[レポート] 金融機関向けAmazon Echo/Alexaへの取り組み事例紹介 #alexaday2018 #jawsug
はじめに
本ブログは、2018年2月11日(日)に開催されたAlexa Day 2018のセッション、
「金融機関向けAmazon Echo/Alexaへの取り組み事例紹介」
のレポートです。
スピーカーは、 株式会社 野村総合研究所 ビジネスIT推進部の馬勝淳史さんです。
レポート
金融機関におけるAlexa導入事例
みずほ銀行におけるAlexaの取り組み
Alexa導入のきっかけ
- みずほ銀行はFintechに力を入れている
- 非対面チャネルの拡大
- ペッパー、チャットボット
- 家庭の中にチャネルを拡大したい
- ボイスアシスタント ー> 「会話サービス」を盛り上げていこう
- AlexaのUSでのPOCと日本ローンチをNRIが実施
- ボイスアシスタント ー> 「会話サービス」を盛り上げていこう
- 非対面チャネルの拡大
米国でのPOC
- 目的
- Amazon Echoを活用した金融サービスのニーズ確認
- 全般的な利用状況・サービス状況
- 利用したい金融サービス、セキュリティ・プライバシーの懸念
- 技術的な確認
- AWSサービスへの実装
- みずほ銀行のサービス、サーバとの連携
- Amazon Echoを活用した金融サービスのニーズ確認
- POC概要
- 米国に行ってのユーザーヒアリング
- Amazon Echoが日本で発売される前はラズベリーパイでEchoモックを作って検証を進めた
- POC全体イメージ
- 残高照会スキル
- モックアプリ
- IoT貯金箱
日本ローンチ
- USのPOCでやったことから、MVPを残高照会スキルに絞り込んだ
- 日本向けに入出金明細の確認機能を追加した
通常のアプリ開発とAlexaスキル開発との違い
- 開発フロー
- どうやったら自然な対話が作れるかがわからなかった
- デザイン思考、LEAN開発、アジャイル開発手法を採用
- どうやったら自然な対話が作れるかがわからなかった
- 設計面
- 入力辞書
- スキルに渡されるスロット値の揺れを補正するために使用
- 出力辞書
- 期待通りの発話にならない単語の読み方の補正、カード表示対応(SSML付きのテキストをそのままカードに表示させない)
- 入力辞書
- テスト面
- ローカルLambdaでテスト駆動開発ができて楽だった
- alexa-conversation
- ローカルLambdaでテスト駆動開発ができて楽だった
- 結合テスト
- ほとんど自動ではできなかった
- エンタープライズレベルでネックになりそう
- 結合テストのアイデアレベルの構想(未実施)
金融機関向け、一般スキルとの違い
- スキル専用PIN
- スキルが起動した時にいきなり残高を喋らせたくない
- 数分以内ならPINなしでOKとした
- OAuth2.0(自前でやる場合)
- OAuth2.0(既存の仕組みがある場合)
- 別のシステムが利用していたりして、仕組みをいじりたくない、ということが多い
開発Tips
- 想定と異なる発音で発話される
- 読み上げがおかしいと最悪審査を通過できない
- アルファベットはカタカナorルビで表記するか、SSMLのphonemeタグを使う
- 読み上げがおかしいと最悪審査を通過できない
- intentが正しくてもslotに入る値が正しいとは限らない
- ASRの過学習の結果、「キャンドル」が「キャンセル」にひっぱられるようになった
- エラーハンドリング時に迷子になりやすい
- ユーザーがあいまいな支店名を発話 ー> 存在しない支店名として認識される ー> エラーとして「入力が間違っています」と返す ー> ユーザーは自分の話し方に問題があったのか、そもそも存在しない支店名なのかの区別がつかない
- 「〇〇支店の残高はありません」、と返せば、支店名の認識が間違っていることがわかる
- ユーザーがあいまいな支店名を発話 ー> 存在しない支店名として認識される ー> エラーとして「入力が間違っています」と返す ー> ユーザーは自分の話し方に問題があったのか、そもそも存在しない支店名なのかの区別がつかない
- その他
- async/await使えない、promiseじゃないとダメ
- Alexaのタイムアウトは8秒で、lambdaのタイムアウトが30秒
- レスポンスが返らない時デバイスのLEDが30秒間光り続けてその後セッション終わる、という挙動になる
みずほ銀行の今後の取り組み
- バンキングサービスの拡充
- 非対面チャネルとして浸透させる
- 顧客のロイヤリティを高めたい
おわりに
事業会社向けのスキル開発をどのように進めていったのか、どういう課題があってどのように解決したのか、ということを具体的に説明いただき、業務でスキル開発を行う際に非常に参考になる内容でした!