[登壇資料]人事未経験者の元開発者を半年で立ち上げた話 / 継続的パフォーマンスマネジメントについて #devio2023

[登壇資料]人事未経験者の元開発者を半年で立ち上げた話 / 継続的パフォーマンスマネジメントについて #devio2023

Clock Icon2023.08.17

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
DevelopersIO 2023のビデオセッションにて「人事未経験者の元開発者を半年で立ち上げた話」というテーマで発表をしました。

動画

スライド

セッション詳細

新しいメンバーの立ち上げとして大きく2段階あります。
オンボーディング段階とそれ以降の継続支援です。
それぞれに対応する要素として
  • オンボーディング段階 - 部門オンボーディング
  • それ以降 - 継続的パフォーマンスマネジメント
を説明します。

部門オンボーディング

部門オンボーディングとは、部門で業務を行うために必要となる前提を整える場です。
人は新たな環境に適応する際に必要な要素として、組織社会化という概念があります。
適応には3つの要素が必要です。
  1. 文化の適応
  2. 技能の適応
  3. 役割の適応

1 文化の適応

文化の適応は、新しい環境特有の文化への適応です。例えば
  • 部門のMission/Vision/Valueを知る
  • 部門のメンバーと打ち解ける
  • 部門の仕事の進め方に慣れる
などがあります。

2 技能の適応

技能の適応は、新しい環境で必要となる技能の習得です。例えば
  • 部門で必要となるドメイン知識を得る
  • 部門で新たに担当する業務の基礎知識を身につける

などがあります。

3 役割の適応

新しい環境における存在価値を生み出すことです。例えば
  • 役割、責務を明確にする
  • 強みを活かして価値を発揮できるようにする

などがあります。

部門オンボーディングの例

実際に私の部門で実施している部門オンボーディングの例です。
[]の部分は組織社会化の分類です。
  • オンボーディングの導入説明[その他] - 部門オンボーディングの目的、ゴール、アウトラインを説明する
  • ツール設定[その他] - 部門で利用するツール類の紹介、初期設定をする
  • 部門方針[文化] - 部門の方針について説明する
  • 部門体制[役割] - 部門の体制について説明する
  • 業務の全体像[役割] - 業務の全体像について説明する
  • 他部門との関わり[文化] - 他部門との関わりについて説明する
  • プロジェクト[役割] - 扱っているプロジェクトの概要について説明する
  • 仕事の進め方[文化] - 部内特有の仕事の進め方について説明する
  • 基礎知識[技術] - 業務に関わる必須の基礎知識を説明する
  • 現状説明[その他] - 部門の現状を説明します
  • 期待値調整[役割] - キャリア志向や強みを整理し、目線合わせをする
  • ふりかえり[その他] - オンボーディングの継続改善のためのふりかえりをする

関連記事はこちら

部門オンボーディングのまとめ

部門オンボーディングを整備して 文化、技術、役割への適応を支援しましょう。

継続的パフォーマンスマネジメント

継続的パフォーマンスマネジメント (Continuous Performance Management = CPM)とは、1on1などを通して継続的に期待値 をそろえ、メンバーの能力・成果の向上を促す マネジメント手法です。

土台づくり

継続的パフォーマンスマネジメントを始めるには土台づくりが必要です。
土台には以下の4つがあります。
  1. 職務分析
  2. キャリアラダーの整備
  3. メンバーのキャリア志向の整理
  4. メンバーの現在地の確認

1 職務分析

職務分析によって部門内に存在する職務を整理します。
  • 主な責務
  • 担当業務
  • 業務を遂行するために必要な能力
  • 業務を遂行するために必要なマインド

2 キャリアラダーの整備

職務分析の結果をもとにキャリアラダーを作成します。
  • ロールのラダーを作る
  • ロールとグレードの関連をまとめる
  • ロールごとに必要なスキルとマインドをまとめる
  • まとめた内容を個人ごとにチェック可能にする

3 メンバーのキャリア志向の整理

メンバーのキャリア志向を把握します。
  • キャリアに関する期待値を調整する
  • メンバーにPersonal MVVを作成してもらう
Personal MVVは個人が追求したいMission / Vision / Value をまとめたものです。
これにより、メンバーが仕事を通して実現したいことや 大切にしている価値観を把握できます。
なお、自分がやっていきたいことがすぐに整理できる人ばかりではありませんので、マイペースでじっくりと整理してもらいましょう。

4 メンバーの現在地の確認

期中にどこを伸ばすか話し合うには現在地を知る必要があります。
  • 担当可能な業務、不可能な業務を把握する
  • 習得済みの知識・スキル、未習得の知識・スキルを把握する
  • 習得済みのマインド、未習得のマインドを把握する

継続支援

土台を整えたら、1on1を通した継続的な支援の実施します。
  1. 承認
  2. キャリア支援
  3. 能力開発支援
  4. マインド開発支援
  5. 困りごとの相談

1 承認

メンバーの自己効力感を高めるために承認をします。
  • 存在への承認
  • 行動への承認
  • 能力向上への承認
  • 成果への承認

自己効力感が向上すると、成果・成長に向けた挑戦をしやすくなります。

2 キャリア支援

本人のキャリアが常に進展していくように話し合います。
  • キャリア志向の変化の確認
  • 進展有無の確認
  • 経験機会の割当の相談

3 能力開発支援

本人の能力が常に高まるように話し合います。
  • 必要だが不足している能力の確認
  • 不足している能力をどのように伸ばすか話し合う
  • 能力強化に苦戦している内容に関する相談

4 マインド開発支援

本人のマインドが常に高まるように話し合います。
  • 必要だが不足しているマインドの確認
  • 不足しているマインドをどのように伸ばすか話し合う
  • マインド強化に苦戦している内容に関する相談
マインドは能力よりも曖昧であったり、個人の性格・性質などと向き合うことになるため、丁寧なやりとりが必要になります。
特に改善点に関するフィードバックをする際にベースの信頼関係が欠かせません。

5 困りごとの相談

本人が一人では乗り越えられない状態で燃え尽きてしまわないようにします。
  • 難しくて解決できないことの相談にのる
  • 対人関係での相談にのる
  • 該当分野に詳しい社内の専門家を紹介する

継続的パフォーマンスマネジメントのまとめ

1on1を通した継続的パフォーマンスマネジメントで メンバーが常に成長している状態を実現しましょう。

関連情報

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.