Alexa Salon meets NOIDでNOIDの話をしてきた。 #AlexaSalon #Alexa #NOID

2018.12.12

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せーのでございます。
今日は先日神谷町は㈱アイリッジ様オフィスにて開催された「Alexa Salon meets NOID」に参加、しゃべってきましたのでレポートいたします。

セッション

こちらが登壇資料になります。といってもこれだけではなんのこっちゃ、かと思いますが。。。

今回の登壇のテーマは「質の高いスキルを作るための開発プロセスはどうするべきか」というものでした。
クラメソ的には自社制作、お客様案件合わせて、結構な数のスキルを企画、作成してきました。その経験から言うと「未だ銀の弾丸などはない」というのが率直な意見です。ソリューションを提供する側としてはなるべく「型にハメたい」「パターン化して自動化して安く速くたくさん作る」という形に持っていきたいのが人情です。ですが、これが機能するソリューションというのは「開発業務に多くの比重がかかるプロセス」の場合です。開発部分であればフレームワークの活用、デプロイフローの整備、テストからのフィードバックをCI/CDに載せる等で開発工数を抑え、バグを少なくすることができます。
この手法はもちろんAlexaのスキル開発でも適用できます。クラメソでもAlexaの運用、分析に必要なログの出力、開発の標準化を図るフレームワークの構築や、Codecommit、CodePipelineを使ったフローを整備して開発に臨んでいます。

しかし、これではどうしようもない部分の工数、というのがあります。VUIの場合それが「VUI設計」であり「実機テスト」となります。

GUIと違い、ユーザーの音声で操作するVUIは会話のパターンがほぼ無限にあります。想定を超えるシチュエーションは多々あり、スキルの起動中に突然子供が泣き出すかもしれませんし、ユーザー情報から聞きたいのに突然「とりあえずやって!」なんて言われるかもしれません。
質の高いスキルを作るためにはこの想定しない会話パターン(コンボブレイカー、といいます)にいかに対応するか、が大きなカギとなります。

VUIの実機テストは実際にテスターがEchoに話しかけることによって行います。つまり、ここがなかなか自動化できないわけです。
セリフのパターンを作ってフロー上の間違いがないかをチェックするテストツール、というのはあります。しかし問題は「想定したとおりに認識してくれるのか」「想定したタイミングで話してくれるのか」というものもテストには含まれることにあります。
作っている側は想定している流れでも、ユーザーにとってははじめての体験です。実は言葉に詰まってしまうような難しい質問を投げかけているのかもしれませんし、漢字で認識してくれるとばっかり思っていたらカタカナだった、という場合もあります(例えばAlexaは数字を認識すると漢数字でバックエンドに投げますがAmazon.NUMBERスロットに入ればそれは数字となります)。

つまり、この「VUI設計」「テスト」に比重が置かれているVUIというソリューションでは質を高めるためにパターン化することはなかなか難しいのです。トライアンドエラーを繰り返すことも多いですし、その段階で設計をまるっと変えることも多々あります。

そのようなソリューション構築においてNOIDのような「簡単に形ができるツール」というのは重宝されます。プロトタイプに使ったり、アイデアの共有に使ったりして「この会話フローは自然かどうか」というのをすぐに試せるので、現場でこういうツールを使いこなせる人がいると楽だな、と思います。

運営

Alexa Salonは基本クラメソ単体で企画、運営していまして、福岡開催の時にはスペシャル、として株式会社Fusicさんと共催の形を取らせて頂いています。ですが内容についても完全に共催する、ということはなかったです。今回はテーマが「NOID」ということでアイリッジ様と企画段階からがっつり話し合って共催させていただきました。

感想としては「勉強になる」という一言につきます。

普段それぞれの会社でイベントや勉強会を開催しているので募集形態や参加される方々のクラスタも違いますし、構成の立て方も違いました。
今回はそれぞれの媒体で募集をかけ、重複した参加者の方をマージする、という形で行いましたが、お互いに普段は見られない参加者の方々が集まることになり、懇親会が非常に盛り上がりました。参加者の方々もたくさんの交流ができたのではないでしょうか。私も色々な方とお話できて楽しかったです。

そして、何より今回セッションをして頂いたアイリッジの岩屋さんのプレゼンが私にとっては非常に勉強になりました。
私は元々エンジニアで、登壇する際も大体エンジニアに混じって登壇しますし、内容も基本、技術的アプローチが多いです。資料作成の時間が取れない時は「とりあえずコード載せとけば理解してもらえるだろう」と思うことも多かったり。。。

そんな中岩屋さんのプレゼンは「これぞビジネス向け」と思わせる、データを元にした説得力の高い、安定感のあるプレゼンでした。例えて言うなら、ソフトバンクの孫さんのような感じ、です。事例やデータをベースにしているのですが、堅苦しくなく、中盤から終盤にかけて参加者を巻き込んでアジテーションするようなプレゼンは様式として美しく、「ああ、こうやればいいんだ」と気付きの多いものでした。

これもこういう普段と違う形で色々な人と関わるイベントをしたおかげです。これからもクラメソだけではなく、色々な方々とマッシュアップしながら、刺激的なイベントを打っていければと思います。

まとめ

ということで内容も運営も初めての、とても楽しいイベントでした。
岩屋さんとせーのは次はAlexa Dev Summitにてお互い登壇することになっております。アイリッジ様は14日、クラメソは15日にそれぞれ登壇します。参加される方は是非楽しんでいただければと思います。

これで年内のAlexa Salonは終了となります。来年からはAAJUG(Amazon Alexa Japan User Group)関東支部もスタートします。
来年も刺激的な出会いがあるかと思うと、ワクワクする毎日です。