EC/CRMの自社サービス「prismatix」開発のプロジェクトマネージャーから開発チームのマネージャーにクラスチェンジする話

EC/CRMの自社サービス「prismatix」開発のプロジェクトマネージャーから開発チームのマネージャーにクラスチェンジする話

2022/1/1よりprismatix開発のプロジェクトマネージャーから、「開発チームのマネージャー」にクラスチェンジします。さらにもう一段上のレイヤのマネジメントにどう取り組むのか考えをまとめてみました。
Clock Icon2021.12.30

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2021/7に prismatixの開発者から開発チームのプロジェクトマネージャーにクラスチェンジした話 | DevelopersIO というエントリを書きました。また、それからこれまでどんなことをやっていたかの途中結果を 開発チームのプロジェクトマネージャーになって最初にやったことn連発 | DevelopersIO というエントリにまとめたところ、非常に多くの方に見ていただくことができました。

そして、年明けの2022/1より、今度は組織上の「マネージャー」にクラスチェンジすることが決まりました。よって、これまではプロジェクトマネージャー(PjM)として「プロジェクト」という範囲で行っていたマネジメントを、さらに上のレイヤから広い範囲に対して行うことになります。

そこで、そんなチャレンジに向かって何をしていこうか、自分なりに考えをまとめてみました。

変わらないこと

PjMになったときにしたいこととしてあげていた、

Devチームを中心として系が回るようにする

については、マネージャーになっても変わりません。今後もその障害となるモノをどんどん倒していこうと思います。

しかし、「Devチームを中心として系が回る」というのは、実際はどんな姿を目指せばよいのかについては、ふんわりとしたままでした。そこで、先日私なりに目指す姿について考えてみました。

目指す姿

私なりに導き出したのは、

自由自在

なチームであるということでした。

この元となる考えは、「自由をつくる 自在に生きる」(森博嗣, 2009年, 集英社新書)という私が大好きな本から持ってきました。

「自在」あるいは「思うがまま」であり、 ようするに「自分の思い通りになる事」である。

これをもう少し具体的な言葉で表現すると、

思ったとおりに 安心して使えるプロダクトを 開発・保守できる

能力を持ったチームであるとも言えます。

この「思ったとおり」については、開発チームの視点だけでなく、プロダクトに関わる全てのステークホルダーの視点を想定しています。

  • 顧客: 思ったとおりに動く
  • prismatixを利用した開発者: 思ったとおりに使える
  • 顧客フロント: 思ったとおりに顧客に導入できる
  • 運用: 思ったとおりに監視・運用できる
  • Dev: 思ったとおりに修正・追加できる
  • QA: 思った通りに品質を確認できる
  • ビジネス: 思った通りに事業を展開できる
  • コンサル: 思った通りに顧客の問題を解消できる
  • 営業: 思った通りに顧客と契約できる
  • etc...

これまでやっていたこと

開発チームのPjMになってからやってきたことは、主に下記の3つです。

  • 開発プロジェクトマネジメント
  • 各ステークホルダーとの調整
  • 開発チームサポート

これらについては、今後も引き続きやっていくことになります。

ただ、「開発チームのサポート」については、私がコードレビューや設計レビューしなければならないような場面を極力減らしていくよう、活動を行っていきます。

これから新たにやること

これまで開発チームのマネージャーはエンジニアリングマネージャー(EM)の塩谷が兼任していました。私がマネージャーになることで、これまで塩谷が行っていた次の4つの役割を、私がやることになります。

  • エンジニア採用
  • 1on1
  • 育成
  • 勤怠管理

勤怠管理については特筆すべき事柄は多分無い *1ので、他の3つについて詳しく見ていきましょう。

エンジニア採用

現在のprismatixの開発では、やりたいことに対して開発者が不足している状態です。今後より多く顧客に価値を届けるためには、開発者を始めとしたエンジニアの採用が急務です。

ここ最近のエンジニア採用については、完全に「売り手市場」という状態ではありますが、なんとか人材を確保するべく色々と手を打ってみたいとおもいます。

1on1

プロジェクトマネジメントという視点での1on1はこれまでも度々行っていました。今後はそれに加えて、キャリアやメンタルサポートといったピープルマネジメントの視点での1on1も始めなければなりません。

まずは、ひたすら話を聴くこと *2に重点を置き、徐々に進めていけたらと思っています。

育成

これまでprismatixの開発チームメンバーは、ある程度「できる」メンバーを採用したり、引っ張ってきたりという形で来ていました。ただ、前述のように今は空前の売り手市場であることから、ジュニアエンジニアを育成するという視点も今後取り入れていかなければならないでしょう。

今すぐにというわけではありませんが、そういった動きを見据えて仕込みは始めなければならないと思っています。

開発チームの直近の課題

前述のような「自由自在」な開発チームとなるためには、今「不自由」であることに着目し、「自由になるための障害」となっているモノを見出し、その原因を見つけ、解消し続けていく活動をし続ける必要があります。

それを踏まえ、今の開発チームについて私なりに見いだし、直近で次の課題に取り組みたいと考えています。

  • 生産的な稼働時間の割合向上
  • フロー効率の向上

生産的な稼働時間の割合向上

prismatixはありがたいことに徐々に多くの顧客に利用していただけるようになりました。

その反面、稼働する環境数の増加に伴い、顧客からの問い合わせ対応やアラート対応といった「運用に必要な稼働」、障害対応などの「非生産的な稼働」に割く時間が、日々の業務の稼働時間のうちだんだん多くの割合を占めるようになってきました。

これにより、プロダクトの機能追加・改善を行うための「前向きな稼働」や、新たなAWSサービスのキャッチアップや設計・テストなどの開発に関するスキル向上に使う「刃を研ぐ稼働」といった、「生産的な稼働」の割合が圧迫されています。

この状態を放っておくと、品質の改善を行う時間がなくなってしまい、より「運用に必要な稼働」「非生産的な稼働」の時間が増えてしまうという負のスパイラルに陥る恐れがあります。そうならないよう、今のうちに手を打つ必要があります。

フロー効率の向上

これまでprismatixの開発では、一人一人がそれぞれ別の課題に取り組むことで、多くの機能を生み出してきました。その結果、EC/CRMのサービスを提供するためのAPIは、かなりの数が揃っている状態になっています。

しかし、今後prismatixをより便利に使っていただくためには、まだまだ不足している機能があり、それを必要としている顧客により早く届けていかなければならないでしょう。

そのためには、一人一人が別の課題に取り組む リソース効率 を求めるよりも、チームとして課題に取り組み少しでも速く価値を届けられるような フロー効率 の向上が必要です。

もちろんこれまでも随時相談にのるような動きはあり、一人だけで開発を行うようなことはありませんでしたが、より チームとしての力 を高めていきたいと考えています。

まとめ

3年前にクラスメソッドにジョインしたときには、まさか自分かこんな役割になっているとは思いもしていませんでした。

とはいえ、今は自分がマネジメントの役割をすることが組織の力となるタイミングが来ただけだとも思いますし、前向きにより素晴らしいチームとなれるように尽力していこうと思います。

最後に

prismatixではガンガンと自分ごととして課題を解決してくれる仲間を募集しています。興味のある方は、下記のリクルートページより是非ご応募ください。

リクルート|プリズマティクス株式会社

脚注

  1. あったらまたなにか書きます
  2. いわゆる傾聴と呼ばれるもの

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