
IT未経験の私が、ClaudeでいつのまにかMTG資料を作れるようになっていた話
はじめに
こんにちは、リテールアプリ共創部 ソリューションセールスの石原です。
この記事は、IT未経験で入社した営業の私が、Claudeでいつのまにか初回MTG資料を作れるようになっていた話です。「自分にAIは縁がない」と思っている方にこそ、読んでいただけたら嬉しいです。
先に、自分のことを少しお話しさせてください。
私の前職も営業でしたが、業界はIT業界とはまったく無縁。お客さまも個人向けのいわゆる toC で、法人相手の営業はクラスメソッドが初めてです。提案資料はパワーポイントで手作業、1つに何時間もかけても、出来栄えは人によってバラバラ、ということが当たり前でした。
そんな私が入社してすぐに出会ったのが、Claudeでした。
正直、最初は「これは無理だ」と思いました。画面のなかを英語まじりの文字が勝手に次々と流れていくのを見て、「これは完全にエンジニアの人が触るやつだ。私にはぜったいに操作できる気がしない」と、ちょっと引いてしまったほどです。
それまでも生成AIは個人的に使っていましたが、ちょっとした質問をしたり、調べものをしたりする程度で、自分の仕事に直結するイメージは正直ありませんでした。
そんなとき、先輩から「これで資料を作れるよ」と教えてもらいました。そこまでできるのかと、半信半疑でした。
そもそも触り方がわからない
Claudeを「資料作成に使う」となると、ChatGPT や Gemini のアプリでチャットしていたのとは、まったく話が違いました。
私が触ったのは Claude Code というツールです。
最初のセットアップは先輩に手伝ってもらいました。手順は、ざっくりこんな感じでした。
- VSCode(メモ帳のようなもの)をパソコンに入れる
- VSCode に Claude Code の拡張機能を入れる
- ブラウザでClaudeにログインして、VSCodeから使えるようにする
- 部署内で共有しているフォルダを、自分のパソコンにダウンロードする
- そのフォルダをVSCodeで開く
- Claude Codeのチャット画面で、日本語で話しかけてみる
一度セットアップが終わってしまえば、あとは日本語で頼むだけでした。
私が日常やっているのは、たとえばこういう頼み方です。
- 顧客からいただいた問い合わせ内容をコピペして「問い合わせ内容をまとめて」 → 整理されたテキストファイルになって出てくる
- 「この問い合わせで案件のファイル一式を作って」 → 案件フォルダがそのまま作られる
- 「MTG資料作って」 → 初回MTG用の資料一式が出てくる
しかも、こうしてできた問い合わせのまとめも、案件フォルダも、MTG資料も、すべてファイルとしてチームの共有フォルダに残っていきます。案件ごとの履歴が、自然と会社の資産として積み上がっていく仕組みです。後から「あの案件、どうだったっけ?」と振り返るときも、誰かの頭のなかではなく、ファイルを見ればわかる状態になっています。
初回MTG資料を作ってみる
最初に任されたタスクの1つが、初回MTG資料の作成でした。
初回MTG資料には、だいたいこんな情報が必要だと教わりました。
- 相手企業の事業内容や規模
- 直近の中期経営計画やプレスリリースで言っていること
- 業界の動向と、相手が抱えていそうな課題
- 同業界での類似の取り組み事例
- それに対して、私たちが何をご提案できそうか
- 概算の費用感・スケジュール感
- 当日ヒアリングしたい項目(ご予算感や、他社さんの検討状況など)
こうして書いてみて改めて思うのですが、これまでの営業ではここまで深く企業情報を読み込む必要がなかったので、そもそも「どこを調べたらいいか」が分からない情報ばかりです。
業界の理解もままならず、相手が抱えていそうな課題も浮かんできませんでした。
それが、Claudeに頼むとあっさりできてしまいます。
「○○社さんの初回MTG資料を作って」とお願いすると、
- 会社のホームページを読みに行って事業内容をまとめてくれる
- IR資料やプレスリリースから直近の動きを拾ってきてくれる
- 業界の動向を踏まえて「ここが課題かもしれない」と推測してくれる
- 初回MTGで触れるべき順番に並べてくれる
しかも、それを「初回MTGの前に押さえておいた方がいい情報」だけにかいつまんで、ちゃんと資料の形にしてくれます。わざわざ「IR資料を見て」「業界動向も調べて」と1つ1つお願いしなくても、「初回MTG資料を作って」とだけ伝えれば必要なステップを勝手に踏んでくれます。
なぜそんなことができるのか
Claude Code には Skill という仕組みがあります。業務のやり方や判断のコツを書いたメモを作っておくと、Claudeが仕事を頼まれたときに自動でそれを参照して、書かれた通りに進めてくれるようになります。私の部署では、先輩たちが、いろいろなノウハウを Skill にまとめてくれていました。たとえば、
- 企業を調べるときに見るべき観点(事業内容・IR・プレスリリースなど)
- 業界別に想定される課題の仮説
- 同業界での類似の取り組み事例の探し方
- 概算の費用感の出し方
- クラスメソッドの会社紹介ページが、資料の決まった位置に自動で入る仕組み
など、書き溜められたノウハウは結構な量になっています。
つまり私は、
- 「初回MTG資料を作って」と言うだけで
- 先輩たちのやり方をClaudeが代わりに辿ってくれて
- 結果として、私が知らないはずの観点まで含めた資料が出てくる
