[レポート] ハードウェアビジネス側から見た音声認識家電の現状とこれから #alexaday2018 #jawsug
はじめに
本ブログは、2018年2月11日(日)に開催されたAlexa Day 2018のセッション、
「ハードウェアビジネス側から見た音声認識家電の現状とこれから」
のレポートです。
スピーカーは、 株式会社Cerevo 代表取締役CEOの岩佐琢磨さんです。
レポート
スマート家電ビジネスについて
- 洗面台の鏡はみんな毎日使っているのに、最近だれも買い替えていない。これはビジネスチャンス
- スマート洗面台はCESで結構出展されていた
- 家電ビジネスは30年前とさほど変わっていなくて、買い替えタイミングが重要
- 音声コントロールは大きなトラクションポイント
- スマート電球から、最近はスマート便器とかまででてきてる
- 洗面台の買い替えタイミングは、普通割れたか汚くなったか
- 友人宅にスマートミラーがあって、実際にふれると、ちょっといいなと思うかもしれない。そういう機会を増やすのが大事
- テレビはいろんなトラクションポイントがある(4k、HDR、ネットフリックス対応とか)
- まだ4kじゃないの?といろんなところから言われると、変えたくなる
- 音声コントロールは大きなトラクションポイント
- 建材にスマートデバイスを埋め込んでみたらどうか
- 建材は、一般人は普通買わなくて、業者とかが買うもの
- そういうところにスマートデバイスが埋め込まれてると、値段の感覚がわからなくなる
- スマートデバイス単体に100万だせ、といわれると躊躇しがちだが、3000万の家を建てる時に100万で音声コントロールつきます、というとふらっといけるかもしれない
Cerevoについて
- ODMを使わずに、全部自社開発している
- 70カ国以上で事業を展開
- 売上の60%は海外から
- 作っているもの
- ハイテクスマートトイ
- タチコマ
- Microsoftの音声認識エンジンを利用
- 「サイコパス」のドミネーター
- タチコマ
- ライブビデオ製品
- コネクテッドスポーツ製品
- スマートホーム製品
- Hackey
- Cerevo社内の地下倉庫の鍵の貸出し管理に利用
- Hackey
- ハイテクスマートトイ
音声認識家電について
- 海外の家電の方が、音声コントロール対応がどんどん進んでいる
- 2016年のトレンドはスマホでコントロールだったが、2018年のトレンドは音声でコントロール
- 今年のCESに出展されていた白物家電はすべて音声対応されていた
- 従来家電をスマホ対応するためにはWi-Fi搭載したりアプリを開発したりする必要がありハードルが高かったが、スマホ対応家電をAlexa対応するのは単にアプリにつないでいたところをAlexaに向けるだけでよかったので簡単だった
- 2016年のトレンドはスマホでコントロールだったが、2018年のトレンドは音声でコントロール
- 今年のあたまくらいからAlexa対応家電が市場に出始めてきた一方で、車のAlexa対応はこれから
- 自動車が刷新されるのは5年に1回、一方家電は2年に1回
- 以前にもカーナビの音声操作はあったが、今回は、ナビ以外のいろんなことも音声でできるようになる
- Cortex-M系ARMコアを搭載した低価格Wi-Fiモジュールの普及によるジェネリック家電ODMベンダの台頭
- 家電大手も徐々に腰をあげはじめた
- 大手の参入障壁になっていたポイントをAlexa(Amazon)が全部やってくれる
- OSのどのバージョンまで対応するか
- 古いバージョンは切り捨てればいい、とわりきれない会社もある
- サーバ維持費
- セキュリティ
- OSのどのバージョンまで対応するか
- 何か起きた時にAmazonが責任とってくれるわけでは無いにしても、Amazonの看板を使っていい、という姿勢を出したのがエポックメイキングだった
- 大手の参入障壁になっていたポイントをAlexa(Amazon)が全部やってくれる
- スマホ対応家電が出た時は、アプリの操作が面倒でそんなものスマートにしなくてもいい、と消費者に思われていたが、音声操作に対応すると印象が変わるかもしれない
- 遠くにあるもの、手を使いたくないもの
- 手が汚れている時など
- キッチンまわりに注目している
- 手が汚れている時など
- ちょっと変わった製品も出てきている
- 音楽の曲名を言うとそれに合うワインをだしてくれるスマートワインラック
- スマートサドル(https://heelsdownmag.com/?p=12143)
- 遠くにあるもの、手を使いたくないもの
- Alexa対応家電には2種類ある
- AVS家電
- Amazon Echoと同等の音声認識機能を持つデバイス(Alexa Enabled Device)
- AVS家電の開発は面倒
- マイクアレイの配置は筐体設計から考慮する必要があり難しい
- ウェイクワード検出
- 高速なレスポンスが必要なため通常デバイス上で行う必要がある
- 音質も重要
- 開発しているスタートアップは少ない
- Invoxiaなど
- フランスのハードウェアスタートアップ。最近はフランスのハードウェアスタートアップの勢いがある
- Invoxiaなど
- Cerevoも作っている
- ASK家電
- PHILIPSのHueのような、AVS家電から制御されるデバイス(Works with Alexa Device)
- AVS家電
- 音声コントロールとは別の流れで、画像認識の家電への搭載のトレンドもある
- CES2018で出展されたスマートミラーは音声・画像認識両方の文脈
- メイクアップ、ヘルスケアなど
- CES2018で出展されたスマートミラーは音声・画像認識両方の文脈
おわりに
スマート家電ビジネスにおけるトラクションポイント、という考え方があるということが特に興味深かったです。家電の新製品が出てきた時にトラクションポイントを意識してチェックしてみたいと思いました。 フランスのハードウェアスタートアップについては、CerevoさんのブログやMUFG Innovation Hubさんの記事が公開されています。興味を持たれた方はこちらも併せて読むことでより理解が深まると思います。