社内合宿でAI BPRを取り組んでみた

社内合宿でAI BPRを取り組んでみた

先日、部内でAI BPRを活用したBPR勉強会を実施しました。案件対応中心のエンジニアがSales業務を「お客様」として体験することで、技術的な学びだけでなく同僚への理解と共感が生まれた、その経験を共有します。
2026.08.08

こんにちは、こーへいです。

先日、部内で合宿形式の勉強会を実施しました。テーマは「AI BPR」。普段案件対応をメインとするエンジニアメンバーが、営業・プリセールスの業務をAIで改善するワークショップに取り組んだのですが、技術的な学びだけでなく同僚の業務を深く理解するきっかけとなる非常に良い機会になったので共有します。

きっかけ

我々の部署はコンサルティング部です。コンサル部の歴史について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

業務としては大きく以下を中心に活動しています。

  • 案件対応: AWSやAIなどを活用したいお客様へ手を動かす支援をメインとする活動
  • プリセールス活動: 案件化する前のお客様の相談内容をお伺いし、最適な方法をご提案する活動
  • アウトプット活動: ブログや登壇などの活動
  • 社内改善業務: いろいろな活動

私のいる部署は新規のお客様や広範なお客様を担当しており、メンバー内にも案件対応を得意とするメンバーとプリセールス活動を得意とするメンバーに分かれています。

それぞれの関係性を図にするとこんな感じです。

部署の関係性と今回の取り組みの位置づけ

プリセールスエンジニアはSalesのミッションなどドメイン知識が詳しく、お客様からの問い合わせに対して技術面を含めて解決策を提示します。一方で案件対応中心のエンジニアは、打ち合わせの中だけでは解決しない課題(構築のお手伝いや長期間の技術アドバイザーなど)を担当しており、Salesと関わる機会がプリセールスエンジニアほど多くなく解像度を上げる段階にありました。

最近はAIの発達により、エンジニアにもお客様との打ち合わせで直接価値を発揮する機会が強く求められるようになりました。案件対応を中心とするメンバーにもプリセールス活動をする機会を増やす必要があります。

そのような状況の中、プリセールスを得意とするメンバーとSalesにて合宿勉強会を企画しました。案件対応を中心とするメンバーにはSalesの業務内容の解像度を上げてもらい、お客様役であるプリセールスやSalesメンバーにはお客様側の視点を体験してもらう。その手法としてAI BPRのアプローチを参考に、Sales業務の変革に取り組むことにしました。

AI BPRとは

AI BPR(AI-driven Business Process Re-Engineering) はAWSが提供するプログラムです。ビジネスモデルや業務プロセスをAIエージェント前提に組み替えるための4〜5時間のプログラムで、ファシリテーション、技術検証、成果物作成のすべてをAIエージェントが駆動します。

そもそもBPR(Business Process Re-engineering)とは1990年代に提唱された業務プロセスの抜本的見直し手法です。一般的な「業務改善(カイゼン)」が現状を肯定して少しずつ良くするのに対し、BPRは現状を否定してゼロから作り直すという発想の違いがあります。

AI BPRはそこに更にAIの視点を加え、「AIを使って業務効率化する」のではなく「ビジネスモデルをAIエージェント前提に組み替える」というかなりドラスティックなアプローチです。

詳しくは以下をご参照ください。

今回のBPR対象

今回の合宿ではAI BPRの考え方を参考にしつつ、Sales業務の改善〜変革を広義のBPRとして取り組みました。テーマは「Sales・プリセールスの商談準備〜記録プロセスの改善」です。

Salesやプリセールスメンバーはお客様との打ち合わせの準備のために、Webに載っている企業情報やCRMに記録されている顧客情報、またお客様の問い合わせ内容をもとにお客様の相談事に対して事前準備をします。また必要に応じて技術的な内容が含まれる場合はプリセールスエンジニアに同席を依頼し、お客様の悩みを解決します。

