Aurora / RDS バージョン提供タイムラインが公開されたので、2026年5月時点の現状を調べてみた

Aurora / RDS バージョン提供タイムラインが公開されたので、2026年5月時点の現状を調べてみた

AWS が Aurora / RDS のオープンソースエンジンについて、バージョン提供タイムライン(新バージョンを何日以内に提供するかの目標値)を公開しました。2026年5月22日時点の実績と突き合わせたところ、RDS for PostgreSQL は即日(目標7日以内)、RDS for MySQL は17日(目標30日以内)で提供されていました。
2026.05.22

はじめに

2026年5月21日、AWS Database Blog に以下の記事が公開されました。

https://aws.amazon.com/jp/blogs/database/knowing-when-new-open-source-database-engine-versions-release-on-amazon-aurora-and-amazon-rds/

Aurora / RDS のオープンソースエンジンについて、コミュニティリリースから AWS 提供までの目安をエンジン・リリース種別ごとに明示した内容です。本記事ではこれを便宜上「公約」と呼びますが、SLA や保証ではなく、あくまで目標値です。

同日公開の Aurora MySQL 8.4 GA ブログでも同じタイムライン表が再掲されています。Aurora MySQL 8.4 自体は別記事で扱う予定ですが、関連告知として紹介します。

https://aws.amazon.com/jp/blogs/database/amazon-aurora-mysql-8-4-is-now-generally-available/

従来と今回の違いを整理します。

項目 従来 今回以降
新バージョンの提供時期 不明(目安なし) エンジン・リリース種別ごとにタイムラインが公約
計画可能性 AWS の告知待ち 公約に基づいてアップグレード計画を事前に立てられる

AWS が示すタイムライン目標

ブログで公開されたタイムラインの一覧です。MariaDB も含めて掲載しますが、本記事の実績確認は PostgreSQL と MySQL に絞ります。

エンジン リリース種別 タイムライン
RDS for PostgreSQL マイナー 7日以内
RDS for PostgreSQL メジャー 30日以内
RDS for MySQL マイナー 30日以内
RDS for MySQL メジャー 6ヶ月以内
RDS for MariaDB マイナー 30日以内
RDS for MariaDB メジャー 3ヶ月以内
Aurora PostgreSQL マイナー 3ヶ月以内
Aurora PostgreSQL メジャー 8ヶ月以内
Aurora PostgreSQL Aurora LTS per major Aurora メジャー GA から12ヶ月以内
Aurora MySQL マイナー 3ヶ月以内
Aurora MySQL メジャー 12ヶ月以内
Aurora MySQL Aurora LTS per major Aurora メジャー GA から12ヶ月以内

PostgreSQL: コミュニティ vs RDS vs Aurora(2026年5月22日時点)

コミュニティの最新マイナーリリースは 2026年5月14日(17.10, 16.14, 15.18, 14.23)でした。RDS は同日 5月14日に提供を開始しており、公約7日以内に対して即日(0日)という結果です。Aurora は4月6日提供分(17.9, 16.13, 15.17, 14.22)が最新で、5月14日分は未提供です。公約3ヶ月以内のため、8月頃までに提供される見込みです。PG 18 はマイナー追従ではなくメジャー対応状況の参考として併記しています。

メジャー コミュニティ リリース日 RDS 提供日 日数差分 Aurora 提供日 バージョン差分
18 18.4 5/14 18.4 5/14 0日 Preview
17 17.10 5/14 17.10 5/14 0日 17.9 4/6 1マイナー遅れ
16 16.14 5/14 16.14 5/14 0日 16.13 4/6 1マイナー遅れ
15 15.18 5/14 15.18 5/14 0日 15.17 4/6 1マイナー遅れ
14 14.23 5/14 14.23 5/14 0日 14.22 4/6 1マイナー遅れ

RDS は日数差分(コミュニティリリースからの経過日数)、Aurora はバージョン差分(コミュニティ最新との差)で記載しています。

なお、本記事では AWS 公式ドキュメント / リリースノート上での提供開始日を基準としています。実際に利用可能なバージョンはリージョンやエンジン設定によって差が出る可能性があります。

MySQL: コミュニティ vs RDS vs Aurora(2026年5月22日時点)

コミュニティの最新リリースは 2026年4月21日(8.4.9, 8.0.46, 9.7.0)でした。RDS は 8.4.9 と 8.0.46 を5月8日に提供しており、コミュニティから17日です。公約30日以内に対し、約半分の期間で提供されていました。

