【前編】サービスロゴ制作の裏側〜DevelopersIO BASECAMPロゴ編〜
こんにちは!アシスタントデザイナーの窪です!
クラスメソッドの子会社であるプロパゲートが運用する2つのサービス、「DevelopersIO BASECAMP」と「CMパートナーズ」のロゴを制作させていただきました。この2つのロゴ制作のフローを前後編に分けてご紹介させていただきます!
2022年10月に「DevelopersIO BASECAMP」のロゴを制作。そして、今年2023年6月に「CMパートナーズ」のロゴを制作しました。ロゴ制作の経験がなかったながらも制作を任せていただけて、緊張とワクワクで胸がいっぱいでした(笑)
本記事、前編ではDevelopersIO BASECAMPロゴ制作フローをご紹介いたします!
ロゴを作ったことがないなんて関係ない!!みんなの思いを詰め込んだ最高にクールなロゴを作りたい!!そんな熱い思いで挑みました、初ロゴ制作。試行錯誤しながらのフローとなりますので、温かい目で見ていただけると幸いに思います。
IT人材不足に関する課題を解決する2つのサービス
ロゴ制作にあたり、プロパゲート代表のtake3000さんからサービスの特徴や思いなど、色々とお聞かせいただきました。
現在、社会全体でIT人材が不足していることや、ITエンジニアの育成について学習したことと実案件で通用するスキルに乖離があり、IT業界に飛び込んだものの去ってしまうケースがあるといった課題があります。
この課題を解決するサービスが、「DevelopersIO BASECAMP」と「CMパートナーズ」です。
プロパゲートには大きく2つの事業、「教育事業」と「IT推進事業」があります。
「教育事業」で提供するサービスが、DevelopersIO BASECAMP。「IT推進事業」で提供するサービスがCMパートナーズです。
学習エンジンを身につける「DevelopersIO BASECAMP」
学習エンジンとは、自律的に学習を進める能力や技術習得の伸びしろ具合を表現する特性などを指し、クラスメソッドが採用活動を進めていく過程で自然発生的に生まれた造語です。(詳しい説明はこちら)
自律的に学習を進める能力(学習エンジン)を身につけられるカリキュラムを作ることで、より多くの人のスキルアップに貢献したいと考えています。
「DevelopersIO BASECAMP」はカリキュラムをこなして卒業、ではなく案件に入った後も活躍できる人材育成を目指します。学習エンジンを身につけることができれば、案件に入った際にも求められているスキルと自身のスキルの乖離を適切に捉え、自ら軌道修正・学習し、IT業界で生き抜いていくことができると考えているからです。
この教育コンテンツは、まずはAWSを軸に運営しています。今後、様々な分野に展開していく予定です。
DevelopersIO BASECAMPは2023年6月より新たなコミュニティ機能(「デベキャンコミュニティ(β)」)をリリースし、募集を開始しています!
ご興味のある方はぜひ、お申し込みください!
ロゴ制作
2022年10月に「DevelopersIO BASECAMP」のロゴを。そして、今年2023年6月に「CMパートナーズ」のロゴを制作しました。
まず、最初に制作した「DevelopersIO BASECAMP」のロゴのお話からさせてください!
DevelopersIO BASECAMPロゴ制作の流れ
ロゴ制作の流れは以下です。順にご紹介いたします!
