Kiro(エンタープライズ契約) の超過利用額(overage)上限を引き下げてみた

Kiro(エンタープライズ契約) の超過利用額(overage)上限を引き下げてみた

Kiro の overage 上限は AWS Service Quotas で管理できますが、現在値より低い値への変更は API では申請できません。本記事では、AWS Support ケースを起票して上限を引き下げた結果をもとに、申請時に伝える情報、対応の流れ、AWS CLI で設定値を確認する方法を紹介します。
2026.07.28

はじめに

エンタープライズ契約の Kiro、2026年7月のアップデートで超過利用(overage)の上限を AWS Service Quotas で管理できるようになりました。

https://dev.classmethod.jp/articles/kiro-service-quotas-overage-cap/

先行記事では上限の引き上げを試みましたが、本記事では AWS Support ケースを通じて上限を引き下げた結果を紹介します。

検証内容

クォータの識別情報は次のとおりです。

項目
ServiceCode kiro
QuotaCode L-75434B0B
QuotaName Maximum allowed overage per Kiro profile
Unit None(ドル額を直接指定)
Adjustable true
QuotaAppliedAtLevel ACCOUNT

このクォータは、Kiro プロファイル内のサブスクリプション(ユーザーおよびグループ)単位の overage 上限です。

$200 を上限にする理由

Kiro の付帯クレジットを超過したときに発生する、1クレジットあたり $0.04 の従量課金を最小化する方針です。希望値の $200 は、Pro Max(月 $100 / 付帯 5000 クレジット)の運用を前提に決めました。付帯クレジット 5000 を使い切ったあと、追加で 5000 クレジットを overage で使うと、5000 × $0.04 = $200 になります。overage 単価とプラン別の付帯クレジット数は Kiro の料金ページ に記載されています。

各サブスクリプション(ユーザーおよびグループ)で overage が $200 に達する前に、Power へ変更する運用を想定しています。Power への実際の変更操作や、上限到達時の利用制限の挙動は本記事では検証していません。Pro Max の付帯クレジット単価($0.02/credit 相当)の算出根拠やプラン変更の損益分岐点は、次の記事にまとめています。

https://dev.classmethod.jp/articles/kiro-pro-max-breakeven-update/

API では引き下げできない仕様

Service Quotas の RequestServiceQuotaIncrease は、現在値より大きい値への変更のみを受け付ける API で、引き下げには使えません。

現在値より小さい値を指定してリクエストすると、次のエラーが返ります。

An error occurred (IllegalArgumentException) when calling the RequestServiceQuotaIncrease operation:
You must provide a quota value greater than the current quota value

AWS Support ケースの起票と対応

起票時には、次の情報を含めました。

  • AWS Account ID
  • Service: Kiro
  • Quota name: Maximum allowed overage per Kiro profile
  • Quota code: L-75434B0B
  • Region: us-east-1
  • Current applied value: $420
  • Desired value: $200
  • 背景説明(overage 上限を $200 にしたい理由)
  • API で引き下げできなかった旨とエラーメッセージ

背景として、$200 を Power への切り替えの判断に使う上限として設定したことを伝えました。

ケースの概要です。

項目 内容
件名 Request to decrease Kiro quota "Maximum allowed overage per Kiro profile" from $420 to $200
依頼内容 L-75434B0B を $420 → $200 に引き下げ
サービス分類 service-service-quotas / general
ステータス resolved

対応は次の経過でした。

  • 2026-07-13 06:56 UTC — ケース起票
  • 2026-07-16 07:13 UTC — ケース解決(ステータス resolved

引き下げ後のクォータ値の確認

ケースが resolved になったあと、CLI でクォータ値が $200 に変更されていることを確認しました。

aws service-quotas list-service-quotas \
  --region us-east-1 \
  --service-code kiro \
  --query "Quotas[?QuotaCode=='L-75434B0B'].{QuotaName:QuotaName,Value:Value,Adjustable:Adjustable}"
[
    {
        "QuotaName": "Maximum allowed overage per Kiro profile",
        "Value": 200.0,
        "Adjustable": true
    }
]

まとめ

今回は AWS Support ケースを通じて、Kiro の overage 上限を引き下げるよう依頼し、$200 への変更を確認できました。Kiro Web やヘッドレスで Kiro を利用する環境では、意図しない長時間実行による高額な従量課金を抑えるためのガードレールとして設定できます。エンタープライズの Kiro 環境を管理する場合は、現在の設定値を確認し、超過利用額の上限を予算や利用方針に合わせて設定しておくことをおすすめします。


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