
ServiceNow Voice with Amazon Connect で発信者電話番号から Consumer 情報を自動紐付けできるか試してみた
はじめに
以前、ServiceNow Voice with Amazon Connect の標準連携を PDI 環境でゼロから構築し、着信から Interaction の自動作成、録音・トランスクリプトの連携までを確認しました。
今回はその続きとして、着信した発信者番号をもとに、ServiceNow CSM(Customer Service Management)側の Consumer(個人顧客)情報と自動的に紐付けられるかを確認しました。
前提
今回の検証環境は、前回記事と同じ PDI(Personal Developer Instance)と Amazon Connect インスタンスを使用しています。アプリケーションのインストールや Setup Guide の各ステップは前回記事の内容が前提になるため、本記事では割愛します。
Interaction とは
ServiceNow CSM(Customer Service Management)における Interaction は、電話やチャットなど、リアルタイムで発生する顧客との接点そのものを表すレコードです。Amazon Connect の Contact(1件の通話やチャットのやり取り)とほぼ同じ役割を持つ概念だと捉えると分かりやすいです。
本記事に登場する IMS0000001 のような番号のレコードは、すべてこの Interaction です。
事前準備
発信者番号から Consumer を照合するには、あらかじめ照合対象となる Consumer レコードを作成しておく必要があります。また、Amazon Connect から ServiceNow を呼び出すサービスアカウントにも、追加でロールを付与する必要がありました。
Consumer レコードの作成
CSM Configurable Workspace の左メニューから Customer > Consumers を開き、右上の New をクリックします。

Customer - Consumers の一覧画面。右上に New ボタンがある
フォームに以下を入力します。
- First name / Last name:任意の値(本記事ではテスト / 太郎としました)
- Mobile phone:着信テストに使用する電話番号(例:+8150xxxxxxxx)
入力後、Submit(または Save)で保存します。

Consumer の新規作成フォーム。Mobile phone に着信テスト用の電話番号を入力している
サービスアカウントへのロール追加
前回記事では、Amazon Connect から ServiceNow を呼び出すサービスアカウント(svc_connect_voice)に、sn_cti_core.service、flow_operator、sn_customerservice_agent の 3 ロールを付与していました。
今回、発信者番号と Consumer の紐付けを確認したところ、この 3 ロールに加えて sn_customerservice.customer_data_viewer ロールを付与する必要がありました。
公式ドキュメントでは、このロールは Account、Consumer、Household(世帯)データおよびその関連リストへの読み取りアクセスを提供するロールであると説明されています。
ServiceNow の CSM では、Interaction や Case を扱う権限(sn_customerservice_agent)と、Account や Consumer といった顧客の個人データを閲覧する権限が分かれています。今回の検証で確認できた範囲では、sn_customerservice_agent だけでは発信者番号から Consumer を検索する処理が正しく機能せず、sn_customerservice.customer_data_viewer を追加したことで Consumer との紐付けが確認できるようになりました。

svc_connect_voice の Roles 一覧。sn_customerservice.customer_data_viewer を追加した状態
動作確認
Consumer レコードの作成とロール追加を終えた状態で、登録した電話番号から着信テストを行いました。
着信中はポップアップが出ない
着信中、ソフトフォン(OpenFrame)側には、発信者番号以外の顧客情報は特に表示されませんでした。
通話完了後に Consumer が紐付く
通話が完了すると、Interaction に Consumer が自動的に紐付けられるようになりました。

Interaction 一覧の Consumer 列に、作成した Consumer が表示されている
Number(例:IMS0000022)をクリックすると、その Interaction の詳細画面に遷移しました。Details タブの Consumer 欄にも「テスト 太郎」が表示されています。

Interaction の Details タブ。Consumer 欄に紐づいた Consumer が表示されている
Consumer 側の画面でも紐付けを確認できる
Consumer の一覧から対象のユーザーをクリックすると、Consumer 側のレコード画面からも紐付いた情報を確認できました。

Customer - Consumers の一覧画面。対象の Consumer をクリックする
Consumer のレコード画面の Customer Information タブでは、連絡先情報に加えて、High-priority cases や Recent chat interactions などのウィジェットが並ぶダッシュボード形式の画面を確認できました。

Consumer レコードの Customer Information タブ
Customer History タブでは、このConsumerに紐づく通話のアクティビティがタイムライン形式で確認できました。

Consumer レコードの Customer History タブ
Interactions タブでは、このConsumerに紐づく過去のInteraction一覧を確認できました。

Consumer レコードの Interactions タブ
同じ電話番号を複数の Consumer に登録した場合
「テスト 太郎」と同じ電話番号で、別の Consumer も作成して着信テストを行いました。
今回の検証では、Interaction は先に作成した「テスト 太郎」に紐付き、後から作成した Consumer には紐付きませんでした。
まとめ
ServiceNow Voice with Amazon Connect の標準連携で、発信者番号をもとに、通話の Interaction と ServiceNow CSM の Consumer を自動で紐付けられることを確認できました。紐付け後は、Interaction の詳細画面だけでなく、Consumer 側の画面からも通話履歴を確認できます。
一方、今回の検証では、着信時に顧客情報がポップアップ表示される動作は確認できず、Consumer との紐付けを確認できたのは通話完了後でした。着信時の顧客情報表示が必要な場合は、今回確認した動作との違いを踏まえ、追加の設定や実装が必要かを検討するとよさそうです。










