要望が受け入れられるまで

要望が受け入れられるまで

Clock Icon2023.09.19

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こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
組織の各所において、日々様々な要望が発生します。
要望が受け入れられるのか、却下になるのかについてその道程を詳細に整理してみます。

要望が受け入れられるまでの道のり

要望が受け入れられるためには以下のステップをクリアしていく必要があります。
  1. 要望を明示していること
  2. 要望が妥当であること
  3. 要望の妥当性が伝わっていること
以降にそれぞれについて説明していきます

個別のステップの説明

要望を明示していること

要望は窓口となる担当者に明示的に伝える必要があります。
逆に、要望を担当者に伝えていない場合、それ以上の進展は起こりません。

ポイント1 - 要望を伝える側は明示が必要

要望がある場合、明示することが必要です。
当たり前の用に聞こえるかもしれませんが、要望を窓口に伝えずに要望が満たされない現状に対する不満をふくらませるケースを目にしたことがある方もいると思います。それを踏まえると潜在的な要望が常に開示されているとは限りません。

ポイント2 - 要望を受け取る側は明示しやすい場作りが必要

要望を受け取る側は、要望を明示的に伝えやすいようにしておく必要があります。
  • 窓口がわかりやすいこと
  • 伝えやすい雰囲気であること
  • 過去の実績から、伝えた内容が改善につながると思ってもらえること
などが必要でしょう。

要望が妥当であること

要望が受け入れられるためには、内容が妥当である必要があります。

ポイント1 - 対象となるテーマの特性

内容の妥当性を判断するにあたって、対象となるテーマの特性が影響します。
まず、一番わかり易いのは「唯一の正解があるようなテーマ」です。
この場合、現状が不正解になっていて、正解になるように変更すればいいということが伝われば要望が受け入れられる可能性は高いでしょう。
次に、明確な正解は定まっていないが、ベストプラクティスやアンチパターンが存在するような、「大枠で何がよさそうで、何がよくなさそうか判断できるようなテーマ」があります。この場合は、その根拠を適切に伝えることができれば要望が受け入れられやすくなるでしょう。この際に、抜け落ちがちになるのはROIの視点です。仕事上の提案は事業の成果につながるかどうかが判断材料になります。例えば取り組んでも事業成果にほぼ影響がない要望や、事業成果への影響が薄い割には、対応コストが大きい要望は却下になる可能性が高いでしょう。
最後に、「好みや決めの問題にあたるようなテーマ」です。
この場合、正解は存在せず、「試してみないと分からない」「どちらも選んでも一長一短がある」というようなケースです。
3つのテーマの特性を紹介しましたが、どのテーマの意思決定に関しても共通で重要になるのは、すべての意思決定が常に全員一致にはなりえないということです。
そのため、議論に積極的に参加し、異論がある場合は伝え、最終的に決定したら仮に自分の案が却下された場合や、選ばれた決定案に反対だとしても、決定結果の業務にコミットしていく姿勢が必要になります。こういった姿勢は「Disagree and commit」と呼ばれます。

ポイント2 - 前提情報の有無が影響する

妥当な要望を伝えるにあたって、対象となるテーマの前提情報の有無が影響します。
特に自分との関わりの薄い業務への要望ともなれば、基本的に前提情報は不足します。
例えば、
  • 外から見て不足がありそうな業務に見えているが、制約を加味すると現状で選べるベストエフォートとなる選択になっている
  • 外から見るとあまり難しい要素が無さそうに見えるが、実際の業務には様々な難しさが存在する
などのようなケースもありえます。

ポイント3 - 制約の影響

提案単体で見ると妥当だとしても、当事者が抱える制約を踏まえると受け入れることが妥当ではない場合もあります。
例えば、
  • 既存の業務量を踏まえると、要望に対して取り組む余力がない
  • 要望としてもらった業務以外の様々な業務の優先度を踏まえるとすぐに取り組む対象にはならない
などのケースがありえます。

要望の妥当性が伝わっていること

要望が受け入れられるためには、内容が妥当であるだけではなく、その妥当性が相手に伝わっている必要があります。

ポイント1 - 妥当性を適切に伝えること

仮に自分に対して何かを伝えるとしたら、前提も内容分かりきっているため、大雑把な伝え方でも伝わります。
一方で、他者に物事を伝える場合、相手に伝わるように前提や内容を詳細に伝える必要があります。
自分で自分に物事を伝えるという妙な例えを出しましたが、実際のところ「自分にしか伝わらないような伝え方を他人にする」という伝え方をするケースはよくあることでしょう。
あくまで、自分と異なる他者に伝えることを前提に相手に合わせた情報量で、具体的な根拠を添えて要望を伝えましょう。

ポイント2 - 建設的な姿勢で伝えること

誰かに要望を伝える場合、建設的な姿勢で伝えることが重要です。
攻撃や非難のニュアンスを込めて伝えた場合、仮に内容が妥当だったとしても心情的に受け入れにくくなる可能性があります。
また、そういった伝え方は要望を伝えるたびに相手にストレスを与えるコミュニケーションであり、相手にとっての職場体験を下げる振る舞いになります。

まとめ

要望が受け入れられるのか、却下になるのかについてその道程を詳細に整理しました。
例えば、「他社でやっている良さそうな施策を自社にもやって欲しい」という要望があった場合、今回まとめたような一つ一つの要素をクリアすることでようやく判断の土台にのる、ということになるでしょう。

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