。
バージョンとエイリアスとは
公式ドキュメントでは、バージョンとエイリアスを以下のように説明しています。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| バージョン | ある時点のフローの内容を保持する、変更できないスナップショット |
| エイリアス | 特定のバージョンへの参照。参照先のバージョンを変更できる |
例えば、prd というエイリアスを作成してバージョン1に関連付けておき、リリース時に参照先をバージョン2へ変更する、といった運用ができます。
電話番号からフローを参照する場合の違いは、以下のとおりです。
| 電話番号側の指定 | 参照するフローの内容 |
|---|---|
| バージョン、エイリアスともに未指定 | 最新の公開済みコンテンツ |
| バージョンを指定 | 指定したバージョン |
| エイリアスを指定 | エイリアスに関連付けられたバージョン |
バージョンやエイリアスの指定は任意です。指定しない場合は、最新の公開済みコンテンツが参照されます。
そのため、バージョンを作成するだけで、既存の電話番号の参照先が特定のバージョンに固定されるわけではありません。 公開と参照先の切り替えを分けたい場合は、電話番号側にもバージョンまたはエイリアスを指定します。
既存のフローにバージョンとエイリアスを設定してみる
今回は、電話番号に関連付け済みの既存のフローを利用しました。
設定は、以下の順に進めます。
- 既存の電話番号とフローの関連付けを確認する
- バージョン1とエイリアス
prdを作成する - フローを修正し、公開時にバージョン2を作成する
- エイリアス
prdの参照先をバージョン2に変更する - 電話番号にエイリアス
prdを関連付ける
今回は、先にエイリアスの参照先を変更し、その後で電話番号に関連付けています。
既存の電話番号の設定を確認する
まず、電話番号一覧を確認します。
「コンタクトフロー/IVR」列には、関連付け済みの既存のフローが表示されていました。

対象の電話番号をクリックすると、フローの選択欄の下に、エイリアスまたはバージョンを指定する項目が追加されていました。

この時点では、対象フローにバージョンもエイリアスも作成していないため、選択できる候補はありませんでした。
なお、今回の環境では、執筆時点で一部のラベルが説明文ではなく lily-admin-… という文字列で表示されていました。以降は、該当する項目を「エイリアス」「バージョン」と表記します。
バージョン1とエイリアスを作成する
対象フローを開き、[バージョン]タブを確認します。
今回の既存フローでは「バージョン(0)」と表示されており、番号付きのバージョンはまだ作成されていませんでした。

[バージョンを作成]を選択します。
作成画面では、バージョンの説明に加えて、エイリアスの関連付けも指定できました。今回は[エイリアスを作成]を選び、バージョンとエイリアスを同じ画面で作成します。
| 設定項目 | 今回の設定値 |
|---|---|
| バージョンの説明 | バージョン1です。 |
| エイリアスの関連付け | エイリアスを作成 |
| エイリアス名 | prd |
| エイリアスの説明 | 本番環境 |
prd は今回付けた名前であり、固定のエイリアス名ではありません。自身の環境に合わせた名前を指定してください。

[確認]を選択すると、バージョン1が作成されました。「関連エイリアス」列にも prd が表示されています。

この時点では、エイリアス prd がバージョン1を参照する状態です。電話番号側の関連付けは、まだ変更していません。
フローを修正し、公開時にバージョン2を作成する
続いてフローを修正し、公開します。
公開ダイアログでは、[新しいバージョンを作成]にチェックを入れました。バージョンの説明には、以下を入力しています。
バージョン2
〇〇を変更

[バージョンの公開と作成]を選択して、新しいバージョンを作成します。
なお、この操作はバージョンの作成だけでなく、フローの公開も行います。バージョンやエイリアスを指定せずにこのフローを参照している電話番号などは、最新の公開済みコンテンツを参照します。既存の参照元への影響を確認してから操作してください。
エイリアスの参照先をバージョン2へ変更する
[エイリアス]タブを開くと、prd の「関連バージョン」は、まだ 1 のままでした。
対象行の[アクション]から[編集]を選択します。

更新画面で、名前と説明は変更せず、「バージョン」を 2 に変更します。

[確認]を選択すると、更新完了のメッセージが表示されました。一覧の「関連バージョン」も 2 に変わっています。

新しいバージョンを作成しただけでは prd の参照先は変わらず、エイリアスの編集によってバージョン2へ変更できることを、管理画面で確認できました。
電話番号にエイリアスを関連付ける
電話番号の詳細画面に戻り、「コンタクトフロー/IVR」で対象の既存のフローを選択します。
エイリアス側を選択して選択欄を開くと、作成した prd が表示されました。説明の「本番環境」も確認できます。

また、エイリアスではなく、特定のバージョンを直接選択することもできました。
バージョン側を選択して選択欄を開くと、バージョン1とバージョン2が、それぞれの説明とともに表示されます。

今回は、最終的な関連付けにエイリアス prd を選択して保存しました。設定内容は以下のとおりです。
- 電話番号に関連付けるフロー:既存のフロー
- 指定するエイリアス:
prd- エイリアスの参照先:バージョン2
- 指定するエイリアス:
これで、電話番号からエイリアス prd を参照する設定になりました。
電話番号への関連付け結果を確認する
電話番号一覧の表示を確認する
エイリアスを指定して保存した後、電話番号一覧を確認しました。
今回の環境では、「コンタクトフロー/IVR」列は引き続きフロー名のみの表示で、エイリアス名は表示されませんでした。

一覧だけでは、フローのみを指定しているのか、エイリアスまで指定しているのかを判別できませんでした。
電話番号の詳細画面で確認する
一覧から対象の電話番号をクリックし、詳細画面を開きます。
「コンタクトフロー/IVR」には既存のフローが、エイリアスの選択欄には prd が表示されていました。

電話番号一覧にはエイリアス名が表示されませんでしたが、詳細画面を開くことで、prd が関連付けられていることを確認できました。
変更履歴で確認する
電話番号一覧の[変更履歴の表示]からも、関連付けの変更内容を確認しました。
変更前の欄にはフロー名のみが表示され、変更後の欄には、フロー名に加えて Alias: prd が表示されています。

これにより、電話番号の関連付けが「フローのみ」から「フローのエイリアス prd」へ変更されたことを確認できました。
まとめ
Amazon Connect Customer の既存フローにバージョンとエイリアスを作成し、エイリアスの参照先変更、電話番号への関連付けまで確認しました。
今回の環境では、電話番号一覧にエイリアス名は表示されませんでしたが、電話番号の詳細画面と変更履歴から関連付けを確認できました。
バージョンやエイリアスを指定しない参照元は、最新の公開済みコンテンツを参照します。公開と利用バージョンの切り替えを分けて運用する場合は、エイリアスの作成だけでなく、電話番号側の関連付けまで確認しておきたいところです。