- 要件の整理
- リサーチ
- アイディア出し
- ロゴ提案
- ブラッシュアップ
- ロゴデータの納品・ガイドラインの作成
1 要件の整理
今回作成するロゴの要件を整理します。具体的には「目的」「ユースケース」「ターゲット」「サービスの特徴」「込めたい思い」など、抽象的なものも含めて集められる限り多くの情報を収集します。理由は、すべての情報がロゴのアイディアの種になる可能性を秘めているからです。
今回のDevelopersIO BASECAMPロゴの制作前に集めた情報は以下です。
- 目的:ロゴを作ることで、サービスを認知してもらいやすくしたい。
- ユースケース:SNSでの発信をするため、サイトに掲載する。また、カードやステッカーなど印刷物にも使用する想定。
- ターゲット:エンジニア(男性が多い、エンジニア経験者を対象としているため20代後半〜30・40代が多い印象)
- サービスの特徴:実務で使えるAWSを学習できる。
- 意向:ロゴは矩形に入れたい。(扱いやすさの面・ロゴ領域の確保)CAMPを連想することができるテントをロゴに入れたい。
- 込めたい思い:ずっと関わり続け、学び続け一緒に成長していこうよ!一回働きに出ても戻ってきた時にはまた別の学びがある場所にしたい。戻ってきて学べる、いつでも帰って来れる場所にしたい。
また、目的やターゲットなどの情報を集めることはもちろん大切ですが「制約」についても把握しておくことは重要です。
ロゴ制作にはいくつかの制約が存在します。以下にいくつかの例を挙げます。
- ブランドガイドライン: ロゴは、企業やブランドのイメージを表現する重要な要素です。ブランドガイドラインに基づいて、ロゴは特定のスタイル、色、フォント、アイデンティティに従う必要があります。
- ターゲットオーディエンス: ロゴは特定のターゲットオーディエンスに訴求する必要があります。年齢、性別、文化的な要素など、ターゲットオーディエンスの嗜好や好みを考慮する必要があります。
- サイズとスケーラビリティ: ロゴは様々なメディアやサイズで使用されることがあります。小さな印刷物からウェブバナーや看板まで、異なるサイズで鮮明に表示される必要があります。
- 著作権と商標: ロゴは他のブランドや商標との類似性を避ける必要があります。著作権や商標の侵害を回避し、独自性と識別性を持つデザインを作成する必要があります。
- カラーバリエーション: ロゴは、モノクロやカラー、異なる背景色など、様々な状況で使用されることがあります。ロゴのカラーバリエーションは、印刷品やデジタルメディアでの使用に適している必要があります。
- シンプルさと認識性: ロゴはシンプルで認識しやすいデザインであるべきです。複雑なデザインや小さなディテールは、小さなサイズや遠くからの視認性を損ねる可能性があります。
これらは一般的なロゴ制作の制約の一部ですが、具体的なプロジェクトやクライアントの要件によって、異なる制約が生じる場合もあります。
2 リサーチ
同じ業界や競合他社のロゴを調査し、他社がどのようなデザインやスタイルを採用しているかを把握します。これにより、他社と差別化するためのアイデアや新たなアプローチを見つけることができます。また、サービス名で検索した時にどんなものがヒットするのか調べておきます。
DevelopersIO BASECAMPはオンラインの教育サービスなので、まずは関連するサービスロゴを調べていきます!
リサーチ資料の一部。
リサーチの結果はロゴタイプスタイルが多く見られました!ロゴタイプスタイルは名前をダイレクトに覚えてもらいやすいメリットがあります。文字色は黒など明度の低いはっきりした色を採用しているところが多そうです。
ロゴは他のブランドや商標との類似性を避ける必要があります。著作権や商標の侵害を回避し、独自性と識別性を持つデザインを作成する必要があるため、すでに世の中に出ているロゴと違うものを作らなくてはいけません。
これまでの情報を踏まえ、アイディアを出していきます。
3 アイディア出し
まず、今回は「CAMPを連想することができるテントをロゴに入れたい。」というご意向があります。また、ロゴを何かしらの矩形で囲うことがご意向でした。一旦考えられるアイディアを紙に書き出して、そこからいくつか絞った候補を見ていただき所感を伺いました。
アイディアスケッチの一部。
これらアイディアを共有し、いただいたフィードバックから、コンセプトを2案ご提案しました!方向性が見えてきたところで、イラストレーターでの作業に移ります!
4 ロゴ提案
今回制作するロゴのイメージと伝えたい思いを、ここで改めてコンセプトとして明確にします。一つ目は、プロパゲートがビジョンとして掲げている「デジタル活用によりワクワクする社会の実現に貢献する」をコンセプトに。二つ目は、共に学び成長し関わり続ける場所にしたい、そんなDevelopersIO BASECAMPへの思いをコンセプトにしました。
このコンセプトに沿って、それぞれアイディアを出していきます。
案の一部をご紹介します!
