[レポート] Tabelau Software Inc.による基調講演:Tableau Data Day Out 東京 #tableau
こんにちは。DI部/奈良県民のtamaでございます。
2月28日(水)に、Tableau Data Day Outが開催されました。当エントリでは、Tableau本社(Tableau Software)による基調講演について、レポートしてきたいと思います。
Tableau Data Day Outの詳細については、以下をご覧ください。
2018年3月18日追記:
Tableau基調講演のスライドが公開されました。
Tableau Data Day Out - 東京 リソースページ | Tableau Software
目次
- セッション概要
- セッションレポート
- 前段の挨拶
- Tabelauの今後の展開について
- Tableau製品開発環境について
- Tableauの製品開発における過去、現在、未来
- Tableauの各機能の紹介
- 2018年以降のTableauの機能について
- まとめ
セッション概要
セッション概要は以下の内容となります。
Dan Miller, Executive VP Sales & Support, Tableau Software, Inc. J.Y.Pook, Senior VP of Asia Pacific, Tableau Software, Inc.他(各開発担当者が入れ替わりで発表)
セッション概要:
米Tableau本社の開発メンバーより、これまでの取り組みとこれからの取り組みについて発表致します。
セッションレポート
前段の挨拶
Senior Vice President of Asia Pacific J.Y.Pook氏より、前段の挨拶が行われました。
本イベント(Tableau Data Day Out)について
- Data Day Outとは
- データが大事だと考えている全ての人が集まるイベント
- アジア・パシフィック領域では、東京が一番最初の開催となる
- 今回の参加者について
- 2000名ほど登録があったときいている
- 大企業、中小企業問わず、色々な規模の企業が参加している
- 半分はTaleauユーザー、半分はこれからTableauを使おうか考えているユーザー
データの重要性
- データはデジタル時代の「石油」にあたるといわれている
- 2017年、英エコノミスト誌に掲載された言葉
- データは新しいコモディティである
- 1世紀前は石油がコモディティだった
- つまり、世の中は石油経済からデータ経済に変わっていっている
- 大量のデータがビジネスを変えてしまった
- 4大IT企業といわれているAmazon, Apple, Facebook, Google, 全て大量のデータを有効活用して成長している企業
- ちなみに、4社ともTableauのエンタープライズユーザー
Tableauの評価
- 今週、ガートナー社による最新のマジック・クアドラントが発表された
- Gartner Magic Quadrant for Business Intelligence (BI) 2018: The Good, The Bad, The Ugly…
- 6年連続(2014年から連続)Leaderの評価を受けた
- Tableauを社内標準アプリケーションにしてくれている企業も存在
Tabelauの今後の展開について
登壇者はDan Miller氏にチェンジ。
自己紹介
- Tableauではグローバルレベルでのセールスやサービス、サポートを担当
- 以前、東京に住んでいたことがある
- サン・マイクロシステムズ株式会社の社長として勤務
- その後、アメリカへ戻り、HP社→ジュニパーネットワークス社→オラクル社→Tableauへ
- Tableauほど熱狂的なユーザーの多い企業は初めて
Tableauの業績
- 2017年度(1月〜12月)
- 売上:約9億ドル
- 収益:約6億ドル
- サブスクリプション:約2億
- 昨年からサブスクリプション体系の料金制度をスタート
Tableauが真にフォーカスしていること
- 業績も大事だが、会社として注視はしていない
- 以前はレベニューを出すことが一番重要と考えていた
- 今は、人々がデータを見て理解できるように支援することに重きを置いている
- Tableauの一番大きいテーマ
- Tableauの差別化要因は、誰でも簡単に使用できるユーザーインターフェース
- データを理解しやすいソフトウェアとなっていることが強み
Tableauの急速に進むイノベーション
- Tableauはビジネスの価値を引き出す強力な分析が可能
- しかも、どのようなスキルレベルの人でも使用できる
- 一部のデータサイエンティストだけが使える…とかではない
- 企業がこれまで投資し続けてきたテクノロジーを利用し続けるようにする
- 企業がすでに持っているDBやDWHなどを、そのまま利用できるよう、Tableauはあらゆゆプラットフォームと連携できる
- ミッションクリティカルな分析プラットフォームを目指す
- アナリティクスだけではなく、ビジネスインテリジェンスにフォーカスする
- 今後、注力していく分野
- セキュリティ
- ITリーダー達が非常に重要視している分野
- ClearGraph社の買収
- Tableauは原則自社で開発を行うが、一部他社の技術を買収することもある
- ClearGraph社は昨年買収した、自然言語のサービス
- Tableauを自然言語で操作できるようにする
- もっと直感的な分析が可能(これをスマートアナリティクスと呼称)
- セキュリティ
お客様中心主義の追究
- お客様がTableauを本格的に導入し活用することにも力を入れていく
- 日本はお客様として最も注力しないといけない国と認識している
