[アップデート] Amazon Q Developer を AWS Builder ID で使っている場合でも Pro 版にアップグレードできるようになりました
いわさです。
Amazon Q Developer を AWS Builder ID で使用されている方多いと思います。
無料で使えるので便利ですが、無料版のリミットに達して使えなくなる場合もありますよね。
以前ブログで書いたのですが、Pro 版は IAM Identity Center でサブスクリプション管理して使う必要があり、AWS Builder ID からサインアウトして Q Developer Pro をサブスクライブ済みの IAM Identity Center ユーザーでサインインし直す必要がありました。
しかし、今朝のアップデートで AWS Builder ID からそのまま Pro Tier にアップグレードすることが出来るようになりました。
これはおもしろいですね。実際にアップグレードしてみたのでその様子を紹介します。
IDE 版と CLI 版どちらもアップグレードが可能なようですが、今回は IDE 版(Visual Studio Code)で試しました。公式ドキュメントの手順は以下をご確認ください。
アップグレードの手順
事前に Pro 版ではない AWS Builder ID でサインイン済みの状態です。
無料版の使用制限に達した場合、あるいは Q Developer メニューから Manage Q Developer Pro Subscription にアクセスすると次のようにサブスクリプションステータスのチェックが開始されます。
その下に「Subscribe to Q Developer Pro」というリンクが表示されていますね。これか。
リンクにアクセスしようとすると外部 Web サイトを開こうとしています。Open を押します。
そうすると AWS アカウントへのサインインが要求されました。
今回の Pro 版の仕組みですが AWS Builder ID を特定の AWS アカウントに紐づけて料金を支払う仕組みになっています。なので Q Developer Pro の料金を支払いたいアカウントでサインインしましょう。
サインイン後、次のように Q Developer Pro のアップグレード確認画面が表示されると思います。
料金は IAM Identity Center から Pro 版を使った場合と同様で月額 19 ドルですね。
Confirm upgrade を押すとサブスクリプションの作成が完了します。
以前はなかったのですが、Q Developer コンソールのサブスクリプション管理画面で Builder ID users というエリアが表示されるようになっていますね。
以下は別アカウントの IAM Identity Center で Pro 版へオンボーディングしている環境です。
こちらだと Builder ID users が表示されていないですね。
どうやら IDE や CLI から直接オンボーディングし、AWS Builder ID と関連付けされたサブスクリプションが存在している場合のみ表示されるようですね。
IDE に戻ってみると「Successfully upgraded to Q Developer Pro.」ということで、Q Developer Pro にアップグレードされているようでした。
AWS Builder ID の Pro 版は制限事項がある
ただし、この AWS Builder ID 経由の Pro 版ですが、IAM Identity Center 経由の Pro 版と比較して少し制限事項があります。
以下は AWS Builder ID を Pro 版へアップグレードした後の Q Developer のメニューです。
以下は IAM Identity Center を Pro 版へアップグレードした後の Q Developer のメニューです。
違いがあることに気づきますかね。
そう「Resume Auto-Reviews」や「Select Customization」といった機能が Builder ID の場合だと無いのですよ。
実はこの仕様は以下の公式ドキュメントにも記載されていまして、無料版のクォーターは Pro 版相当に引き上げられるのですが、Pro 版限定の機能は使えないとのことです。
なのでコードカスタマイズなどの機能メニューが表示されていないんですね。
さいごに
本日は Amazon Q Developer を AWS Builder ID で使っている場合でも、Pro Tier にアップグレードできるようになりました。
上限を引き上げたいだけであれば別の ID を管理しなくて済むので AWS Builder ID を Pro 版にアップグレードする形でも良さそうですね。
一方で、IAM Identity Center ユーザーの場合と比べていくつか制限事項があることもわかりました。
IAM Identity Center 自体の料金は無料ですし、Q Developer Pro の料金も変わりません。また、IAM Identity Center のアカウントインスタンスでも利用が出来るので AWS Organizations が使えない環境でも利用が出来ます。
どうしても AWS Builder ID を使いたい。という時以外は IAM Identity Center を使ったほうが良さそうな気もしました。