【2025 年 4 月】Amazon Q で何ができる? 現時点の機能を調べてみた(Amazon Q Developer 編)

【2025 年 4 月】Amazon Q で何ができる? 現時点の機能を調べてみた(Amazon Q Developer 編)

はじめに

2023 年 11 月に発表された Amazon Q。
みなさんは、どのように使うものなのか、何ができるのかご存知ですか?

私はしばらく「AWS マネジメントコンソールに現れた英語の AI チャット」ぐらいの理解をしていました。

実際にはチャット機能にとどまらず、開発者が AWS を活用して課題解決を加速するためのさまざまな機能が用意されています。

今回は、目覚ましい進歩を遂げている Amazon Q Developer について、 2025 年 4 月 16 日現在の機能を調べてまとめました。

Amazon Q とは?

Amazon Q は、AWS が提供する生成 AI アシスタントです。
AWS に関する知識が豊富で、Amazon S3 や Amazon Kendra など AWS サービスと統合しやすい、などの特長があります。

Amazon Q には大きく 2 種類あります:

  • Amazon Q Developer:開発者支援特化。AWS の専門家として AWS 構築や運用、IDE や CLI でのコーディングを支援。
  • Amazon Q Business:業務自動化や社内ナレッジ活用を支援する法人向け機能。

本記事では Amazon Q Developer の GA 機能をまとめています。
月上限の設定はありますが無料で利用できますので気になった機能があればぜひお試しください。

Amazon Q Developer の機能

ウェブサイト・モバイルアプリ経由でのチャット

以下のサービス内で Amazon Q とチャットをすることができます。

  • AWS マネジメントコンソール
  • AWS モバイルアプリ
  • AWS 公式ドキュメントサイト

AWS の構築ベストプラクティスの相談やエラー診断、コスト分析、サポートケースの起票などを行えます。

例えばこんな相談:

  • 「AWS Organizations 組織内のすべての EC2 インスタンスをアカウント別・リージョン別に一覧表示して」
  • 「ターゲット グループ"my-target-group"のヘルスチェックが失敗するのはなぜですか?」
  • 「更新が必要な RDS クラスターはある?」
  • 「過去 3 か月間のサービス別のコストの内訳を教えて下さい」

AWS マネジメントコンソールからは、ログインしてすぐ右上のアイコンをクリックすればすぐ利用可能です。
q_manekon

現状日本語対応はしていませんが、こちらの公式ブログによると近日中にサポートされるようです。

https://aws.amazon.com/jp/blogs/devops/amazon-q-developer-global-capabilities/

IDE 統合

こちらは日本語に対応しています。

VSCode や Cloud9 をはじめとする各種 IDE と統合することで、Amazon Q によるソフトウェア開発支援機能を受けることができます。
前述の AWS に関するチャット機能を利用することもできますし、ワークスペース内のコードについて教えてもらうこともできます。
また、かつて Amazon CodeWhisperer という名前で展開していた GitHub Copilot のようなコード補完サービスが統合されています。

活用例:

  • ワークスペース内の既存コードについてドキュメント自動生成
  • 質問に応じてコード例を提示(例:"boto3 で S3 にアップロードする方法")
  • レガシーアプリケーションのバージョンアップ
  • リファクタリング・デバッグ・パフォーマンス向上
  • 作成したコードのレビュー
  • ユニットテスト自動生成
  • セキュリティ脆弱性の検知

いろいろな記事がでているので御覧ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/try-amazon-q-for-ides/

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-q-developer-japanese-language-support-ide-cli/

Amazon Q for command line

こちらも日本語に対応しています。

CloudShell にはあらかじめダウンロードされており(qコマンド)、
ローカル端末でも macOS, Linux 環境(WSL 含む) ならばインストールできます。

機能例:

  • チャット機能
  • シェルのオートコンプリート機能
  • 自然言語から CLI への変換

生成 AI の特性を活かし、自然言語からコマンドを作ってそのまま実行することができます。

q_cli
かなりざっくりした質問

こちらの記事でも実際にやってみた様子を見ることができます。
https://dev.classmethod.jp/articles/aws-cloudshell-supports-amazon-q-cli/

Amazon Q Developer in chat applications(旧称: AWS ChatBot)

かつて AWS Chatbot という名前だったサービスの進化系で、生成 AI の力で各種 AWS サービスと連携した Chat Ops を実現します。

Slack などのチャットアプリ内で Amazon Q Developer と会話ができるだけでなく、
たとえば CloudWatch アラームの発生をきっかけとした一連の ChatOps も実現できます。

  • 指定チャンネルにアラーム通知
  • Amazon Q Developer とのチャットによる診断情報の取得
  • AWS CLI の実行
  • 設定 Lambda 関数の呼び出し等、事前に定めたカスタムアクションの実行

日本語未対応ですが、こちらもマネジメントコンソールと合わせて対応が期待されます。

Console-to-Code

AWS マネジメントコンソールからの手動の操作を記録し、AWS CloudFormation や CDK のコードを生成してくれます。
現状は次の 3 サービスがサポートされています。

  • EC2
  • VPC
  • RDS

使ってみた記事をご参照ください。
https://dev.classmethod.jp/articles/console-to-code-general-available/

料金体系

上記機能は無料枠で利用可能です(月ごとに定められた上限あり)。
有償版は 1 ユーザーあたり 19 ドル/月の料金で、上述の機能の利用上限緩和に加えて、次の機能も利用可能です。

  • エンタープライズ用アクセスコントロール
  • 分析ダッシュボード
    • ユーザーの利用状況を参照
  • Amazon Q Developer コードのカスタマイズ
    • 社内ライブラリや独自アルゴリズム等の取り込みによって Amazon Q Developer が生成するコードを企業のコードスタイルに準拠させる
  • Amazon Q Developer の生成する出力について規約に基づく IP 補償

まとめと所感

AWS の主要機能について質問するといった使い方に留まらず、特に ChatOps を実際の運用にもぜひ取り込んでみたいと思いました。
知らないうちに課金されるといったことはないので、まずは無料枠から試してみるのがおすすめです。

また今度は Amazon Q Business についても調べたいと思います。

公式ドキュメント

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