こうして発生したお客様の悩みを記録することで、適切にお客様の状況に合わせて解決策を一緒に考えていくのですが、そのためにはお客様の悩みを適切に記録する必要があります。

ところがこれまでは以下のような課題がありました。

  • 商談準備、プリセールスエンジニアへの同席依頼、悩みに関する記録をSalesが手動メインで作成しており工数がかかる
  • 人によって悩みの記録の粒度がバラバラで、適切に引き継げる状態ではない

これらを解決するというのが今回のBPRのテーマとなりました。

実際の様子

普段案件対応をメインとして活動するメンバーは、Salesがどのような業務やミッションを持っているか、またお客様との商談がどのように進むかの解像度が低い状態にありました。

そのためまずはヒアリングから始めるのですが、ヒアリングには相手のことを想像して情報を引き出すことが必要です。いつもはお客様のことをしっかりヒアリングして理解する立場であるエンジニアも、Sales部門を「お客様」としてロールプレイすることで改めて業務やミッションを理解する機会となり、同僚のことを知るきっかけになりました。

このヒアリング自体が、まさにプリセールスでのお客様対応そのものなので、プリセールスの練習の機会にもなっています。相手の業務を理解し、課題を引き出し、最適な解決策を考えるという一連の流れを実践的に体験できるのは大きいですね。

合宿の様子

発表会の様子

お客様役を体験して気づいたこと

お客様役を担当したプリセールス・Salesメンバーからは以下のような気づきがありました。

  • いっぱい興味を持って質問してくれると嬉しい
  • お客様は支援する我々がそれくらい自分を理解してくれているかわからない(基本的にお客様は不安な状態)
  • 質問一つで「この担当者は勘が鋭いな」と感じることができる
  • いきなり質問なく作成に取り掛かるのではなく、会話して目線合わせしてもらえることで安心できる

エンジニア(SA)側の気づき

  • 社内の別部署の理解度が進むきっかけになるし、Sales側の目線に立つきっかけになれた点が非常に良い
  • 自発的な疑問がいちばんの理解促進剤となる

やっぱり自分から「知りたい」と思って聞くのと、受動的に説明されるのでは理解の深さが全然違うなと感じました。

ソリューション検討〜発表

相手のことをヒアリングし、背景情報などをしっかり理解した上でAIでどのように効率化・クオリティ上昇につながるかを議論し、各々Claudeでのアプローチを検討し始めます。以下は成果物の例です。

作成した成果物の例

作成した成果物の例2

その後1時間半後に発表会。それぞれ作ったものを報告し、Salesメンバーの意見をもらいつつ、使ってみたくなるソリューションとしてまずは一部メンバーにPoC的に導入することになりました。

学び

まずSalesの業務改善につながる第一歩を踏み出せたというところはもちろん良いのですが、それよりも個人的に良かったなと感じたのは以下の2点です。

同僚への理解と共感

案件対応メンバーが普段交流の少ないSalesのことをしっかり自発的に理解しようとし、「仲間がハッピーになるためには?」と真剣に考えるきっかけになったこと。技術力だけでなく、相手の業務を理解し課題を引き出す力はお客様対応でもそのまま活きるスキルなので、この体験は大きいと思います。

お客様目線の体験

我々お客様役としても体験することで、「こういったヒアリングは嬉しいな」だったり、「何も聞かれずにいきなり解決策を提示されても響かないな」など、お客様目線での気づきがある非常に良い機会となりました。

おわりに

なかなかこういったまとまった時間を設けるのは難しいのですが、AI BPRは4〜5時間で実施できるプログラムなので合宿勉強会のコンテンツとしても相性が良いです。

今回は社内の業務改善をテーマにしましたが、また機会があればやりたいですし、このような体験をお客様に届けて価値提供できたらと思います。

最後に、今回の合宿にご協力いただいたAWSのソリューションアーキテクトの方、クラスメソッドのSalesやエンジニアの皆さん、ありがとうございました。それでは。


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