[アップデート] Amazon Athenaのキャパシティ予約が1分単位・最小4 DPUから利用可能になりました
クラウド事業本部の石川です。Amazon Athenaの Capacity Reservations において、最小予約時間が 1分、最小DPU数が 4 DPU に引き下げられるアップデートが発表されました。
これにより、短時間のクエリワークロードに対して最大95%のコスト削減が見込めるようになります。
3行まとめ
- Capacity Reservationsの最小予約時間が1時間から1分に短縮された
- 最小DPU数が24 DPUから4 DPUに引き下げられた
- 短時間ワークロードで最大95%のコスト削減が可能に
これまでのCapacity Reservationsの課題
Athena Capacity Reservationsは、2023年に「Provisioned Capacity」として登場した機能です。従来のオンデマンド課金(スキャンしたデータ量に対して$5/TB)に対して、DPU(Data Processing Unit)を事前に確保することで、データスキャン量に依存しない定額課金モデルを提供します。
しかし、「5分間だけ4 DPUで軽いバッチクエリを実行したい」というケースでも、最低24 DPU × 1時間分のコスト($7.20)が発生していました。短時間・少量のワークロードには割高な仕組みだったのです。
今回のアップデート内容
今回のアップデートにより、Capacity Reservationsの制約が大幅に緩和されました。
| 項目 | 従来 | 今回のアップデート後 |
|---|---|---|
| 最小DPU数 | 24 DPU | 4 DPU |
| 最小予約時間 | 1時間 | 1分 |
| 最小課金フットプリント | 24 DPU × 60分 = 1,440 DPU-分 | 4 DPU × 1分 = 4 DPU-分 |
| 最小コスト($0.30/DPU-hour) | $7.20 | $0.02 |
| DPU削減までの待機時間 | 予約作成後1時間 | 予約作成後 1分 |
その他のポイントは以下の通りです。
- 既存のワークグループやSQLの変更は不要です
- Capacity Reservationsで実行されるクエリにはデータスキャン料金($5/TB)が発生しません
- 1 DPU = 4 vCPU + 16 GBメモリのコンピューティングリソース
- DMLクエリは自動的に4〜124 DPUを消費し、DDLクエリは4 DPUを消費します
コスト試算
東京リージョン(ap-northeast-1)の単価 $0.30/DPU-hour を基準に、いくつかのシナリオでコスト比較をしてみます。
シナリオ別コスト比較
| シナリオ | 所要時間 | 必要DPU | 従来のコスト | 新しいコスト | 削減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 軽量アドホッククエリ | 3分 | 4 DPU | $7.20(24 DPU × 1時間) | $0.06 | 99.2% |
| 日次ETLバッチ | 10分 | 8 DPU | $7.20(24 DPU × 1時間) | $0.40 | 94.4% |
| インタラクティブ分析 | 15分 | 16 DPU | $7.20(24 DPU × 1時間) | $1.20 | 83.3% |
| 大規模分析クエリ | 30分 | 16 DPU | $7.20(24 DPU × 1時間) | $2.40 | 66.7% |
※ 計算式: DPU数 × (利用時間[分] / 60) × $0.30
想定されるユースケース
今回のアップデートにより、以下のようなユースケースでCapacity Reservationsが活用しやすくなります。
1. 短時間のバッチ処理
毎日数分〜十数分のETLバッチを実行するケースでは、必要な時間だけDPUを予約して実行できます。従来は1時間分の課金が発生していたため、短時間バッチにはオンデマンド課金の方がコスト効率が良い場合がありましたが、今回のアップデートでCapacity Reservationsが有利になるケースが増えるでしょう。
2. インタラクティブ分析
データアナリストがアドホックにクエリを実行する際、必要な時だけ少量のDPUを予約して高速に処理できます。分析セッションの開始時にCapacity Reservationを作成し、終了時にリリースする運用が現実的になりました。
3. 優先クエリの実行
通常はオンデマンド課金を使いつつ、重要なクエリや緊急の分析タスクにはCapacity Reservationsで専用リソースを確保するハイブリッド運用が、少ないDPU・短時間で試しやすくなります。
Capacity Reservationsを試してみる
2023年にCapacity Reservationsがリリースされたときは、最小DPU数が24 DPU、最小予約時間が1時間にヒヨってしまい、検証に至りませんでした。今日は最小DPU数が4DPU、最小予約時間が1分なら怖いものなしです!
ということで、リベンジ検証をします!
Capacity Reservationsの作成
Capacity Reservationsの画面から、[Create capacity reservation]を押します。

ダイアログが表示されるので、Data Processing Units (DPU)に、4を設定しました。

確認のダイアログが表示されます。
選択したリージョンのアカウントで、4つのデータ処理ユニット(DPU)をリクエストしています。リクエストが完了すると、予約が有効になった時点から予約をキャンセルし、実行中のクエリが終了するまで、DPU時間ごとに1分単位で課金されます。

Capacity Reservationsが作成されると、Capacity Reservationsのダッシュボードのような画面が表示され、StatusがActiveになると利用できるようになります。約1分程度でCapacity ReservationsのStatusがActiveになりました。

Capacity Reservations を Workgroupに追加
作成したCapacity ReservationsをWorkgroupに関連付けます。

既存のWorkgroupの中から1つ以上を選択します。

Capacity Reservations のWorkgroupsに追加されたことが確認できます。

Capacity Reservations でクエリを実行
Amazon AthenaからCapacity Reservationsを使ってクエリを実行するには、関連付けたWorkgroupを指定して実行します。実行すると、4DPUを使用した(Consumed)したことが確認できます。

Capacity Reservations の削除
Capacity Reservationsの画面から、[Create capacity reservation]を押します。

作成時と同様にダイアログが表示されます。

数分で削除できました。
最後に
Amazon Athena Capacity Reservationsが1分単位・最小4 DPUから利用可能になったアップデートを紹介しました。
2023年にProvisioned Capacityとしてローンチした際は、最小24 DPU・8時間のコミットメントが必要で、かなり大規模なワークロード向けの機能という印象がありました。その後、最小予約時間が1時間に緩和され、今回さらに1分、4 DPUまで引き下げられたことで、小規模なワークロードでも気軽に使える機能になったと感じます。さらに2025年11月にオートスケーリングソリューションがリリースされました。
日次バッチや短時間の分析クエリで「データスキャン量は少ないけれど、複雑なクエリなので処理時間は確保したい」というケースに効きそうです。オンデマンド課金とCapacity Reservationsのどちらがコスト効率が良いかを比較検討する際の選択肢が広がりました。
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