AZ名とAZ IDの違い・対応関係を調べてみた!

AZ名とAZ IDの違い・対応関係を調べてみた!

2025.04.18

こんにちは!Koty-Mousa 矢坂幸太郎 です!

本日は、AZ 名と AZ ID について確認してみましょう!

そもそも、リージョンとアベイラビリティゾーン(AZ)とは?

リージョンとアベイラビリティゾーン(AZ)

リージョンとは、

  • 東京(ap-northeast-1
  • シンガポール(ap-southeast-1
  • バージニア北部(us-east-1

などの、地理的エリアを表すものです。

アベイラビリティゾーン(AZ)は、

  • ap-northeast-1a
  • ap-northeast-1c
  • ap-northeast-1d

のように表記される、それぞれ独立したサーバーを表します。

「リージョンの中に、複数のAZが存在する」とお考えください。

IAM資料調整中 のコピー のコピー

各 AWS リージョンは、1 つの地理的エリアにある、最低 3 つの、それぞれが隔離され物理的にも分離された AZ によって構成されています。

AWS リージョン内のすべての AZ は、AZ 間に高スループットかつ低レイテンシーのネットワーキングを提供する、完全に冗長性を持つ専用メトロファイバー上に構築された、高帯域幅、低レイテンシーのネットワーキングで相互接続されています。AZ 間のすべてのトラフィックは暗号化されます。

各 AZ には個別の電力源、冷却システム、そして物理的セキュリティが備わっており、これらは冗長的でレイテンシーが非常に低いネットワークを介し接続されています。

各 AZ はそれぞれ他の AZ から物理的に意味のある距離、つまり数キロメートル離れていますが、互いにすべて 100 km (60 マイル) 以内に配置されています。

リージョンと AZ - グローバルインフラストラクチャ - AWS

AZ 名 と AZ ID とは

普段、AWSを利用するうえでよく見るのは ap-northeast-1a のような表記です。
これは「AZ 名」です。
サブネットの作成 や EBS の配置など、AWSコンソール上では基本的には「AZ 名」を利用します。

一方で、これは「実際のサーバーセンター」と対応した表記ではありません。
つまり、アカウントによって AZ名(ap-northeast-1a 等) が指すサーバーセンターが異なるということです。

実際のサーバーセンターを表す表記に「AZ ID」があります。

  • apne1-az1
  • apne1-az2
  • apne1-az4

これは、「実際のサーバーセンター」を表すものであり、すべてのAWSアカウントで共通です。

この情報は AWS コンソール の Resource Access Manager よりご確認いただけます。
Resource Access Manager | ap-northeast-1(AWSコンソールのリンク)

スクリーンショット 2025-04-17 11.57.50

私の環境では、ap-northeast-1aapne1-az4 を指していることがわかります。

別のアカウントでは、ap-northeast-1aapne1-az1 を指すなど、アカウントによってこの割当は異なります。

IAM資料調整中 のコピー のコピー (1)

参考:
グローバルインフラストラクチャリージョンと AZ

このように、アカウントによって「AZ 名」が指す「AZ ID」は異なります。

どうしてこのような仕組みがあるのか?

(2025/4/18 追記)
なぜこのような仕組みがあるのでしょうか。
理由は、下記 AWS ドキュメントに記載があります

This approach helps to distribute resources across the Availability Zones in an AWS Region, instead of resources likely being concentrated in Availability Zone "a" for each Region.
Availability Zone IDs for your AWS resources - AWS Resource Access Manager

多くの場合、AZリストの先頭に「a」(例:ap-northeast-1a)があります。
私も、単純な検証の場合、いつも「a」を使っている気がします。
仮に、全 AWS アカウントが指す「a」が同じサーバーセンターの場合、1箇所に大量のリソースが集まってしまいます。

そのため、AZ ID と AZ 名 の仕組みによって、多くの人が「a」を選んでも、1箇所のサーバーセンターに集中しないようになっています。

どんな時に役立つのか

この情報が役立つ例として、VPC内のサブネット作成時が挙げられます。
サブネットは、1つのAZ内に作成可能です。
本機能では、他アカウントとサブネットを共有可能ですが、先述の通りアカウントにより AZ 名 が異なるため、AZ ID を認識しておく必要があります。
なお、サブネット作成画面に AZ ID が表示されています。
[アップデート]VPCサブネットを複数のAWSアカウントで共有できるようになりました!! #reinvent | DevelopersIO

スクリーンショット 2025-04-17 16.47.31


その他、EC2 では 一部のAZでは利用できないインスタンスタイプがあります。
アカウントによって、利用可能な AZ名が 異なりますので、アカウントごとにご確認ください。
EC2インスタンスタイプ毎に対応しているAZを確認する方法を教えてください | DevelopersIO


また、状況によってAWSの特定のAZにおける広域的な問題が発生する場合があります。
そのような場合、AZ ID について情報発信される場合があります。

例として、2025/04/15 に発生したAZ障害では、AWS Health Dashboard にて「apne1-az4」にて問題が発生したと情報が公開されました。
AWS東京リージョンAZ障害発生時のDevelopersIOブログへの影響調査(2025/04/15) | DevelopersIO


以上、AZ 名 と AZ ID についてでした!

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