以下が、初回で提案した11案の一覧です。
また、矩形で囲むという意向や、ロゴとロゴタイプの組み方、ロゴタイプはどこまで情報を入れるのか、など合わせて検討を進めました。
矩形に入れる検討の提案資料の一部。
ロゴとロゴタイプをどう組み合わせるかの検討資料の一部。
イラレデータ
初期はロゴタイプとサブ情報が着く予定でした。ロゴと組み合わせてどう見えるのか?をさまざま検証しました。
検討を進め、ロゴとして決まったのは「道のり×テント」です!
5 ブラッシュアップ
このロゴからさらにブラッシュアップと検討を進めていきます。最初の案から、よりテントを強調した表現した案と、BASECAMPの「B」を強調した案をご提案しました。
そして、テントを強調した左の案に決まりました!細かな形の調整を行っていきます。
ほぼ完成に近づいてきました…!!右の案で決まり、ここからフォントの選定、フォントのウェイト、ロゴの余白の調整を行います!
…ついに…完成しました!!!!!
ロゴは、仕事のキャリアを積み上げる上でのスキルを磨く拠点となるBASECAMPのテントを表現しています。テントの中の上に伸びていくラインは、学び・成長していく道のりをイメージしています。
ロゴタイプは、共に歩み続けていく信頼感・安心感をイメージした書体を採用しました。
DevelopersIO BASECAMPは、修了した後も繋がりが続き、新しい人・職場・やりがいと出会える拠点となり、ワクワクする社会の実現へ貢献することを目指します。
(また、ロゴ内の人の形をしたラインはBASECAMPの「B」にも見える形となっています…!)
4 ロゴデータの納品・ガイドラインの作成
ロゴデータはイラストレーターで作成しています。社内で使用する際にはpngやsvgでの使用が想定されるため、合わせて書き出します。
イラレでデータを書き出す際に注意することは、アートボードの位置に小数点が生じないようにすることです。小数点が発生していると書き出した際の画像の下に隙間が生まれたり白いラインが入ったりとバグが発生しがちです…!
ガイドラインでは、アイソレーションの表記、使用上の禁止事項などを必ず記載します!正しく使用できるよう整備するのが重要ですね。
まとめ
まず、ロゴ制作にご協力くださった皆様!本当にありがとうございました!初めてのロゴ制作ということもあり、非常に多くのフィードバックをいただきました。特に先輩デザイナーには感謝の気持ちでいっぱいです。
また、完成したロゴを喜んでもらえた時は本当に嬉しかったです。私も今の自分が考え抜いたベストな形を作ることができたと思っています。スッテカーをいただいた時にはなんだか胸がいっぱいで、何度も眺めたのを今でも覚えています!笑
BASECAMPロゴ制作の難しかった点は、「CAMP」というワードからアウトドアブランドに見えないようにすることでした。IT企業のサービスとしての振る舞いとなっているロゴにしたいと考えました。
また、ロゴを作る上ではその対象について深く知る必要があります。どういったサービスなのか?誰が何のために?なぜロゴを作るのか?など知っていないと、そのサービスにとってのベストな形を提案することはできません。ロゴの要素全てに根拠が必要で、なぜこの形になっているのか?なぜこの配置・太さ・色なのか?など、全てに理由が必要なのです。これらが紐づいて、「〜〜〜だからこうしました」と説明できなくてはなりません。ロゴを作るために何の情報が必要なのか、手探りで進めるのがとても難しく感じました。正解はもちろん一つではありませんが、出来うる限りベストな形を模索したいと試行錯誤を繰り返しました。
言語化するというデザイナーに必要不可欠な能力が、私はまだまだ足りていないので、気になったことや頭の中をメモして書き出してみることや、先輩を捕まえて相談してみるなど、とにかく言葉にして自分の中から出すことを今後も続けたいと思います。
繰り返しになりますが、BASECAMPロゴ制作にご協力くださった皆様、本当にありがとうございました!
後半へ続く…!
CMパートナーズロゴ編へ続く…!!!→→→【後編】サービスロゴ制作の裏側〜CMパートナーズ編〜