- 私は入社2日目にCEOから「お客様の成功に必要なことは何か?」と聞かれた。
- 48の項目を洗い出した。
- カスタマーサクセスのサイクル
- チャンス
- 製品選択
- 展開
- 製品の活用
- サブスクリプション更新
- 製品の見直し
- 「展開」と「製品の活用」にかなり労力を費やしている
-
今後もTableauを使いたいか、お客様に選択させる
Tableau製品開発環境について
登壇者は米Tableau社で開発マネージャーを務める高松氏にチェンジ。
製品開発環境
- Tableauの開発拠点
- バンクーバー
- シリコンバレー
- オースティン
- ミュンヘン
- Tableau本社があるシアトルはIT企業が活発
- 有名IT企業から来ているエンジニアが多数在籍
- 人種も経験もさまざま
- TableauはあらゆるDBとも親和性を保つというテーマがある
- 周りに多数のIT企業(DBの企業)があるため、連携がとりやすい
- 地の利を活かしている
- 開発チームも、日本は最重要顧客という認識
Tableauの製品開発における過去、現在、未来
登壇者はThierry D’Hers氏にチェンジ
BIツールの世代について
- 昔、産業革命があった
- 例えば運輸は…
- 運輸のパフォーマンスを改善していくことが目的
- 馬車→自動車→さらに高機能な車へと進化
- 現在は人工知能を活用する段階まできている
- AIを恐れるべきではない
- AIは人間を置き換えるものではない
- 人間の知恵を補完する役割
- AIを恐れるべきではない
- 例えば運輸は…
- BIも産業革命と同じことがいえる
- データから結果(インサイト)を得る時間を短縮していく
- 第1世代は週単位及び月単位での分析
- 第2世代は高次元な仕組みでデータを可視化できるようになった
- TableauやPowerBIはここ
- これからの第3世代は秒単位のデータ分析が可能になるだろう
- データからインサイトを得るまでの時間を短縮するために
Tableauの各機能の紹介
ここからは、Tableauの最新機能について、Tableau Softwareの各機能の担当者がそれぞれデモを交えて説明されていきました。
各機能の内容については、該当する弊社ブログエントリへのリンクも紹介していきます。
Hyperについて
登壇者はHyper担当のAllan Folting氏にチェンジ
Hyperの紹介と、実際にHyperを使用したデモを実演されました。通常のデスクトップPCで4億件のデータに対してフィルタやドリルダウンといった操作を適用し、全て1秒以内に結果が返ってくるという内容でした。 ※使用データは「GDELT」というデータです。(GDELT on AWS)
Developers.ioのHyperに関する記事
- Tableau 10.5新機能:新データエンジン「Hyper」〜そもそもHyperって?編 #tableau | Developers.IO
- Tableau 10.5新機能:新データエンジン「Hyper」〜TableauでHyperはどう使われている?編 #tableau | Developers.IO
- Tableau 10.5新機能:新データエンジン「Hyper」〜パフォーマンスを検証してみた編 #tableau | Developers.IO
PDFデータ対応
登壇者はSenior Product ManagerのRoger Hau氏にチェンジ
従来、PDFファイルを分析しようと思ったら、コピーしてExcelに貼り付ける必要がありましたが、Tableauは直接接続することができるという内容でした。(実際にPDFを読み込むデモも実演)
Developers.ioのPDFデータ対応に関する記事
データソースのレコメンド
引き続きRoger Hau氏が登壇。
- 例えばデータベースが150個くらいある場合(命名規則も無く、名称もバラバラ)
- TableauがベストなDBをレコメンドしてくれる
- 結合するべき別DBmの推奨する
- 「他にもこんなデータソースがある」というレコメンドもある
- 他のチームメンバーが作ったデータソースに自動でつながる
- データソース準備時間の短縮
Tableau Serverの新機能について
登壇者はProduct ManagerのCandy Wong氏にチェンジ。
Tableau Serverの「プロジェクト階層設定」「ツールチップ内のViz表示」「コメント投稿機能」「アラート通知機能」の4つについて、デモを交えて紹介されました。
Developers.ioのTableau Server新機能に関する記事
- Tableau 10.5新機能:Tableau Serverで「プロジェクトの階層構造」が出来るようになりました #tableau | Developers.IO
- Tableau 10.5新機能:Viz on Tooltip(ツールチップ内にVizを表示) #tableau | Developers.IO
- Tableau 10.4新機能:Tableau Serverのコメント機能 #tableau | Developers.IO
2018年以降のTableauについて
再びThierry D’Hers氏にチェンジ
- 2018年以降について
まとめ
Tableauが目指しているところとして、「誰でも使えるようにする(Tableauを通してデータを理解できるようにする)」、「データ分析〜インサイトの発見までの時間を短縮する」という大きな2つのテーマがあることがわかりました。最近のHyperやMaestroといった新機能・新プロダクトは、まさにその目的に応じて作られています。
今後、さらにデータ分析を高速に行うために、自然言語処理技術を採用するとのことですが、昨今は音声認識の技術もホットな分野ということもあり、Tableauの今後にますます目が離せなくなった基調講演でした。