先輩たちのノウハウに、ただ乗っからせてもらっていただけです。
いつのまにか「作れるようになっていた」
最初のうちは、Claudeが作ってくれる資料を見て「すごい」と感心するだけでした。
でも何件か担当していくうちに、少しずつ手応えが変わってきます。今でも先輩のレビューはもらっていますが、そこそこ形になる資料を自分でも出せる場面が増えてきました。
「あれ、私、初回MTG資料が作れる人になってる?」
と一瞬思いましたが、たぶん違います。
知識のない私が頑張ったわけではなく、知識を持っている側(Claudeと、そこに業務のノウハウを蓄積してきた先輩たち)に、私もちゃんとアクセスできるようになっていた。
- 先輩のフィードバックがメモリに残っている
- やり方の手順が Skill に書かれている
- 過去案件の議事録や分析がファイルに残っている
だから、私でも資料が作れていたんです。
「IT未経験だから資料なんて作れない」と思っていましたが、どうもそうではないらしい、と初めて思えた瞬間でした。
AI任せにして、ヒヤッとした話
便利だな、すごいな、と感動しているうちに気づいたのですが、AI任せにしてしまうと、結局自分が困ります。
LINEミニアプリを検討中のお客さま向けに、初回MTG資料を作ったときの話です。
見積もりに「初期費用」「開発費」「LINE公式アカウントの利用料」と項目が並んでいて、私は「ちゃんと揃ってるな」と思ってそのまま持っていこうとしました。ところが、先輩にレビューしてもらったら、こう言われました。
「これ、お客さまはもうLINE公式アカウントを運用してるよ。LINE公式アカウントの利用料はすでに払ってるから、ここに料金案内を入れる必要ないよ」
たしかに、冷静に考えてみれば、すでにLINE公式アカウントの料金を支払っているお客さまに、改めて料金案内をする必要はありません。お客さまから見ても、自分たちがLINE公式アカウントを使っていることを把握してもらえていない提案は、マイナスの印象を与えかねません。
Claudeも、「このお客さまがすでにLINE公式アカウントを運用しているか調べて」と頼めば、ちゃんと調べてくれます。ただ、私がその指示を出していなかったので、必要そうな項目をひと通り入れた資料を作ってくれただけでした。
そのまま出していたら、「うちの状況を全然分かっていない提案」として、一発で信頼を失っていたと思います。
同じ失敗を、仕組みで防ぐ
この一件のあと、どうすれば同じことを起こさずに済むかを考えました。
あとから思えば、お客さまがLINE公式アカウントを運用しているかどうかは、Claudeに「事前に調べて」と頼めば、会社のホームページや公式アカウント一覧から普通に調べられることでした。最初からそう頼んでおけば済む話でした。
そこで、初回MTG資料を作る Skill に、こんな手順を書き足しました。
- 資料を作る前に、お客さまがすでにLINE公式アカウントを運用しているかを調べる
- もし運用していれば、見積もりに「LINE公式アカウントの利用料」は入れない
これで、少なくとも同じ失敗は起きにくくなります。自分のミスを「気をつけよう」で終わらせず、Skill に書き足しておけば、次に同じような案件を担当する人も、同じ失敗をしなくて済みます。
分からないところは、必ず聞き直す
Claudeが作ってくれた資料には、私が分かっていない用語や、なぜこの順番なのか説明できない部分が出てきます。そのままMTGに持っていって「これはどういう意味ですか?」と聞かれても、何も答えられません。
なので、分からないところは必ずClaudeに聞き直します。
- 「LIFFって何ですか?IT未経験者にもわかるように教えて」
- 「なんでこの順番なんですか?素人でも分かるように説明して」
こう聞くと、ちゃんと噛み砕いて教えてくれます。Claudeに作ってもらった資料を、自分の言葉でMTGで話せる状態にする。ここまでやって、ようやく「自分の仕事」になるのかな、という気がしています。
私も Skill にノウハウを書き足す側になった
最初は「Claudeが作ったものは正解」だと思ってそのまま使っていました。でも最近では、Claudeが作ってくれた資料を見て、「この順番だと提案が伝わりにくいから入れ替えてほしい」「この観点は今回はそこまで要らないかも」と、自分なりに判断できるようになってきました。
こういうフィードバックも、その場で言うだけで終わらせず、さっきのLINE料金の話と同じように、Skill に書き足していくようにしています。
おわりに
最初は「操作できる気がしない」と腰が引けていたのに、気がつけば、Claudeがないと仕事にならないくらい毎日使うようになっていました。
もし同じように「自分にAIは縁がない気がする」と思っている方がいたら、気軽に触ってみてほしいです。設定さえ乗り越えてしまえば、あとはやりたいことを日本語で頼むだけ。分からないことがあれば何度でもClaudeに聞き直せますし、AIは同じことを何回聞いても怒りません。人相手だと気が引けてしまう「何度も聞くの?」みたいな遠慮も、Claudeが相手なら要らないというのが、私にはありがたいところでした。
そして、もし使いこなせるようになったら、学んだことを Skill に書き足すところまで踏み込んでみてください。業務のノウハウが個人の頭のなかだけに留まっているのは、組織としてはもったいないと思います。仕組みに残しておけば、誰が作っても一定のクオリティの営業資料が、より短い時間で作れるようになりますし、次に同じ仕事をする人も、少しでも楽なところから始められます。





