オファー面談における課題の傾向と対策
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
採用活動は常に完璧とは限りません。また、ある時期に完璧に見えていたとしても内外の環境が変化するため、完璧な状態を保てるとは限りません。そのため、継続的な改善が必要となります。
この記事では、オファー面談における課題の傾向と対策についてまとめます。
オファー面談について
オファー面談は、採用プロセスの最終段階であり、内定前もしくは内定後に行われる面談です。主に内定条件の提示や、入社した場合に関する疑問点の解消のための場です。
この場は合否の判定を行う選考の場ではないため、面接ではなく面談です。
オファー内容
オファー面談ではオファーレターという形で内定条件を通知するのが一般的です。
オファーレターの内容は、入社する場合に通知が必要な労働条件通知書の内容に近しいものになります。ただし、オファーレターでは労働条件通知書に比べて、もう少し限定された内容に絞って伝えるケースが多いでしょう。
例えば
- 入社予定日
- 従事する業務
- 賃金
- 等級制度がある場合は選考評価をふまえた等級
- 労働条件(勤務地、休日等)
- 福利厚生
などです。
オファー面談の課題
意向上げの不足
オファー面談は、ここまで紹介したような内定条件の提示の場ではあるのですが、内定承諾に向けた意向上げの最終チャンスでもあります。ここで話した内容を元に応募者さんは他社と比較して最終的に内定を承諾する会社を決定します。
そのため、上記のような形式的な条件の伝達以外に、より詳細な業務の情報や応募者さんが今回の転職に求める条件がどれくらい満たせるのかどうかなど、より具体的な認識合わせをしたり、未来の上司・同僚候補としてのコミュニケーションを通した意向上げが必要な場でもあります。形式的な部分に留まり、意向上げの部分が実施されないのであれば、意向上げの不足が課題になります。
過剰な意向上げ
意向上げの不足とは別に、意向上げを狙いすぎて実態以上に自社をよく伝えてしまうことがありえます。結果として、入社後にギャップが発覚し、デモチしたり、早期の離職につながる可能性が上がります。
オファー条件の調整
オファー条件を提示した結果、応募者さんから条件の変更に関する要望が出る場合があります。
おそらく最も多いのは給与提示額の変更要望です。前職給が高かったり、他社からもらった内定のオファー年収が高い場合などに、より高い年収の提示を求められる場合があります。
例えば、年収アップの要望に応えて入社してもらった場合、入社後の活躍水準に対する期待値は選考時の評価よりも高くなるはずですが、この点が意識されず、入社後に高くなった年収相当の活躍までは至らず、評価が低くなりデモチベーションにつながる可能性があります。
オファー面談の課題への対策
意向上げの不足への対策
オファー面談の課題への対策としては、形式的な部分以外の詳細な期待値合わせをしたり、入社してもらうとへの熱量を伝えることです。
例えば、入社した場合の入社直後〜中長期の業務への期待値をより詳細に揃えること。選考過程で応募者さんから聞いた転職軸となる条件について、どの条件が満たせ、どの条件は満たせない環境であるかをもれなく受け答えすること。そして、ぜひ一緒に働きたいということや、どのような活躍を期待しているかを伝えることなどです。
過剰な意向上げへの対策
過剰な意向上げは実態以上に自社をよく伝えていることが原因のため、オファー面談で自社の魅力を等身大で伝えることです。
オファー条件の調整への対策
調整の例で上げたように、希望年収に応じるために本来よりも高い年収提示をする場合、選考時点の評価よりも難易度の高い業務を成し遂げてもらえることを前提に高い年収を提示しているため、入社後のハードルが上がることについてしっかりと認識を合わせておく必要があります。
これとは別にこういったケースを避けるために、そもそも年収アップに応じず、選考評価通りの年収提示を行い、それで内定辞退がでるならやむなし、という判断もありえます。ただし、複数の応募者さんに関して年収不足が続く場合は、個別の問題ではなく競争力のある年収設定への見直しが必要かもしれません。もちろん自社の懐事情によりますが。
全体に共通する対策
すべての要素に共通する対策として、継続的な改善があります。
オファー条件の記録、内定辞退の理由、入社後のアンマッチなどの情報を元にふりかえり、オファーの条件はコミュニケーションに課題があった部分を見極め、継続的に改善をしていくことです。大抵の場合、最初から完成度の高い状態にはなりにくいため、改善によって質を高めていくことが必要です。
まとめ
オファー面談における課題の傾向と対策についてまとめました。
オファーは選考全体で考えると対応が必要な人数が少ない一方で、入社判断の後押しをする最後のタイミングです。しっかりと時間を掛けて認識合わせや意向上げを行いましょう。