Aurora MySQL は5月21日に 8.4.7 互換のバージョンを提供しています。従来 Aurora MySQL は独自番号体系(3.x = MySQL 8.0 互換)でしたが、8.4 からはコミュニティバージョンと直接対応する番号に変更されています。以下の表ではこの両方の番号体系が混在しています。

シリーズ コミュニティ リリース日 RDS 提供日 差分 Aurora 対応バージョン 提供日
9.7 9.7.0 4/21 Preview 未提供
8.4 8.4.9 4/21 8.4.9 5/8 17日 8.4.7 MySQL 8.4.7互換 5/21
8.0 8.0.46(最終リリース) 4/21 8.0.46 5/8 17日 3.12(≈8.0.44互換) MySQL 8.0.44互換 2/17

MySQL 9.7 は Oracle MySQL の新 LTS メジャーとして登場しました。RDS では Preview 提供のみですが、公約6ヶ月以内に基づくと 2026年10月頃が GA の目安になります。

MySQL 8.0.46 はコミュニティ 8.0 系の最終リリースです。Oracle の Premier Support は 2025年4月に、Extended Support も 2026年4月に終了しており(MySQL Product Support EOL Announcements)、今後新たなマイナーリリースは予定されていません。後継 LTS は 9.7 系です。

結果の背景・メカニズムの考察

RDS for PostgreSQL が即日提供できる理由について、公式ブログでは「PostgreSQL and MariaDB communities develop in the open, which lets us start validation early」と説明されています。

Aurora が RDS より遅れやすい理由については、「Aurora adds a distributed storage layer, Global Database, and serverless capabilities... Every new version goes through additional validation」と説明されています。

今回のタイムラインで最もインパクトが大きいのは「Aurora LTS per major: Within 12 months of Aurora major GA」が明文化された点です。Aurora LTS 自体は 2019年から存在する仕組みですが、いつ出るかは不明でした。過去には Aurora MySQL 3(2022年4月 GA)で LTS 3.04 の指定が 2023年10月と、約18ヶ月を要したケースがあります(出典: What's New 2023/10/25)。12ヶ月以内に提供される目安が示されたことで、「Aurora メジャーが GA したら、LTS の登場時期を見積もれる」ようになりました。LTS 待ちの本番投入判断やアップグレード計画のタイムラインを事前に引けるようになった点は大きな変化です。

ここで言う「Aurora LTS」は Aurora 独自の Long-Term Support release 指定(例: Aurora MySQL 3.04 LTS)を指します。Oracle MySQL 側の LTS メジャー(例: MySQL 8.4 LTS)への Aurora の対応目安は、上記表の「メジャー」行で別途定義されているため混同しないよう注意してください。なお、Aurora LTS を選択している場合はマイナーバージョンが固定されるため、このタイムラインの恩恵は次の LTS リリースタイミングで受けることになります。

注意事項・Tips

リリースを検知する手段

新バージョンのリリースを追跡するには、以下の手段が利用できます。

手段 URL / 設定 用途
PostgreSQL News RSS https://www.postgresql.org/news.rss コミュニティの新バージョンリリースを即日キャッチ
AWS What's New RSS https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/recent/feed/ RDS/Aurora の新バージョン提供開始をキャッチ(カテゴリタグ general:products/amazon-aurora 等でフィルタ可能)
RDS Event Subscriptions (SNS) maintenance カテゴリを購読 自分の DB インスタンスに「マイナーバージョンアップグレードが利用可能」(RDS-EVENT-0155 / RDS-EVENT-0156)の通知が届く

MySQL は公式 RSS フィードが確認できなかったため、AWS What's New RSS または dev.mysql.com のリリースノートページを定期確認する運用になります。

RDS Event Subscriptions の詳細は以下を参照してください。

https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/USER_Events.Messages.html

まとめ

公約と実績を突き合わせた結果、RDS は公約より短い期間で提供されており、Aurora は AWS 側の追加作業がある分、時間がかかるものの、今回示された3ヶ月・8ヶ月・12ヶ月といった目安を前提にアップグレード計画を立てることが現実的になりました。今回の公約で特に実用的なのは、「Aurora LTS per major: Within 12 months of Aurora major GA」という目標が明文化された点です。Aurora LTS を待って本番投入したいケースでは、今回の告知をアップグレード計画の前提として活用ください。

参考リンク

この記事をシェアする

AWSのお困り事はクラスメソッドへ

関連記事