周囲の活動基盤を整える、活動推進をする
こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
部門、チーム、プロジェクト、タスクフォース。人が集まって活動する場において、活動基盤を整えるのが好きです。
この記事では、チーム活動に必要になることが多い活動基盤について整理します。
周囲の活動基盤の整備
私がよく対応する活動基盤の要素には以下のようなものがあります。

タスク管理
定番はタスク管理です。システム開発においてタスク管理場所はきっちりと実施していることが多いかと思いますが、それ以外の関係者の活動やタスクフォースとなると、管理がおろそかになりがちかと思います。
タスク管理が必要そうだけど、整備されていない場に関わる場合、以下を実施しています。
- タスク管理ツールの導入 : 該当業務用のタスク管理のスペースを新規登録する
- タスク管理の運用方針の決定 : タスク管理の運用方針についてスタート時点における最低限のルールを決める
- タスク管理の運用方法を文書化 : タスク管理の利用方法についてスタート時点における最小限のリファレンスを整備する
目的や方針の認識合わせ
関係者を集めてチームとして何かの活動をするということは、業務上の目的があるはずです。
また、継続的に活動する場合、方針が必要なこともあります。
そこで、新たなチームでなにかを始める場合、以下を実施しています。
- 目的の文書化 : このチームの目的を文書化します
- キックオフの開催 : チームのキックオフを開催し、目的と次のゴールを決定します
- 初期方針の決定 : 継続的に活動するうえでの方針が必要になったタイミングで、方針を作成します。チームなら Mission / Vision / Value やインセプションデッキでまとめるような内容です
キックオフで次のゴールを決定するのは、最初の集まり以降、何をすべきかわからず活動が停滞することを防ぐためです。
ふりかえり
チームの活動が継続的に続く見込みがある場合、ふりかえりを実施するようにしています。
大枠で以下の2パターンがあります。
- 週次や月次など定期的なふりかえりの実施
- 活動の区切りなど、任意のタイミングでふりかえりの実施
ふりかえりは活動の質を継続的に高めてくれます。
また、仮に主業務以外での活動だった場合、ふりかえることでその知見を主業務に持ち運びできる可能性が高まります。
ミーティングの基盤整備
自分が主要メンバーとして参加するチームの場合、ミーティングの基盤整備をすることが多いです。
議題の準備
ミーティングを実施する場合、当日までに議事録にアジェンダをまとめるようにしています。
定例の場合は、定例用の議事録を作成し、テンプレートを作り、それを元に毎回同じフォーマットの議事録を利用できるようにします。
Google ドキュメントを使うことが多いため、定例議事録の場合はテンプレートを用意し、テンプレート用のタブを作って、それをコピーして利用しています。
リアルタイム議事録で議論を可視化
自分が主要メンバーとして参加するチームの場合、ミーティング中にリアルタイムで議事録を画面共有しながら記載するようにしています。
ミーティングの議事録自体は Meet の記録・書き起こしなどにより、まとめてもらえるようになりましたが、ミーティング中の議論のズレを防ぐ目的でリアルタイム議事録を書くようにしています。30分や1時間のミーティングで各自が口頭で話した内容をすべて齟齬なく記憶できる人は稀です。正しい理解、正しい記憶があってこそ、意図したやりとりができます。話の流れを忘れた、わかりにくかったけど質問のタイミングを逃した、用語を聞き間違えたなどの事態にならないようにリアルタイム議事録が必要です。
リアルタイム議事録についても生成AIでカバーされることが増えていくかもしれませんが、生成AIの出力は発言した内容や伝え方に依存するはずです。
そして、人間が会話する内容は思ったよりも論理的ではなく、文法が正しいとも限らず、用語も間違えがちですし、代名詞が多用されたり主語や目的語が省略されたりと曖昧なことが多いです。こういったやりとりの主旨を推測し、必要なら確認し、議事にまとめることができるのはまだ人間ならではの領域だと思っています。
ファシリテーション
誰か決まったファシリテーターがいない場合、チームのミーティングのファシリテーターを務めるようにしています。
なお、輪番など意図的にみんなでファシリテーターをするようなチームの場合はもちろんそうします。
事前に整理した議題に沿って、主旨を踏まえ、時間配分を意識しつつ、脱線を元に戻し、曖昧な部分は質問や確認で明確にし、意見が偏れば発言を促し、決定事項への到達を促し、決まったことを記録します。
Next Action の記録
次の活動がまとまったら Next Action として書き残します。
担当者、期日、対応概要などをまとめます。
タスク管理への登録
ミーティングが終わったら、忘れないうちに Next Action の記載をタスク管理ツールに登録します。
自分以外の担当内容の場合、登録が終わった後 Slack などでメンションしてタスクにしたことを連携します。
基本的にはその日の中に対応するようにしています。
特定の人たちだけが閲覧できる場所の整備
人事マネージャーだけのミーティングや、ピープルマネージャーのみへの周知・情報共有など、情報の流通範囲を制限する必要がある活動では、以下を実施しています。
- Google Group など権限を区別するためのグループアカウントを作成する
- 以下の場所を利用するためにグループアカウントを利用します
- 特定の関係者に限定して資料を保存する場所を用意します
- 特定の関係者に限定してチャットをする場所を用意します
- 特定の関係者に限定してタスク管理のスペースを用意します
- 関係者が継続的に周知資料・ストック資料・タスク等を探すためのポータルページを作成する
- Slack の場合、 Canvas にチャネルの趣旨やポータルサイトへのリンクなどの情報を記載する
ここまでが初期対応です。そのうえで、人の出入りに応じてグループアカウントのメンテナンスや、新しい人の招待をします。
対応経験の経緯
私がマネージャーになったのは現職になってからです。また前職ではマネージャーではなかったものの、評価制度の責任者とエンジニア採用責任者をしていたので、そこに関わるミーティングの主催は私でした。ミーティングに関わる部分は人事になってから対応しはじめたものが多いですが、タスク管理や情報共有場所(情報管理ツール、チャットツール)の整備など、プレイヤーの時代から環境を整える担当を買って出ることがたびたびありました。
自分が主催でコミュニティをいくつか立ち上げたこともあり、そこでも似たような対応をしていたため、『任意のチームで何かの活動を開始し、継続する』という場に関わることが多く、そこで周囲が安定して活動できるように動くことが多くありました。
そういった経緯から、かなりこなれていて、個人的には心理的な負荷がなく必要なときに必要な基盤を整備するようになりました。
まとめ
周囲の活動基盤を整える活動についてまとめました。
マネージャーやリーダーがこういった活動ができると理想ですが、チームで誰か1名がこういった部分を対応できればいいので相対的に適性のある人がマネージャーやリーダーと連携しつつ整えることができるといいかなと思います。そのうえで、1名だけに依存しないように最低2名以上は対応できるようにしておくとよいでしょう。
技術の進化によって個人が活動する範囲が広がり、リーダーシップを発揮して任意の活動を推進する人が増えるのでは、と考えています。そういったとき、ここでまとめたような要素が必要になってきます。






